「一瞬で良い変化を起こす」~“カウンセリングの小さな工夫”ベスト50~
すべての教師とスクールカウンセラーのために(2)
👀教師の言葉かけ一つで子どもの反応が変わります。ベスト50の中から、いくつか紹介しますので、参考にしてみてください。
不思議がってみる
子どもを支援するときには、子どもの行動や考えの理由を知りたいと思うことがよくあります。理由を聞こうとして、×「どうして○○なの?」と質問することがあると思います。一般に、「どうして○○なの?」という質問では、質問された側が非難されたとか否定されたと受け取られ、子どもからの自然な反応が得られにくいと考えられます。
こんなときは、◎「どうして○○なんだろうねぇ~…」と不思議がってみることをすすめます。一緒に考える姿勢をつくることが大切です。
“そのあと”どうしたかを聞く
子どもからの相談を聞いていると、出来事のいきさつについて、最後のほうのことは語られないことが非常に多いと感じます。語られていないその先の時間に目を向け、子どもがその時間をどう過ごしたかを聞くことも重要です。
子どもの話を聞いていくと、表面的には混乱した激しい感情が生じていることがあっても、その背後には、孤独や自己嫌悪、悲哀などの感情が隠れていることが多いものです。子どもが語るエピソードの“そのあと”どんなふうに過ごしたかを聞くことによって、隠れている子どもの姿に触れることができます。その時間の子どもこそ、サポートを必要としていると感じます。
細かな内容は( )でくくって受け取る
子どもによっては、細かなエピソードを途切れずに話してきて、こちらの理解が落ち着かないことがあります。例えば、友人関係のトラブルなどの相談の場合、きわめて込み入った話になることがあり、こちらの理解が追いつかないことがあります。
こういった場合は、語られている内容を丁寧に理解する必要はありません。話をきちんと聞いて理解することが重要と考える方が多いかもしれません。しかし、事実関係や出来事よりも、話している子ども自身の心の動きが一番大切なのです。出来事や人間関係そのものは、思いどおりにコントロールすることができないからです。中身に深入りせず、子ども自身がどう思うのか、どう感じるのかということを焦点にして話し合っていくことが重要です。
否定的な内容は、できるだけ細かく具体的に聞く
子どもの相談を受けていると、同級生や担任の先生、学校に対して否定的なことを言うことがよくあります。一般的には、人を非難することはよくないので、否定的なことを言うことをやめるように諭します。しかし、指導して否定的なことを言わなくなったとしても、子どもの中にある否定的な気持ちが変わったわけではありません。対処ができることには適切に対処し、できないことについては心の整理を進めていく必要があります。そのためには、言わせないようにさせるのではなく、より具体的に詳しく語るように促すことが重要です。
本人がつぶやくような言い方で質問する
学校を欠席がちになっている子どもの話を聞いていると、「学校のどんなところがイヤなの?」と質問したくなります。そういった場合、こちらの頭の中に生じた疑問をそのまま質問するのではなく子ども自身でつぶやくような言い方で質問することをすすめます
例えば「こんなところが学校に中で特にイヤだなぁ…、とかってあるかな?」などと、質問ともつかないような雰囲気で投げかけてみます。もし、その言葉を受けて、「エエ~、イヤなところは…」と語り始めたら非常に良い展開です。
そもそもカウンセリングは、尋問や取り調べではありません。こちらが子どもを理解することよりも、子どもが自分自身で自分を理解していくことが重要です。そのため、情報を集めるために質問するのではなく、子どもが自分を見つめるように促す質問をすることが重要です。
どんなときに聞く?
子どもをめぐって何らかのトラブルが生じたときには、その背景や理由を知りたいと思うものです。しかし、子どもに背景や理由を質問しても、今までに話されたことやすでにわかっていることの繰り返しになってしまい、先に進めなくなってしまうときがあります。
こういった場合は、例えば「今日は、どんなときに、イヤなことを言ってきたの?」と限定して聞いてみることをすすめます。そうすれば「○○の時間に…」と返ってくるかもしれません。そうすれば「○○の時間の何をしているときにイヤなことを言ってきたの?」とさらに詳しく聞いてみることができます。そこから背景や理由の理解につなげることができます。
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