2021年8月16日月曜日

花だより カウンセリングの小さな工夫(3) ヒオウギ


 
 子どもの問題を家庭のせいにしない。 
 つながりをつくる
 学校現場で子どもを支援していると、子どもが学校生活の中で困難に直面しているのではなく、家庭生活の中で困難に直面している場合があります。そういった場合、こちらのサポートが子どもの日常生活の中まで届かないと感じることがよくあります。教師やスクールカウンセラーであっても、すべての子どものすべての場面で必要なサポートを行うことはもちろん不可能なことです。しかし、一方で、子どもがサポートされていない場面でこそ、子どもに届くサポートができないだろうか、と感じることがあります。保護者を変えようとするのではなく、子どもをサポートしていくことを工夫しなくてはなりません。
 「知らない」ということを強調する
 子どもと関係を築いたり内面を理解するために、子どもの好きなアニメや小説やアイドルなどについておしゃべりすることは非常に役立ちます。しかし、ここ数年、さまざまなアニメやアイドルが誕生してきています。子どもの話は、名前すら聞いたことのない作品やアイドルが登場することもよくあります。子どもが興味を持ったり好きになったりする作品はきわめて幅広く、われわれがあらかじめ知識を得ておくには限界があります。
 実は、作品やアイドルを知らないということは、子どもを支援する上ではプラスの面があります。相手が知らないからこそ、子どもは、自分の感じ方を話すことに不安が少なくなります。
 また、アニメやアイドルだけでなく、学校のことについても「知らない」ということを活用することができます。多くの場合、すべての子どもの顔と名前や特徴を把握するのは不可能です。他の先生の授業や部活での出来事や雰囲気なども分からないことが多いと思います。知らないことを強調しつつ、目の前の子どもの感じていることに焦点を当てて話を聞いていくことが大切です。

          


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