「一瞬で良い変化を起こす」~“カウンセリングの小さな工夫”ベスト50~
すべての教師とスクールカウンセラーのために
学校心理士スーパーバイザー 臨床心理士 公認心理士 半 田 一 郎
本書は、いわば「わが家の手間なし簡単おかずレシピ!ベスト50」というような本です。つまり「煮物は本来、こんなふうに作るものですよ」というレシピではなく、「こうやってつくると、(それなりに)おいしい煮物が簡単にできますよ」という提案です。
毎日の家で食べる食事が成長と健康を支えています。子どもへの支援も同じです。専門機関のカウンセリングも子どもに役立つのですが、子どもの生活の場である学校の中で行われる支援やカウンセリングこそ、子どもの成長と健康を支えているのです。
≪面接中盤(理解編)≫
面接では、子ども自身や子どもの置かれた状況を理解することが必要になってきます。
理解を深めるためには、子どもから話をよく聞くことが基本になります。しかし、子どもの話は、子どもが自分なりにとらえた状況について終始することがほとんどです。こちらが子どもを理解するために必要な情報が、子どもの話から得られるとは限りません。子ども理解のために必要な情報を得ていくための工夫が求められます。
本当にイヤなものを理解する
子どもが直面している問題は、大人の目からは単純に見えるかもしれませんが、大人のとらえた問題と子どもの実感とはかみ合っていないこともあります。本人もよく分かっていないことがあります。子ども本人の感じていることに基づいて、直面している問題を理解していくことが大切です。
例えば、「算数がイヤだ」という子がいます。ところが正確にとらえると、算数がイヤなのではなく、イライラしてしまうような活動が嫌いだとしたら、対処法は大きく異なります。(続く)
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