学級というのは、30人の子どもがいれば、30通りの顔と体格があるように、同じ数の人格や特性、家庭的な背景があります。
教師が意識をしてその子に対して発した言葉ではなくても、その子が敏感に感じてしまうことがあります。例えば、宿題をしなかった子が数人いたので教師が学級全体に「宿題は必ずしてくるものです。」と声をかけたとします。その時に宿題をしてきた子が、自分はしてきたにもかかわらず、その話をする教師と目が合ったとき、「自分に言われている。分かってもらえていない。」「先生から認めてもらえていない。」と感じてしまうかもしれないのです。
こういった子は、「自分を見るときの先生の目が冷たい」「みんなの前で恥をかかされた」「自分にばかり厳しい」ので「先生はボク(私)のこと嫌いなんだ」と思ってしまうのです。
叱責されることが多い、あまり構われない、問題にきちんと対応してもらえないと感じている子、教師にとって苦手なタイプの子は、自分が嫌われていると感じているのです。
≪どうしたらよいのか?≫
① 想像力を働かせる
学級に30人の子どもがいたらそれぞれ個性があります。教師が発した言葉や振る舞いが学級の子ども全員に同じように映っているわけではないことを前提にすることです。
言葉で伝わるメッセージよりも、表情や声のトーン、振る舞いなどの方が教師の本心を表すこともあります。言葉で「いいですよ」と言っても声の調子が合っていなければ本心ではないと相手に伝わってしまいます。子どもはそれを敏感に感じ取るのです。
② 同じルールで叱る
子どもは、自分への対応だけでなく、他の子への対応など周囲との比較によっても大人からの注意の向けられ方が好意的なのか、そうでないのか、期待されているか、諦められているかを感じています。特に小学校中学年くらいからは大人の矛盾に厳しくなります。
③ 子どもの思いを知る
「先生はボク(私)のこと、嫌いなんだ。」と直接いうことはありません。親あるいは、養護教諭などから、聞かされることが多いものです。「こんなこと言ったら迷惑にならないか」「心配かけてしまう」「よけい面倒なことになる」など複雑な思いを抱えているのです。こういった思いに対して教師は、想像力を働かせて話をよく聴いたり、場合によっては謝ることも大切です。
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