弘前ねぷた斜里保存会小山内会長が直々の指導
6年生のねぷた絵の指導に7月9日(月)から、来ていただいています。斜里の人なら知らない人はいないと思います。
7月6日(金)学校に来られて、門外不出の“弘前ねぷた”がどうして斜里で行われているのか?その経緯について校長室でじっくり聞きました。(この紙面だけでは、書き切れません。)300年の歴史と伝統のある「弘前ねぷた」を適当にやられては困る。忠実に受け継ぐことを条件に全国で斜里町だけが運行を許されている。それまでには、大変な苦労があったそうです。
小山内氏(子供たちは“師匠”と呼んでいる)は、ねぷたを描くのに弘前まで足を運ぶわけにも行かないので、分からないことがあると電話で描き方を教わった。だから一ヶ月の電話代が半端じゃなかった。あまりの熱意に弘前の絵師が、見本を描いて送ってくれたそうです。墨の入れ方、蝋(ろう)描きの仕方、色の付け方、絵の構成、目の位置など、話を聞くと奥の深さを感じます。
「最近は、歳をとって筆の勢いがなくなった。」と言いますが、なかなかどうして素晴らしい筆さばきです。一番感心したのは、建具の職人さんということもあって、段取りの良さです。朝は、私より早く学校に来て、準備をしてくれています。「一番肝心なのは紙貼り」、学校で貼ったのは「ダメだ!」と言われ、工場から職人さんを呼び寄せて、紙貼りを仕直してから作業に取りかかりました。子どもたちも私も師匠の指示には「はい、はい」と従って、黙々と作業を続けています。
北海道は、たかだか100年ちょっとの歴史しかありません。伝統文化といえるものもありません。私たち道産子にとって、感覚的に「しきたり」とか「伝承文化」というものを理解するのは難しいものです。本州の冠婚葬祭に参列すると北海道との違いに驚きます。
世界自然遺産に囲まれ、尚かつ、こうした伝統文化に触れる活動を経験できる朝日小の子どもはとても幸せです。まさに斜里ならではの特色ある教育活動です。
しかし、師匠は、「学校の勉強もあるから、これだけやっているわけにもいかないしな。何かいい方法を考えなければならない。」と心配してくれています。
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