2021年9月30日木曜日

花だより 元気な子どもを育てる条件(まとめ) ヒガンバナ

 

 ≪元気な子どもを育てる条件≫  まとめ
👀若者・子どもが元気であった時代状況の要因、現代でもエネルギーが高く、第一線で活躍している子どもを育て上げられた要因・条件 
① 貧困と理不尽(不条理)体験があること(与え過ぎない)
② 緩やかな生活空間・ゆっくり流れる時間の中で過ごすこと(テレビやパソコン(スマホ)のつけっ放しは控え、じっくりと何かに関われせることが大切)
③ 集団の中で多様性を身につけることが大切(幼児期から学童期にかけて、自由度の高い環境で集団体験をさせることが大切)
④ 現代の方が有利な条件(一人の子どもに時間と世話が充分にかけられる。安全な場所が保障されている。)
👍荒ぶる野生児のような元気な子どもが育つ環境ではなくなりました。それを目指す必要はありません。それよりも、母親との密着状態が大人になっても続く状況であり、安定感のある子どもは育ちやすいのです。そして、飽和した社会には飽和した社会であるからこそ、多様なシステムが存在するので、それらを親は賢く利用することが大切です。子どもは用意されたシステムを自分なりに選び取り、集団体験や自由な遊びができる環境の中で、主体的に目標を目指すような子になれば、エネルギーの高い子に育ちます。少なくとも、与えられた枠組みの中で元気に頑張る芯の強い子は育つ。そういう時代になりました。

2021年9月29日水曜日

花だより 一流の子どもを育てる家族 ナンバルキセル

 

 ~つづき(3)~ エネルギーの高い一流の子どもを育てる家族は何が違うか?
 この家族は、プロテニスプレーヤーの錦織圭君のようなスーパースターを育てる家族です。また、長男・博氏は画家、次男・明氏は作曲家、末娘の真理子さんはバイオリニストと全ての子どもを一流のレベルに育てた千住文子氏の書かれた『千住家の教育白書』、プロテニスプレーヤーの杉山愛さんの母親である芙沙子氏が書かれた『一流選手の親はどこが違うのか』は、共にエネルギーの高い子を育てる模範となる様子が描かれている。共通しているのは、子どもは授かりものと考え(決して自分の延長としてではなく)、独立した存在として丁寧に見つめる姿勢があることです。それゆえ、子どもたちの個性もよく理解しているのです。子どものペースを無理なリズムに合わせようとしたり、親の不安や期待から過剰な関わりをせず、子どもたちの好奇心を大切にし、それらを伸ばし、高いエネルギーをもってサポートしている。遊びも子どものペースで十分に遊ばせている。そして、何より子どもとのコミュニケーションを大切にしているのです。
 芙沙子氏によれば、杉山愛さん、錦織君、石川遼君などの一流選手に共通しているのは、幼児期は、家族ぐるみで何らかのスポーツを楽しまれており(家族の共通の話題があることでコミュニケーションも豊かになる)、子どもが興味の持ちそうなところに出かけたり、興味を持てばさまざまなことをさせていることです。たとえば、愛さんは、テニス以外にも、体操、フィギュアスケート、クラシックバレーなどを学童期までは楽しんでいました。錦織君もスイミング、サッカー、野球、ピアノまで楽しんでいたそうです。そして10歳前後で、もっとも興味あるスポーツに専念しはじめ、親はそれを高いエネルギーでサポートし続けた結果なのです。


2021年9月28日火曜日

花だより 平均的な家族 ホオズキ

 

 ~つづき~ 現代の最大公約的な家族(平均的な家族)
 それなりに安定した家庭であり、母親が不安を抱きながらも、子どもにできる限りのことをしてやろうと、頑張って子どもを育てている家族です。
 今や豊富な家電により負担のある家事から解放され、子育てに十分な時間と世話ができる時代になりました。しかし、その分母親は働くようになり、子育ては幼児教育施設に任せるようになりました。しかも、家族自体が子ども中心に回っており、子どもは常に大人に世話をされ続け、塾やお稽古ごとでも世話をされ、指示を受け、与えられたシステム内で過ごしています。
 親の世話と大人のシステム、そして、モノと情報に溢れた状況で子どもは育っています。大切に飼われている羊のような生き方(言わるままに素直に枠の中で生きている)ともいえます。極端に言えば、自分から自発的に動かなくとも、全てを他者が与えてくれてスクスク育ち、手足ばかりがツタのように伸びていく植物のような生き方ともいえます。それが、素直で、優しく、指示待ちで、親離れせず、穏やかで無理や冒険をしない子どもを育てることになるのではないでしょうか。「さとり世代」と呼ばれる若者が育つ家族状況ともいえましょう。このような状況で育てられる子どもが大多数になっているのです。~つづく~


2021年9月27日月曜日

花だより 「鬼滅の刃」から親子関係を考える(1) ヤブラン

 

 「鬼滅の刃」無限列車編と炭治郎「立志編」がテレビ放送された。
 炭治郎が絶体絶命のピンチになったとき現れるのが家族だ。優しいお父さんやお母さんの顔、笑顔のきょうだいたちだ。そこから「全集中」、「水に呼吸」の必殺技が出る。「鬼滅の刃」のテーマは『家族愛』だ。大人気の秘密は、迫力あるアクションシーンだけでなく、涙を誘うドラマ性にある。

 問題のある家族・親子関係で育てられる子どもたち
 家庭として最悪なのは機能不全的家族です。子どもを虐待にさらしたり、駐車場に置いたままパチンコをしているような親です。親自身が未熟なため適切な関わりができす過放任の状況で育てられた子どもがいるのです。このような状況で育てられると、子どもは深い問題や傷を抱えて育ちます。また、荒れた性格にはなり得ても健やかな元気な子にはなりにくいのです。
 これほど深刻な子育て状況にはないまでも、神経症的な子を生む親の関わりもあります。家庭自体は安定しているものの、共感的能力の低い親であったり、何らかの期待や強い思い込みがあったり、逆に不安が強くおろおろしながらの子育てであったり、溺愛しすぎで何でも子どもの要求をかなえすぎたりするような親です。このような親に育てられると、萎縮した子ども、こだわりの強い子ども、不安の強い子ども、他者に過敏に反応する子ども、自己中心的な子どもに育ち、ひきこもりや社会不安障害(対人不安の強い子)になりやすいのです。~つづく~


2021年9月26日日曜日

花だより 子どもを元気するための働き方改革 サンマ オミナエシ

 

 😊かつて、子どもを元気にする仕掛けがあったのは、学校ではなく、家庭でもなく、学校への行き帰りの道や放課後の大人の目の届かない場所だったのではないだろうか。
 🤷‍♂️しかし、最近は、子どもが学校帰りに、今どこにいるかGPSで位置情報を親に知らせるための小さな装置をランドセルにぶら下げているという。それでは、うかうかと道草も寄り道もできない。犯罪に巻き込まれる恐れのある都会では、仕方のないのかもしれない。
 😢子どもの体の内側には、本来「元気」のモトがあって、その「元気」を磨く場所が、大人の目から解き放たれた自由な空間、道や空き地、広場や建物の陰だったという気がする。しかし今、都会で子どもの安全が守られる場は唯一学校だけになってしまったのかもしれない。家庭にだって、子どもを虐待する悪い親もいる。
 🤔学校という狭い空間の中で、子どもの「元気」をどう育てるか。そのカギを握っているのは先生であり、その先生の経営する学級である。元気は伝染するもので、生き生きと元気いっぱいの人の傍にいると、何となくその人の「元気のモト」のようなものが、こちらの身体や心に移ってくる気がする。
 😉ところが、最近の学校には雑務が多くて、先生たちは授業以外の雑用が多くて、先生たちは授業以外の雑用に追われ、子どもの仲間になる時間が持てないでいる。先生が元気印でいられるような学校にできないものか、働き方改革は、教師を楽にするためのものではなく、本来の仕事に専念できるようにするためのものだろうと思う。


2021年9月25日土曜日

花だより 言葉を磨く「痛み入る」 ゲンノショウコウ ツユクサ

 

 

~言葉を磨く~
 🤦‍♂️小学校の先生の話は「諄(くど)い」とよく言われます。子どもたちにわかりやすく伝えようとすると、簡易な言葉を選び、繰り返したり、念を押したり、時には上から目線で言うときもあります。それに慣れていると、大人を相手にしたときに、適切な言葉が出て来ないときがあります。反省しなければなりません。
  使ってみたい こんな日本語 「痛み入る」
           日本語研究者/編集者 本郷 陽二
 例えば目上の人が直々に挨拶に来てくれた、出迎えや見送りをしてくれた。あるいは、丁寧なもてなしをしてくれたなど、自分に行きすぎた対応をしてもらうことがあります。そんなとき、どのような言葉で気持ちを伝えるとよいでしょうか。
 つい恐縮して使ってしまうのが、「申し訳ない」や「すみません」という表現ですが、「いやや、こんなにしていただいて、すみません」「お忙しいところ、申し訳ないです」と繰り返し言うと、謝罪の言葉とも受け取られるため、「本当は嫌だったのかな」などと、相手に気を遣わせてしまう場合もあります。
 こうしたときには、「ありがとうございます」「嬉しいです」「とても助かります」という感謝や喜びの気持ちを素直に伝えた方が、印象がよいでしょう。
 お礼だけでなく、恐縮している気持ちをどうしても伝えたい場合に便利なのが、「痛み入る」という言い回しです。
「わざわざのお越し、痛み入ります」
「こんなによくしていただいて、痛み入ります」
「身に余るお褒めの言葉、痛み入ります」のように使います。
 相手の過分な好意に対し、ありがたさと申し訳なさを「痛み」という言葉で表現した、
 また、「痛み入る」の類語に「かたじけない」があります。
 こちらは、時代劇でよく耳にしますが、身に染みてありがたい、もったいない、おそれ多いという意味の表現です。
 「ご親切、かたじけなく存じます」
 ある程度年齢を重ねた人が、さらりと使えば知性を感じさせます。ただし、若い人が使うと慇懃無礼(いんぎんぶれい:表面上は丁寧だが、内心ではバカにしている)な印象を与えかねないので注意が必要です。




2021年9月24日金曜日

花だより 教師をやめようかな? すすき ツユクサ

 

 

  教師のストレスと生徒指導の難しさ ~深刻化する教師のメンタルヘルス
                  関西外語大学 教授 新井 肇
 精神疾患による病病気休職者数(平成27年度調べ)は、5,009人(全教職員のうち0.54%)でこの15年の間に倍増している。
  教師の疲弊の背景には、わかりにくさを伴う生徒指導の困難性がある。それでも、燃え尽きずに、児童生徒にきめ細かくねばり強く接するには、教師自身の自己理解とレジリエンスが不可欠である。
 ≪教職生活における危機の原因≫
危機の原因(複数回答可、上位10項目)《人数
手に負えない児童・生徒に振り回される 97
職員間の共通理解や協力が得られずに孤立 64
保護者との人間関係 51
管理職との軋轢 43
同僚とのトラブルやいじめ 33
多 忙 30
異質性の高い学校への転校 14
新任(リアリティショック) 10
部活動における生徒・保護者との軋轢 
10 望まない担任や分掌 
 教員が理想と熱意を保持しつつ、困難な状況に遭遇してもバーンアウト(燃え尽き)せずに生徒指導を行っていく上で「レジリエンス」が重要な意味をもつ。レジリエンストとは、「精神的回復力」「弾力性」「立ち直り」「しなやかさ」などと訳される精神的健康に関する概念である。また「困難で驚異的な状況にさらされることで一時的に心理的不健康の状態に陥っても、それを乗り越えていく弾力的な心理特性」と定義されている。
  ≪レジリエンスを構成する3つの要素≫
 ① 将来への期待や夢、目標をもつ「肯定的未来志向」
 ② 多様な物事に対して興味や関心を示しチャレンジする「新奇性追求」
 ③ 自分の感情を制御したり、切り替えたりすることができる「感情調整」
  *『教師を辞めようかな』と思ったら読む本 新井 肇著 明治図書2016
 教師である以上、程度の差こそあれ困難な状況に陥ることは必至である。まして、学級崩壊、いじめ、暴力行為などの生徒指導上の課題と直面する教師は、他の職種とは比べものにならないストレスフルな状況に遭遇したとして不適切な指導を行ったりせずに、児童生徒にきめ細かくねばり強く接していくためには、「レジリエンス」を身につけることが不可欠であろう。今後、教師のメンタルヘルス支援にとどまらず、生徒指導の力量形成の視点からも、教師一人一人のレジリエンスの向上を図る取組の具体化が求められる。




2021年9月23日木曜日

花だより 不登校対策が教員採用試験の問題に アキノタムラソウ 秋桜

 

 

*不登校対策が教員採用試験の問題になりました。
【問 題】  
1 次の文は、「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」
(平成28年9月14日文部科学省)からの抜粋です。( )の中に適切な語句を下から選んで記入しなさい。
(1)不登校については、取り巻く(   )によっては、どの児童生徒にも起こり得ることとして捉える必要がある。また、不登校という状況が継続し、結果として十分な支援が受けられない状況が継続することは、(     )の低下を招くなど、本人の(   )や社会的支援のために望ましいことではないことから、支援を行う重要性について十分に認識する必要がある。
(2)不登校については、その(   )や背景が多様・複雑であることから、教育の観点のみで捉えて対応することが困難な場合があるが、一方で、児童生徒に対して教育が果たす役割が大きいことから、学校や教育関係者が一層充実した指導や(   )への働きかけ等を行うとともに、学校への支援体制や関係機関との連携協力等の(     )による支援等を図ることが必要である。
(3)不登校とは、多様な原因・背景により、結果として不登校状態になっているということであり、その行為を「(     )」と判断してはならない。不登校児童生徒が悪いという根強い偏見を払拭し、学校・家庭・社会が不登校児童生徒に寄り添い(      )と受容の姿勢を持つことが、児童生徒の(     )を高めるためにも重要であり、周囲の大人との(     )を構築していく過程で社会性や人間性の伸長につながり、結果として児童生徒の(     )につながることが期待される。
(4)不登校児童生徒への支援は、「(         )」という結果のみの目標にするのではなく、児童生徒が自らの(   )を主体的に捉え、社会的に(   )することを目指す必要があること。また、児童生徒によっては、不登校の時期が(   )や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で、学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することを留意すること


     環境  自己肯定感  進路  要因  家庭  ネットワーク 
    問題行動  共感的理解  自己肯定感  信頼関係 社会的自立 
    学校に登校する  進路  自立  休養

        能取湖のサンゴ草が真っ赤に染まり見ごろを迎えました。




2021年9月22日水曜日

花だより 正しい「しつけ」で所得増? フヨウ

 

 教頭先生と若い先生との職員室での会話
 😉保護者へのトラブル含みの電話連絡を自宅に帰ってからしようとした若い先生。それを教頭が引き留めて言いました。「ここ(学校)で電話してから帰りなさい。何かあったら(揉めたら)すぐに電話を代わるから。」
 不思議なことに、こう言ってあげると電話は代わることはなく、その後揉めることもなかったとか。何かあっても教頭先生という後ろ盾があると思うと、落ち着いて保護者に対応することができるのではないでしょうか。もし、自宅で一人電話をかけていたらどうなっていたか? 
 正しい「しつけ」で所得増?
 コロンビア大学の有名な実験「非認知能力 マシュマロ・テスト」
 😁4才児を対象に、マシュマロを食べるのを我慢する自制心を測る調査をしました。
 追跡調査の結果、4歳のときに自制心が働いた子どもは、そうでない子どもと比べて大学適性試験のスコアが高くなるという結果を出たのです。さらに将来の賃金にも影響するという調査結果があります。
 日本における研究でも、幼少期の家庭環境をサポートし、十分な教育機会を与える政策は効果があるといわれています。生徒指導は児童生徒の将来にまで影響するのです。
 😊全国の男女約1万6千人を対象にした別の調査では、「うそをついてはいけない。」などの基本的なしつけを受けた人は、所得が多くなると言う結果が出ています。
 「三つ子の魂百まで」幼少期のしつけがいかに大切か、これからも分かります。

2021年9月21日火曜日

花だより T・T 1+1>2? 桔梗

 

 T・T 1+1>2? 
 年度末反省で「T・Tによる学習効果があった。」という学年経営の反省がほとんどでした。何を持って学習効果があった。と言えるのでしょうか?
 T・Tはアメリカで考えられた指導法です。一人の教師では十分な指導ができないので二人で教える。つまり「1+1=1」(2人で一人前)という発想です。しかし、日本では、1+1>2の効果が求められています。
 T・Tが目的外に使用されていて、道教委がその給与を返済したことがありました。それまでT・Tは学校の都合で加配として○○に使われていたのです。ですから、T・T指導法の研究は進んでいなく、その効果は未だに1+1=1.1くらいしかないかもしれません。  
 力のある先生が後ろでただ黙って立っているのは、もったいない話です。札幌のある小学校の学力テストの結果は、全国平均を大きく上回った。その要因は、「T・Tの充実にある。」という報告がありました。しかし、多くの学校でT・T加配措置がされていますが、残結果はご存じのとおりです。どれだけの効果があったのか、学校全体でT・Tの指導法について考えるべきです。また、働き方改革やリモート学習でのサブTの在り方など、再考が必要です。
 


2021年9月20日月曜日

花だより クレームに対して逃げ腰にならない ツリフネソウ

 

 危機管理意識と保護者対応について
 些細な行き違いや誤解の積み重ねが、保護者の信頼を損ねたり、大きなクレームにつながります。このことに一番頭を悩ます管理職(先生)が多い。
《保護者のタイプ別》
1 学校依存型~家庭でするべき「しつけ」など、家庭教育の不備を学校や教師に求めてくるタイプ
2 わが子中心型~わが子が中心で、教師の指導が気に入らないとクレームを言うタイプ
3 養育放棄型~朝ご飯抜きで登校する。しかし、「学校からの連絡が遅い」など苦情を言うタイプ
4 学校への小言型~学校事情をよく知っており、行事連絡が遅かったり、学習進度が遅かったりすると校長など管理職へいやみや釘を刺すタイプ
5 クレーマー型~常に学校へ不満やクレームを言う。クレームの成功体験に味を占めているので、日頃からの連絡を密にする必要がある要注意型
《具体的な対応の心構え》
1 「保護者の期待の数だけ、クレームはある」と考えること
  保護者からの苦情、クレームは、保護者の期待の裏返し、指導改善に活かすヒントになると捉える。
2 クレーマーは、即断・即決・お詫び・対策を要求する。
  その場で苦し紛れに担任一人で、できない約束はしない。「事実確認」「できること」「できないこと」「校長と相談しないと回答できないこと」「回答には会議にはかる時間が必要であること」等を冷静に説明し、同意を得る。
3 「話せば分かる」とは限らない。要求が通るまで対応策を求めてくる。
  長丁場となると腹をくくり、腰を据えて対応すること
4 個人で早計に判断、返事をしない。
  学校関係者(教育委員会)に加え、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、警察など関係者を交え「ケース会議」を開催し、組織的に対応する。
5 逃げ腰で対応しない。
  クレームは逃げると追いかけてくる。保護者に「問題を隠そうとしている」という印象を与えないこと
6 保護者に「学校は、強く言わないと対応しない」と思わせないこと
  学校がきちんと対応しないと感じると、「知り合いの議員さんに言う」「教育委員会に言う」「マスコミに訴える」と持ち出す。あくまで、子どもの教育問題として、保護者と学校間で力を合わせて問題の解決を図る姿勢で臨むこと
《保護者対応の三原則》
1 昼間の常識的な時間帯に行い、面接時間も限ること
2 校長など管理職を含む複数教員で対応すること
3 場所は校長室、会議室など、公的空間に限ること、教室で担任一人で面談しない。
 一人で対応すると、後で「言った」「言わない」のトラブルになり、問題解決がこじれる原因になる。
 夜の家庭訪問になった場合、深夜まで要求が続く可能性があるので、担任一人ではなく管理職も交え複数で訪問し、対応すること 
◎管理職への報告・連絡・相談を徹底すること、まず事実確認をすること、報告は迅速にすること
◎何より、教育課程上の不備や服務規律の問題を指摘されないようにしておかなければなりません。
◎普段から学校が信頼されていることが重要です。信頼されるためには、確かな情報を伝えることです。
これだけのことをしていたら「教育委員会に言うぞ!」「マスコミに訴えるぞ!」の脅しに屈することはありません。
ヘッダーの画像を更新しました。今が見ごろの「能取湖のサンゴ草」


2021年9月19日日曜日

花だより 家庭訪問をなくす議論 そばの花

 

■家庭訪問をなくす議論■
 家庭訪問の意義について、「今さらと言われなくても」と思うでしょうが、
①教師が児童・生徒の生活環境、保護者の期待など、子どもの生活を規定しているさまざまな条件を具体的に理解する。
②学校の教育方針や担任教師の教育に対する考え方を父母に伝え、相互に理解し合う。
③学校での子どもの状況、学業上の問題点などを知らせ、家庭での教育を考え直してもらうことによって、より効果的な教育指導を行う目的として行われるものである。
 家庭訪問は、子どもの学校生活の様子を知らせるのものですが、むしろ子どもがどのような地域環境の下で育っているかを自分の眼でとらえ、理解し、それを学校生活に生かすことに意味があります。
 働き方改革が進む中で
 家庭訪問の意義は尊重しなければなりません。しかし、学校では、年度初めの忙しい時期に、学校で期間を決め、時数を削って、面倒な調整までして、また短時間で家庭訪問を実施して、このねらいが達成できるのか?やめて別な形でできないか?保護者も家庭訪問を望んでいるのか?
 コロナ禍で家庭訪問をやめる学校が増えた?
 アフターコロナは、家庭訪問を在り方も変わりそうです。家庭訪問がなくなっても、学級懇談会や学級Pレク、PTA活動への積極的な参加を促す。来校してもらっての個人面談の内容を充実する。それでも懇談や面談に参加できない保護者には、十分な時間を確保して家庭訪問をすることは当然あるべきです。保護者の教育に対する期待を聞き、情報を得ることは、あらゆる機会で行わなければなりません。また、休みがちな子ども、生徒指導上の問題を抱えている子など、これまで以上に家庭訪問を大切にしなければなりません。電話で済ますようなことがあってはならないと思います。また、日常的に校区を歩いてみるということも必要になってきます。校区の活動にも参加するくらいの心構えも必要です。また、低学年(特に1年生)の家庭訪問は、時間的な余裕があるわけですから、実施すべきだと思います。
■説明責任を果たす。(教育課程の編成・管理は、校長の責任)
 大きく変わるとき、保護者や関係機関から、かなりの反発があることが予想されます。先生方が「子どもたちのために“やる”」となれば、その矢面に立って説明責任を果たすのが校長の仕事です。
 “同じ忙しいのなら、やりがいのある仕事をしたい。”と言った先生がいました。
 改革は、先生方を信頼しているからこそできることです。力のない学校では、こうした思い切った改革はできません。生み出した時数を子どもたちのために先生方がどう使うか?それはみんなで考えることです。


2021年9月18日土曜日

花だより 通知表の所見について ジンジャー

 

 前期の評価事務 
  通知表の所見について
1 何か勇気づけるような言葉で書き始める。
2 楽観的な言葉で書き終わる。これからの努力点を明示する。
3 何か問題があったら、その問題の解決に保護者の協力をうながす。
  ただし、教師のやるべきことを親に要求しない。
4 社会的、身体的、科学的にその子どもの成長について語る。
5 その子の努力は、その過去の努力と比べ、他の子どもの努力と比較しない。
6 その子の成績には、その子の学習能力との関係で語る。
7 所見は教職の専門的な診断であるから、医師の診断と同様なものである。
8 どんな小さな努力も見落とさない血の通った所見を書く。
9 表記上のミスをしない。*字は丁寧に書く?今は違う?
 初任のとき、校長先生から「通知表は、神棚に上がるんだ。心して書きなさい。」と言われたことを思い出します。通知表の威厳を保つには、保護者との信頼関係を築くことです。
最高600人の所見を読んだことがあります。所見を読むと先生の力量が分かります。   

2021年9月17日金曜日

花だより 通信簿の威厳 タマスダレ

 

 2学期制になって、9月は評価事務で忙しくなります。
 通信簿が通知箋になり、通知票、通知表と言われるようになっても、通知表の威厳はいささかも衰えていません。学校によっては、この絶対的な権威を少しでも緩和するために様々な名称(「あしあと」、「あゆみ」など)をつけて親しまれるようと努力しているようですが、如何せん、これが家庭への通知を意味するものであれば、それが手渡されるとき、子どもにとって緊張せざるを得ないものとなります。評価する教師は責任重大です。
 小学校の多くは、3段階評価で,ほとんどの子は、良い評価になります。全国学力テストで、北海道は、オホーツク管内は「低い」と言われていても、保護者は、我が子の通知表を見て「うちの子は、大丈夫」と勘違いしないか心配です。本当の学力はどうなのか?通知表で分かるのか?絶対的な権威は、失われつつあるように思います。
 もう一つ通知表で大事(威厳を保つもの)なのは、担任が書く所見です。所見は、担任の力量が問われます。「こんな所見を書いてもらった子は、がんばろうと思うだろうなあ。親は、きっと先生を信頼するだろうなあ。」と思った所見に出合うことがあります。そんな所見を終業式で全校生(全職員)に紹介することにしています。


2021年9月15日水曜日

花だより 校長室とクレーム処理 コスモス

 

◇△〇□校長室とクレーム処理◇△〇□
「責任者を呼べ!」と怒鳴りこんでくる人がときどきいます。それに対応するのが校長で、対応する場所は校長室です。
 学校に否があるときは、75度の最敬礼で謝罪しますが、冷静になって話し合えば、ほとんどの方は分かってくれます。
 ところが相手が若い先生(特に女性)だと舐めてかかってきます。玄関での立ち話だと興奮したままです。「そんなときは『校長がお話を聞きますので、校長室へどうぞ!』と言ってください。」と職員に伝えています。
 校長室は、そのためにも整理整頓がなされていなければならないし、威厳を保つためにも少し豪華に造られています。
 校長室に入ると急に大人しくなる人がいます。「校長室は、悪いことをしたときにしか入ったことがないから…。」とそんな思い出話から、話が始まると最後は穏やかになって、納得して帰る人がほとんどです。
 校長室は、いつもきれいにして、絵画を飾り、高級そうに見える調度品を置き、優勝旗やトロフィーなどが飾られているべきだと思います。


2021年9月14日火曜日

花だより 家庭を持ち母になるとパワーアップ ヒメジョオン

 

 S先生 結婚おめでとう!
 🙌S先生は、特別支援学級の担任しています。4月からわずか4ヶ月のお付き合いですが、いつも笑顔で、ねばり強く、優しく、丁寧な指導と保護者へ対応する姿を通して、先生の真面目で、優しく、誠実なお人柄を職員一堂感じ取っています。
 💕結婚の先輩として、贈りたいお祝いの言葉があります。
 右の靴は左の足には合わない。でも、両方ないと一足とは言わない。夫婦とは二つを半分になるのではなく、ひとつの全体になること。結婚前には両眼を大きく開いて見てもいいが、結婚してからは片目を閉じて見ること これが結婚生活の基本です。
そして、旦那様にお願いです。朝夕の食事はうまからずともほめて食べること
帰りが遅くなるときもあるかもしれませんので、よろしくお願いします。
 👍遠く離れていても赤い糸で結ばれたお二人です。夫婦生活が幸多からんことをお祈り申し上げます。
 家庭を持ち、母となると、どんどん教師の力量が上がっていきます。保護者対応も上手になります。子どもの見方が変わります。男の先生は敵いません。円満な家庭生活を基盤に教師としてますます幅を広げられることを期待しています。
 👀産休、育休をとると学校に迷惑をかけると心配する人がいますが、学校は女性の多い職場です。安心して働ける環境でなければなりません。誰に遠慮することなく、産休、育休をとることです。場合によっては、男性も育休をとって子育てをすることです。そうすることが、さらに教師力をUPさせます。


2021年9月13日月曜日

花だより 私たちは、いじめ自殺事件の遺族です 葛

 

  教職員の皆様へ 
 私たちは、いじめ自殺事件の遺族です。
 全道の教職員の皆様にうちの子の事件を理解していただき、再発防止の一助となることを願っています。
 いじめによる自殺事件は、いつ、どこで起きても不思議ではありません。特定の子を多数の子が、罪の意識を持たずに追い詰め、死に追いやることがあることを知ってもらいたいのです。
 私たちは、娘へのいじめは、学級活動の中で、公然と行われた集団のいじめであったと考えています。調書の内容にもあるように、裁判所で認めたものだけでも、これだけのいじめがありました。しかし、私たち家族に対しては事件が起きるまで、担任の先生からは何の連絡もありませんでした。娘がどんな思いで授業を受け、一人で休み時間を過ごしていたか。本当なら一番楽しい行事であるはずの修学旅行も、どんなつらい思いをしていたか。それを思うと家族として胸が張り裂けそうです。
 この裁判では、担任など先生たちが娘を注意深く観察し、適切な対処をしていれば娘に対するいじめを認識し、自殺を防ぐことができたという予見可能性を裁判所は認めました。先生たちがいじめに気付かないことや気づいても黙認することは、子どもにとって自分を守ってくれる大人がいないことを意味します。そのときの絶望感が自殺につながるということを是非先生方に具体的に知ってほしいのです。そして、自殺に至らぬいじめであっても被害者の心には深い傷を残します。その後の人生に多大な影響を及ぼします。そのことも全道の教職員全員に知ってほしいのです。どうかよろしくお願いします。


2021年9月12日日曜日

花だより 禍転じて福となす 瓢箪 

 

 「禍転じて福となす」アフターコロナ
 コロナ禍で、教育を取り巻く現状は大きく変化した。しかし、危機意識を持ちつつも、マイナスをプラスに転じる気概をもって教育への志を高く掲げ、力強く前進しなければない。
 コロナで落ち着かない日々だが、学校は、毎日の授業の質を高め、子どもの成長の姿で教育活動全体を評価し、改善する取り組みをすることに変わりはない。と同時に、校長が「教育の質の向上」という観点から、教育改革や今抱えている教育の課題を見極め、それらを学校改善や教職員の資質向上に生かし、最終的には、子どもの成長を促す力に変えていかなければならない。改革が進まない原因をコロナに置き換えてはなりません。むしろ今が変わるチャンスです。
 GIGAスクール構想で一人一台の端末が揃った。しかし、現場では研修段階でまだ使えないという。「1年生に、どうやって使わせるのか?」という。ところが、家でタブレットでYouTubeを見ている園児はたくさんいる。説明書なんか見なくても初めてのゲームもすぐできる。
 これまで、その必要性や重要性に気づかず、理解できず、納得できなかったこと、あるいは不安で踏み出せなかったことが、コロナ禍により、受け入れらずをえなくなり、体験したら、それほど悪くないことを知ったのではないか。「禍転じて福となす」
 


2021年9月11日土曜日

花だより  拝啓 木目澤教育長様 コルチカム

 

  拝啓 木目澤教育長様
 暑い夏が過ぎ、揺れて咲くコスモスにさわやかな秋を感じる候となりました。
 過日の校長会研究大会では、貴重なご助言を賜りありがとうございました。また、わざわざ資料「教育の休み石」をご持参くださり恐縮しております。
 秋風と一緒に、また様々な難題がやってきました。この風は、秋桜が揺れる心地よさではなく、豪雨や竜巻をもたらす強風です。国歌の指導、卒業式のステージ上での実施など、自校も含めて、さらに波風が立つことになりそうです。
 過日は、管内校長会の人事要望書を持って局長を訪問しました。各校長からのアンケートも、今年は、人事検討委員会と事務局で精査をして持参しました。これを見ても分かるように、十人十色、校長も140人居れば140通りです。
 学校数の減少に伴い、従来の校長会組織では、対応できなくなりました。研究会の持ち方も再考しなければならない時期にきました。次々とやってくる新しい課題に対応するためにも思い切った組織改革をしようと取り組んでいるところです。しかし、様々な意見を取りまとめて方向性を出すのは困難です。管内校長会が方向性を示し、それに従ってもらうよう説得しなければならないと思っています。幸いにも優秀な副会長の小林校長、事務局長の東校長が居ますので、一緒に頑張っています。
 とはいえ、改革には、盤石な基礎づくりが大切ですが、その足元(自校)がなかなか固まりません。学力テストの結果も芳しくありません。うまくいかないことばかりです。「これでいいのだ!」となかなか言えない心境です。
 さて、また愚痴で始まりましたが、過日いただいた資料と研修センターの所報の巻頭言を勝手に使わせていただきました。
 研究会シーズンを迎え、なるべく参加するようにしていますが、若い先生方が精力的に授業実践に取り組んでいる姿を見ると、オホーツクも捨てたものではないと救われる思いです。
 12日からは、道小の全道大会で北斗市、27日(金)は、日本教育会全国大会で札幌、10月4日(金)は、生活・総合の全道大会で倶知安、そして、網走市内の学校は全て公開研究会を開催すると聞きましたので、できるだけ参加して「お心肥やし」私もまだまだ心と頭を肥やしたいと思っています。
 これからも多くのご示唆をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
                                  敬 具

2021年9月10日金曜日

花だより 「心がホッとステーション」 山ぶどう

 

 学校だより「精いっぱい」は4年間通算146号、校長室花だよりは126号になりました。学校、家庭、地域の連携と言いながら、なかなか分かってもらえない。理不尽な要求をしてくる親が増えました。先生方が一番苦労しているのは、保護者対応です。そこで学校だよりに「子育てアドバス」コーナーを設けて、分かりやすく家庭教育の啓発をしてきたつもりでした。ところが一度だけ、書くのを躊躇ったことがありました。
 🤦‍♂️問題行動のある子の親を召喚したときのことです。校長室に入るなり、担任批判、我が子の弁護、友だち批判が飛び出しました。冷静に聞いて対応したつもりでしたが、私の言葉にトゲがあったのでしょうか、その後、「校長からひどいことを言われた。」と教育委員会へ電話を入れたようで指導室長から指導を受けました。校長としての言動を反省して、お詫びの手紙を書きましたが、これまで学校だよりで書き続けてきたことは何だったのだろう?思いは通じていないのだと落胆しました。
 😃そんなとき思い出したのが、斜里朝日小学校での学校だより「心がホッとステーション」です。4月のことでした。校長室の窓を叩く女子中学生がいました。3月に卒業した子でした。「校長先生、『学校だより』ください。うちのばあちゃんが、『校長先生の通信が読めなくなって寂しい。』て言うから、『私が毎週校長先生のところに行ってもらってきてあげる。』て言ってあげたんだけどいいよね。」 こんなことがあるので、これまで続けてきました。


2021年9月9日木曜日

花だより 校長室だより ヨルガオ

 

 校長は孤独なんだ!
 「校長室だより(花だより)」は、教頭として仕えた尊敬する北見南小の佐藤典男校長先生の真似です。「職員室の担任は教頭さんだから、すべて任せるから、頼んだぞ!」と言われました。校長先生が吞みに誘ってくれたときです。「校長はな、寂しいもんなんだ。教頭さんがな、先生方と楽しく談笑していてもその輪の中に入れないんだ!」と意外なことを言われました。
 そして、「教頭さん、赤入れてくれ!」と校長室だよりの下書きを持ってくるのです。「校長は何を考えているのか?理解しておけ!」と言われていると思いました。
 校長になって、佐藤校長先生の真似をして出し続けてきました。年度末1年分をまとめて製本しています。それが12冊になりました。他管に出た先生から「今年もそろそろ製本する時期ですね。送ってくれますか?」と便りが来ます。
 校長の個人的な趣味に学校の貴重な消耗費を出すのか? 
 最初の年は、用紙を自分で用意しました。事務職からは「学校の紙を使ってください。」と言われましたが、次の年からはSSA(公務システム)があるので掲示板に載せることにしました。「文を書くのは、恥をかくこと」偉そうに自慢するモノではありません。拙い文章で内容が薄いことは重々承知しています。
 お世話になった教頭先生は、今は全員校長先生になりました。皆さん立派な「校長室だより」を出しています。うれしい限りです。佐藤校長先生に恩返しができました。


2021年9月8日水曜日

花だより 育てずにはいられない心 レンゲショウマ

 

  「育てずにはいられない心」とは
 親であれば本能的に持っているのが「親心」?
 不登校児を抱える保護者に「子育てにお悩みであれば、相談機関を紹介しますよ。」と声をかけて「いいえ、子どもの意思を尊重して、子どもときちんと向き合いますから、大丈夫です。」と返えす親が一番心配です。
 さらに、自分の意に合う答えが返ってくるまで相談機関をはしごする親もいます。そうした親は、それぞれの相談機関で言うことが違うという特徴があります。自分の子育てに間違いはないと思っているのか、それとも間違いを指摘されるのが嫌なのか?
 倉橋先生は、「育てずにはいられない心、それが最も貴い育ての心」と言っていますが、もっと具体的に言わないと分からない親がいます。
 「子どもを授かったから親になったのではなく、親は子どもと共に成長しなければならない。その権利を授かった。」と倉橋先生は言っています。

2021年9月7日火曜日

花だより 今の時代、学校だけが学べる場所じゃない? ミョウガ タマネギ

 

  夏休み明け後、コロナの影響なのか不登校が増えているという。
「学校に行きたい子は行けばいい。行きたくない子は行かなくていい。授業はオンラインでやればいい。今の時代、学校だけが学べる場所じゃない。」と学校教育そのものを否定する人がいる。一人で学べるなら、そもそも学校などできなかったはずだ。
 先生たる必須条件は…    北見市教育委員会 (元)教育長 佐藤 宣秀
 いろいろな事情で学校に行けなくなっている子どもたちも数多くいるという現状を思い起こすと、何とか、それぞれ気持ちを振り絞って玄関から一歩外に出て欲しい。
 学校や行政だけでは限界があることは重々承知していますが、やはり一人一人の子どもの状況を把握し、緻密に接点を保っていくことが、まず私たちに求められるのだと思います。
いろいろな事情で子育てのできない親御さんも居て、苦しんでいるかもしれませんが、子どもの心はそれ以上に苦しんでいると受け止めるべきだと思います。明るい出口を求めて…。
 是非とも教員の皆さんには、個々の子どもの心に寄り添い、子どもが安心して話しかけてもらえる先生であって欲しいと思います。先生たる必須条件は、学生時代の頭の良さより、子どもや保護者に対する広くて深い包容力と洞察力だと思っています。

 

2021年9月6日月曜日

花だより スーツを着た子ども キツネノカミソリ

 

 新人さん 半年たって
 厳しい就職戦線を経て、新たな環境で歩み始めた新社会人が各職場にさわやかな風を運んでいるでしょう。焦らずに着実に経験を重ねてほしい。
 □嫌われる新人
①あいさつをしない ②暗くて愛想がない ③黙っているだけ ④気が効かない ⑤反応が薄い…など続々挙がる。
 いつの時代も先輩から見ると、何とももどかしく映る。ただ、経験者の中には中途採用でもない限り、新人に即戦力としての期待を抱くことはまずない。失敗の許容範囲気も広い。職場環境に慣れて、仕事を一つずつ覚えてほしいと願うのが常だ。とはいえ、そこは甘えてもらっては困る。教えてくれるのが当然という受け身の姿勢は通用しない。先輩だってそんなに暇じゃない。積極的に仕事を覚えようとしなければ、徐々に相手にされなくなり「使えない」とのレッテルを貼られる。まずは誰よりも元気な声を出す。知ったかぶりはせず、謙虚な気持ちになることだ。薄っぺらな虚栄心は「スーツを着た子ども」と笑われるだけ!
😜新人の皆さん、世の中はあなたを中心に回ってはいませんよ。 
🤦‍♂️木目澤教育長は「新社会人」を校長、教頭に置き換えて自分自身はどうだろうか?胸に手を当ててみる必要があるのではないですか?と校長会議で言いました。なるほど、その通り…。 *スーツを着た子どもは、私かもしれません。お互いに気をつけましょう。

2021年9月5日日曜日

花だより 学力低下再び レンゲショウマ

 

  道教委 高橋元教育長の講演を思い出す         
 学力テストの点数を上げるために、テスト対策や点数競争をさせようと言っているのではありません。「生きるために最低限必要な知識が北海道の子どもたちにきちんと身についていないのではないか」、「物事に真摯に取り組もうとする姿勢が育てっていないのではないか」、「こうした生活習慣を引きずったままで、一人前の大人として地域社会を担い、子どもたちを生み育てていけるのだろうか」という危機感があるのです。
 ◇「全国平均以上」にするという目標について
「機会均等」は義務教育の根幹をなす理念です。北海道に生まれたから、北海道のどこで生まれたからということで、本来、子どもたちの学力に大きな差があってはならないものだと思います。こうした問題意識の下で、道教委は「学力を全国平均まで上げる」という大きな目標を掲げ、様々な学力向上施策を打ち出しましたが、結果はご存じのとおりです。
 こうした道教委の動きに対して、「平均点さえ上げればいいのか」とか、「点数競争を煽るのか」とか、「過度な競争を助長するのではないか」という意見がありました。平均点を目標に掲げているのは、基礎学力を一人一人の子どもに身につけさせるという問題であり、平均点云々の問題ではなく、平均点に矮小化すべきではないと考えます。
 九九ができないまま、アルファベットが書けないまま、義務教育を卒業していく子どもたちがいます。本道の高校は全入状態です。今、高校では、義務教育段階の学び直しを学校組織を挙げて行っているという状態です。定時制高校については、小学校レベルの基礎に立ち返って学び直しを行うカリキュラムを組まなければならない状況にあります。
 基礎学力の定着や学ぶ意欲が十分ではなく、学習についていけない子どもは、高校を中退しているのです。10%近い「非卒業率」となっています。(40人学級で4人は高校を中退している。)
 道内の多くの企業から、「道教委は高卒者をもっと採用して欲しいというけれども、基礎学力がない、付随して我慢強さや粘り強さが足りないので、きちんと仕事ができない。」と言われています。
 ◇この問題の2つの側面
 一つは、「子どもたち一人一人を自立させることができるかどうか」という問題と「地域の発展」という視点です。
 全道では、高校卒業者の9割が道内に残っています。本道の子どもたちの地域残留率は非常に高い状況です。地域に残る子どもたちが自分の足で立っていけるのかどうか、これは地域経済・地域社会の存続・衰退に直結する問題なのです。あらためて、初等中等教育の教育課程を、実社会との連続線上で捉える視点を教育関係者全員が強く持たないといけません。
 「全国平均点以上を目指す」という目標、平均点は結果に過ぎません。各学校では、正答率のバラツキを分析され、対策を講じているでしょうか。大事なのは、一人一人の子どもに、自立して生きていくために最低限必要な基礎学力をきちんと身につけさせることです。
 一人一人に最低限の学力を身につけさせて社会に送り出す。「基礎学力保障」なのです。そのための取組を着実に行えば、「結果として」平均正答率は全国を上回るはずです。「全国平均を目指す」と掲げたのは、そういう意味です。
 しかし、学校を取り巻く客観的情勢に目をやれば、経済的に困難な要保護準要保護世帯が増加傾向にあります。また、保護者からのニーズも多様化しています。児童虐待、過疎化に伴う地域の教育力の低下もあります。この目標達成には、先生方や教育行政だけでは確かに困難な課題です。
 しかし、目の前の子どもたちに視点を置いて考えれば、そのことを理由に我々が現実から目をそらしたり、言い訳をすることは許されるものではありません。これは教育を「単なる社会の従属変数(社会変化に無力である)と考えるのか、「教育の力で人を育て、よりよい社会をつくっていこうとするのか」という問題です。


2021年9月4日土曜日

花だより 会計検査 ゼラニウム

 

 もう10年も前のことになります。北海道の学校に国の会計検査が入りました。“あまりにもずさんで呆れた。同じ公務員でも学校の先生は、ちょっと違いますね。」と検査員から指摘を受けました。“ルーズだと言いたかったのか、管理職の資質が問われた?” 案の定厳しい結果が出て、多くの先生が処分されたり、特に長期休業中の勤務対応は厳しくなりました。現場にいる教員としては、言いたいことはたくさんありましたが、税金を使って教育をしているので、不適切だと指摘されれば、それに従わなければなりません。学校は確かにそういうところは疎いかもしれません。改めるべきところは改めなければなりません。
 以後、ほとんどの学校では、長期休業中に校外研修をとる先生はいなくなりました。学校で仕事をするか、年休で休むようになりました。ところがコロナ禍で、休み中は出勤しないでリモート? また、夏休み学校に来る先生がいなくなりました。
 会計検査後、管理が厳しくなり、様々なことが厳格になって、先生方の仕事ぶりも変わりました。しかし、子どもたちの学力は低いままです。

2021年9月2日木曜日

花だより デジタル敗戦とデジタル庁への期待 レンゲショウマ

 

 デジタル敗戦とデジタル庁への期待
 9月1日にデジタル庁が発足した。世界は、巨大IT企業が台頭し、経済環境や社会の仕組みそのものが大きく変わろうとしている中、日本のデジタル化の遅れは深刻だ。世界との格差が広がっていることが、日本のコロナ対応で浮き彫りになった。
 国の行政手続きのオンライン利用率は、19年時点で7.9%で先進国29か国中最下位だった。マイナンバーカードの普及率にも力を入れている、しかし、政府は22年度末までにほぼ全ての国民の取得を目指しているが、8月26日時点で37.4%にとどまっている。マイナンバーカードの健康保険証や運転免許証との一体化を早く進めてほしい。デジタル庁への期待は大きい。
 ただし、Googleの優秀なプログラマーの年収は億だという。デジタル庁にも民間から優秀な人材を集めたというが所詮は公務員の給料である。大手銀行のシステムやコロナのシステムも不具合続きで本当に大丈夫?と疑いたくなる。普及のカギは信頼度にある。
 最近は地方のスーパー、100均ショップもセルフレジになった。しかし、支払いは依然として現金だ。私が使っているスマホ決済は「d払い」だが、使えないところがまだある。年寄りにこそ簡単便利なスマホ決済を普及させるべきだ。そのためには病院や薬局がスマホ決済をいち早く導入すればいい。
 
 

2021年9月1日水曜日

花だより 今回もまた(全国学力テスト) オシロイバナ

 

【教育課程の管理】
 ワクチン接種が進んでいますが、変異株の流行、10歳以下の感染率の増加など感染拡大に歯止めがききません。管内でも休校する学校が増えてきています。
 コロナ禍では、授業時数の管理だけでなく、進度チェックが求められます。
 教育課程の管理は校長の一番の仕事です。「小学校の課程を修了したことを証する」と書いた卒業証書を一人一人に渡すからです。未履修があったとなると大変なことで校長の責任問題です。卒業式後に補習授業をすることはできません。
 吹雪やインフルエンザなどによる臨休に備えて予備時数を確保しています。しかし、近年臨休が多くなったこと、そして、学力向上の観点から夏・冬休みを減らして授業に当てる学校(市町村)が出てきています。抜本的な見直しが迫られていますが、すぐのものにはなりません。取りあえずは、指導計画や進度表を照らし合わせて、遅れることの無いようにすることです。
 切り札のGIGAスクール構想
 道内の7割が体制が整い、今すぐにでもできる状態だと言います。(道教委)しかし、現場はどうでしょうか? 「まだ研修中、課題が多い。」こんな言い訳が多いような気がします。
  全国学力学習状況調査の結果、北海道は小学校で全国平均を大きく下回りました。コロナ禍で学びが十分行われなかったことが原因のように言いますが、学力が低いのは、今始まったことではなく、また、北海道だけがコロナで休校したわけでもありません。事実、東京が上位に上がったことを考えると教育関係者は、深刻に受け止めなればなりません。