危機管理意識と保護者対応について
些細な行き違いや誤解の積み重ねが、保護者の信頼を損ねたり、大きなクレームにつながります。このことに一番頭を悩ます管理職(先生)が多い。
《保護者のタイプ別》
1 学校依存型~家庭でするべき「しつけ」など、家庭教育の不備を学校や教師に求めてくるタイプ
2 わが子中心型~わが子が中心で、教師の指導が気に入らないとクレームを言うタイプ
3 養育放棄型~朝ご飯抜きで登校する。しかし、「学校からの連絡が遅い」など苦情を言うタイプ
4 学校への小言型~学校事情をよく知っており、行事連絡が遅かったり、学習進度が遅かったりすると校長など管理職へいやみや釘を刺すタイプ
5 クレーマー型~常に学校へ不満やクレームを言う。クレームの成功体験に味を占めているので、日頃からの連絡を密にする必要がある要注意型
《具体的な対応の心構え》
1 「保護者の期待の数だけ、クレームはある」と考えること
保護者からの苦情、クレームは、保護者の期待の裏返し、指導改善に活かすヒントになると捉える。
2 クレーマーは、即断・即決・お詫び・対策を要求する。
その場で苦し紛れに担任一人で、できない約束はしない。「事実確認」「できること」「できないこと」「校長と相談しないと回答できないこと」「回答には会議にはかる時間が必要であること」等を冷静に説明し、同意を得る。
3 「話せば分かる」とは限らない。要求が通るまで対応策を求めてくる。
長丁場となると腹をくくり、腰を据えて対応すること
4 個人で早計に判断、返事をしない。
学校関係者(教育委員会)に加え、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、警察など関係者を交え「ケース会議」を開催し、組織的に対応する。
5 逃げ腰で対応しない。
クレームは逃げると追いかけてくる。保護者に「問題を隠そうとしている」という印象を与えないこと
6 保護者に「学校は、強く言わないと対応しない」と思わせないこと
学校がきちんと対応しないと感じると、「知り合いの議員さんに言う」「教育委員会に言う」「マスコミに訴える」と持ち出す。あくまで、子どもの教育問題として、保護者と学校間で力を合わせて問題の解決を図る姿勢で臨むこと
《保護者対応の三原則》
1 昼間の常識的な時間帯に行い、面接時間も限ること
2 校長など管理職を含む複数教員で対応すること
3 場所は校長室、会議室など、公的空間に限ること、教室で担任一人で面談しない。
一人で対応すると、後で「言った」「言わない」のトラブルになり、問題解決がこじれる原因になる。
夜の家庭訪問になった場合、深夜まで要求が続く可能性があるので、担任一人ではなく管理職も交え複数で訪問し、対応すること
◎管理職への報告・連絡・相談を徹底すること、まず事実確認をすること、報告は迅速にすること
◎何より、教育課程上の不備や服務規律の問題を指摘されないようにしておかなければなりません。
◎普段から学校が信頼されていることが重要です。信頼されるためには、確かな情報を伝えることです。
これだけのことをしていたら「教育委員会に言うぞ!」「マスコミに訴えるぞ!」の脅しに屈することはありません。
ヘッダーの画像を更新しました。今が見ごろの「能取湖のサンゴ草」
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