2022年2月23日水曜日

花だより 高梨沙羅 このままでは終わらない! フリージア

 

 高梨沙羅 このままでは終わらない! 
「なんせ普通の子だと思ったらだめ。普通の子は親に言われてやるものだけど、あの子は違う。あの子は全部自分でやる子だから…。」
 天才ではなく努力家「そこまでやってしまう?」
 152㎝の小柄な体を弱点にしない飛び出しのタイミングやバランスの良い空中姿勢などセンスの良さは、年端も行かぬころから寸暇を惜しんで、自らの意思で、物事に取り組んで来た“揺るがぬ向上心と尋常でない努力家気質”が生んでいる。
 全日本のコーチをしている山田いずみ氏は、「よく沙羅は才能があると言われるけど、実は人一倍の努力家だからあんなジャンプができる。」という。ジャンプをやりたいと言い出したのは、小学2年の沙羅自身でした。兄の飛ぶ姿を見ていた小さな少女が、すぐに空中を舞う爽快感のとりこになり、怖いなんて思いはこれっぽっちもなく「面白かった」と平然と振り返っている。
 両親はむしろ、やらせたくはなかった。母親は既に習っていたバレエをやらせたかったし、父親は兄の指導に熱心だった。「どうしてもやりたいなら構わないが、その代わり中途半端にはならないように」と問いたが、「はい」と返事し、決意が揺らぐことはなかったという。
 勉強もできる! 勉強に関しても同じ。友だちが塾で英語力を付けたと聞くと自分も負けじと通うようになった。どこにでも必ず勉強道具を持ち歩き、遠征帰りの空港の乗り継ぎ時間にも普通なら疲れてぐったりするのに、一心不乱に教科書とにらめっこしていた。時間を無駄にしないストイックさに驚嘆してしまう。そうした努力のおかげで、15歳だった高校1年時には高校卒業程度認定試験(旧大学入試検定)をパスしたほど。勉強に力を注ぐのは、ジャンプ選手を引退した後の人生設計もしっかり念頭に置いているからで、中学3年のときには、将来の夢として「中学校の体育の先生になりたい。だから、教員免許を取得できる課程を修了しなければならないことも考えています。」と語っている。世界一流の選手は、凡人とはどこか違う今回のことでジャンプをやめることはないと信じたい。「オリンピックの借りは、オリンピックで返す。」という言葉がある。学校の先生は、まだまだ後でもなれる。

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