2021年8月26日木曜日

花だより また詰め込みが始まった ナデシコ

 




 学校における最も急務の課題は、学校行事の精選・削減
 新学習指導要領が実施されました。「社会に開かれた教育課程」と銘打ち、カリキュラムをマネジメントして、そこにプログラミング教育、小学校では英語、そして、現代的諸課題への対応、スピードを増しているネット社会の変化に応えるべく多様な内容など、新機軸が目白押しです。
 しかし、一体これをいつ、どこでやるのか。今でも子どもたちは、ガチガチに組まれた分刻みの日課表のもと、休み時間も各学校独自の「○○タイム」で実質つぶされることが多いため、一日を終えると高学年は(教師も)クタクタです。新学習指導要領は「学習内容の削減は行わない」と明言し、内容もより高度になっています。現在の状況にさらに新しい活動が盛り込まれれば、ますます息が詰まってしまいます。これが「ゆとり教育」からの脱却なのでしょうか?
 さらにネット上では、アメリカの学習プログラムを見よ、フィンランドメソッドを見習い子ども主体の授業を、などと優れた授業サンプルが提示されています。しかし、それぞれのお国の事業と学校への期待が違うのです。
 一例を挙げれば、学校行事にこれほど準備時間を費やすのは日本くらいです。他の国でも運動会や遠足、修学旅行などはありますが、原則として自由参加です。また、いわゆる集団行動という発想そのものが無いのです。教師たちが声をからして訓練する整列や全体行進、さらに組体操を外国の人たちが見たらきっと驚くでしょう。
 子どもたちには、ホッとした時間を与える心身の均衡をとることも必要です。ネット社会はどこまでも速い・簡単・便利を追求しますが、その代償として常に忙しく慌ただしく暮らさなければなりません。したがって、教師は、子どもの学習意欲を鼓舞する一方でストレスマネジメントに心を砕かなければならなくなります。
 また、学校における最も急務の課題は、学校行事の精選・削減であり、小学校のクラブのような教科・領域に属さないものは、いままでの習慣にとらわれず思い切って止めるべきです。かつて学校の「スリム化」、最近は「断捨離」などと言われますが、まだまだ足踏み状態と言ってよいでしょう。
 新教育課程の中で、こうした取り組みがまさに「子どもたちを守る」という危機管理の基本として考えるべきです。



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