2021年8月27日金曜日

花だより 「門徒物知らず」 フデリンドウ

 

 本州から引っ越してきた方のお話です。
~夏休みに、子どもの友だちが、朝から遊びに来るのに驚きました。そして、昼になっても帰らない。暗くなって夕飯時になっても帰ろうとしません。我が家では、“遊びに行く時は、午後からで夕飯の支度が始まる前には帰宅する。親が留守の時は、友だちを家に入れてはいけない。”と決めています。それが当たり前と思っていましたし、実家ではご近所の皆さんそうでした。ところが「今日は、誰もいないから、うちで遊ぼう。」と誘われるそうです。こちらの人は“大らかですね。”~
 「門徒物知らず」 浄土真宗の信者に、「仏教の作法を知らない」と批判する言葉ですが、本来の意味は、「門徒物忌み知らず」ということで、迷信俗信にとらわれない浄土真宗の門徒の生き方を示した言葉だったのです。「浄土真宗の門徒は弥陀一仏を信ずること専らにして、いかなることありても祈祷などすることなく、病苦ありても呪術、お守りをもちいず。みなこれ親鸞氏の力なり」という教義なのです。決して門徒の人が世間知らずではないということです。
 大震災後、日本人としての生き方とか尊厳が語られるようになりました。日本人の心やしきたりや接遇は、長い歴史の中で人と人の関わりを通じて親から子へ伝わって来たものです。教員なら、最低のマナーは身につけておかなければなりませんし、子どもに指導しなければなりません。自らの行動を振り返り、この歳になって改めて無作法を恥じているところです。ちなみに我が家は禅宗(曹洞宗)です。


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