2022年7月31日日曜日

花だより やるべきことをきちんとやる ヒマワリ

 


 家庭環境に問題がある!と決めつけない 
 問題行動を起こす子がいたり、学級が落ち着かなく、学級経営が上手くいかない原因を子どもや家庭のせいにしていませんか?
◎信頼される学校づくりは「いい情報を流す」とよい
 
 参観日、学級懇談会、講演会、PTA研修会は、来てもらいたい保護者は来ない。「スマホやNSについて」学級通信で何度も問題提起をしました。しかし、通信を読まない保護者が多い。「通信を出しても、たいした効果はない。」という先生もいます。それでも出し続けなければならないのです。諦めずに読んでもらえるよう工夫することです。
  「あいさつをしない子がいます。きちんとしましょう!」とできないことを指摘するより「毎朝、きちんと『先生、おはようございます』と深々と頭を下げてあいさつする子がいます。朝から気持ちがいいです。」と褒めることの方が効果はあります。
気動車の馬力をUPして、客車を引っ張る  
 保護者のほとんどは良識のある立派な親だと思いたいです。学校からのお便りは、テレビや新聞報道と違い、悪いことはなるべく書かないで良い情報を伝えることです。問題提起をすることで、良識ある保護者に共感してもらい、良識ある保護者を増やす。そのことで信頼される学校につながると考えます。
◎やるべきことをきちんとやる 法務局の人権擁護委員
 「いじめに合うので、学校に行かせられない。学校は何もしてくれない。」と保護者が法務局に電話して、事情聴取に来たことがありました。担任は、これまで何度も家庭訪問を繰り返していました。不登校の原因は、いじめではなく、学校に行きたくない理由(怠惰)を「いじめ」にしているのです。学校の対応は、逐一教育委員会に報告していて、教育委員会の立会のもと、保護者を召喚し、不登校の解決に向けて話し合いを持ったことを委員の人に話しました。人権擁護委員の方も理解してくれて、「保護者に話を鵜吞みにしていました。私たちからもよく話しておきます。」と言ってくれました。このように学校としてやるべきことをきちんとやることが大事です。

2022年7月30日土曜日

花だより 夏休みの宿題(作文)と原稿用紙 ヤマユリ

 

《原稿用紙》 
 夏休みの宿題の定番と言えば、夏休みの思い出作文、読書感想文です。先生から「原稿用紙2枚以上書くこと」と休み前に原稿用紙を数枚持たされます。原稿用紙と言えば、作家さんをイメージしますが、今はワープロが主流らしく、原稿用紙を使って原稿を書いている作家さんは少ないようです。女流作家の林真理子さんは、原稿用紙派で行間の空欄には、推敲後にさまざまな書き込みがされているそうです。過去の偉大な作家たちの原稿もそうです。原稿用紙の行間、わずか5~7mmの空欄が重要なのです。学校現場では、先生が“赤”(添削)を入れるのになくてはならないものです。
《映画や演劇、ドラマの台本も行間を広くとってある》 
 高倉健の『網走番外地』の台本を見たことがあります。高倉本人のモノかは分かりませんが、波線や記号、感情、表情など演技の注意事項が細かく書き込まれてありました。それは演奏家が楽譜に書き込みを入れるのと似たところがあります。
 アナウンサーの原稿も、大きな字で行間を広くとっているとNHKの見学で教えてもらったことがあります。読みやすさと間違わないように書き込みを入れるのです。
 PCやスマホ、ワープロの時代になった今、こうした文化は無くなりつつあります。
 夏休みの思い出作文は、清書しなくてもいいので、行間にいっぱい書き足した原稿用紙を提出してほしいと思います。

2022年7月29日金曜日

花だより 夏休みは、お父さんの出番です ナデシコ

 

 夏休みは、お父さんの出番です     
 家庭での父親の存在感が薄い。母親だけに子育ての責任をゆだねて、父親の理解や協力がないままでは、母親の子育てに対する不安感や負担が増したり、母と子の関係が密着しすぎたりすることにつながる心配があります。
 父親がもっと家庭の中での役割を積極的に担い、夫婦でしつけについてよく話し合っていくことが大切です。そのためにも、夫婦はお互いに尊敬し合い(愛し合い)、子どもの前で相手をけなしたり、見下したりしないことです。
  ~夫婦で共同して子育てをする~
 話せばわかるとは限らないが、話さなければもっとわからない。
 夫婦の間、親子の間での会話を増やしていくことが、家庭づくりのすべての基礎になります。本当は夫婦でも親子でも何でも話せる仲でありたいものですが、それがなかなかできないものです。
 日々の会話を増やすには、できるだけ一緒に食事をし、お互いにその日にあったことを話すとか、一緒に家事をしたり、スポーツをしたり、また地域の行事に参加したりする、など工夫することが大切です。
 また思春期になると、男女とも身体が急速に成長し始めます。不安や戸惑いなどが無いよう身体の変化について話してあげることは親の務めです。
 この話を学校便りに掲載することに躊躇しました。母子家庭が多いからです。するとシングルマザーのお母さんが、「私は、母親であり、父親です。シングルになるとき、そう決心しました。」と言ってくれました。
 ~会話を増やし、家族の絆を深める~夏休みはそのためにあります。
  

2022年7月28日木曜日

花だより 「思いやり」の心を育てる マツバボタン

 

 「思いやり」の心は、どうやって育まれるのか?
 □□□「思いやり」の発達□□□
◎幼児期~自分と他人の区別が明確でない。自分も他人も同じことを考えていると思う。
◎小学校低学年~他人と比較して、自分と他人の違いが分かってくる。ただし、笑っているからうれしい。泣いているから悲しいといった程度で、相手の心情を推し量ることはできない。
◎中学年~かなり推測できるようになる。A君は、ぼくのことをきっと〇〇だと思っているだろう。ぼくは、A君のこと〇〇だと思っている。と互いの気持ちを推測できるようになる。
◎高学年~「私」と「あなた」といった二者関係だけでなく「彼」「彼女」といった第三者の気持ちを推測したり、自分自身を客観視することができるようになる。
◎中学生~学級、学校、社会、日本人として、といったようにさまざまな立場に立って考えられるようになる。
 「思いやり」とは、自分の視点だけでなく、さまざまな人の視点を理解する力です。
 この発達レベルが低いと何かトラブルがあったときに、他人を変えようとするもの(他者変容思考)が強いと暴力をふるい、反対に自分を変えようとするもの(自己変容思考)が強いとその場から逃げるという行動をとります。しかし、「思いやり」が発達すれば、他者変容思考は、「暴力」から「命令」「説得」と変化します。自己変容思考は、「逃避」から「従順」「妥協」へと変化するのです。最終的には互いのコミュニケーションを通して「調節」する行動をとるようになります。「思いやり」の心が育てば問題となる行動もなくなるのです。そうすれば国同士のトラブルもなくなるのですが、どちらか一方だけが「思いやり」の心があってもダメなのです。

2022年7月27日水曜日

花だより 教職の特殊性 トキソウ

 

 教職の特殊性と研修 
 教員が事件を起こすと大々的に報道されます。それは仕方のないことです。
 教員は、専門職としての免許制度によって、大学での教育など、一定の高度な養成教育を受け、教員として必要な知識・技術を身につけて、さらに難関の採用選考試検を突破してなった職業です。その意味では、もともと職務遂行能力の高い人々が従事する職業です。(少なくとも世間はそう見ています。)また、専門的技術水準の維持や高度な職業倫理の確保が社会的に見て特別に重要な教員の場合は、特に研修による専門家あるいはプロフェッショナルとしての能力の開発に努めなければなりません。

 仮に非常に優秀な人材だとしても、充実した職務遂行には、養成段階での力量のままであっては不十分であり、また、その後の経験や学習を通して学んだ能力の向上だけでは完全ではありません。現代のようにたえず進展・変化する社会に対応するためには、教育者として実践的指導力など資質・能力の向上が求められています。まさに教師も生涯学習なのです。自分自身が研修に真剣に取り組む姿勢そのものが、子どもたちの学習に対して、何者にも優る教育的効果があるのです。

2022年7月26日火曜日

花だより 負けず嫌いな子ほど伸びる(世界陸上) コバイケソウ

 


  
負けず嫌いで勝ち気な子ほど伸びる
 世界陸上が終わりました。競歩35kmで惜しくも1秒差の2位になった川野選手は、ゴールした後地面をたたいて悔しがりました。アスリートは、悔しさをバネに厳しいトレーニングに励みます。キャスターの織田裕二さんは、今回をもって卒業するそうですが、日本ではメジャーではなかった陸上競技を彼の熱い語りで、盛り上げてくれた功績は大きいと思います。
 なでしこジャパンで活躍した澤選手は、子どもの頃から負けず嫌いで、“女のくせに”と言った男子を追いかけ回したという逸話がある。澤選手に限らずアスリートは、皆さん相当の負けず嫌いです。負けた試合の後の顔を見れば分かります。
 最近の日本では、レスリングや柔道、バレーボールや陸上(マラソン)など女子選手の活躍が目立ちます。日本の歴史の中で国難の救世主は、卑弥呼であり、推古天皇であり、持統天皇と皆女性でした。英雄(男)は戦をして世の中を変えようとしましたが、短絡的な男性と違い、女性は実に粘り強い。今こそ女性の時代かもしれない。女子は男女同権の国ほどスポーツが強いそうです。今回の世界陸上でも北口榛花選手や田中希実選手の活躍が光りました。
 漁師さんが、マスの雄雌の見分け方を教えてくれました。「優しい顔をしているのがメスで人間と同じです。」と言っていましたが、顔は優しく可愛く見えても、芯はしっかりして負けず嫌いな方がいい!アイドルの中でも、生き残っていくのは、たぶんそんな女の子たちです。

2022年7月25日月曜日

花だより しれとこ(沈没から3ヶ月) サクランボ   ノウゼンカズラ

 

 知床観光船沈没事故から3ヶ月が過ぎました。知床が世界自然遺産に登録されてから、人気観光スポットになりましたが、今回の事故は、地元にとって大きな痛手になりました。斜里の朝日小学校に好調で赴任したとき、ちょうどミスター知床と呼ばれた午来町長が勇退されました。その後、自伝を出版されました。
 午来町長が勇退を記念して自伝「大地の遺産」~知床からのメッセージ~ 
 この本には、生い立ちから自然保護運動への目覚め、知床の世界自然遺産登録までの道程が詳しく綴られています。10年後、20年後を考える政治家は、そんなに多くない。まして、50年後100年後を考える政治家がこの国に何人いるだろう。午来町長は、100年後、いや1000年後の知床の森のありようを思い描きながら仕事をしてきた。
 知床の深い森から、人と自然のあり方を思考し、人々と共に行動してきたミスター知床が語りおこす、迷走する「美しい国」への、熱く深くまっすぐなメッセージ
 “私は、ウトロの開拓農家に育ち、貧困の中で中学しか出ていないけれど、大切なことは、みんな知床が教えてくれた。大自然と毎日五感でふれあっていたことが、私のものの見方、考え方、そして、生き方を決定づけた。”(まえがきから)
 知床は、ただ風光明媚な観光地ではありません。元々厳しい自然環境で人を寄せ付けないところだったということを忘れてはいけません。
 

2022年7月23日土曜日

花だより クールビズは何でもOK? ハマオモト

 

 9月30日までクールビズ
「今どきの学校の先生の服装というには、ずいぶん自由なんですね。」と言われました。自分は“よし”と思っていても、相手に不快感を与えているとしたら考えるべきです。「中学校では、生徒に服装の乱れを注意するので、教師の服装もきちんとしなければならない。」と中学校の校長が言っていました。小学校だからいいというわけにはいきません。
 研修会にTシャツ姿で参加していた先生が居たそうです。クールビズでネクタイ不要と言われていても、涼しいスタイルならば何でもOKではありません。あまりにも非常識です。 
 学校はスーパークールビス? 「襟を正す」という言葉の意味
 クールビス以上のラフなスタイルをスーパークールビズと言うようですが、学校には一年中スーパークールビズの先生がいます。その先生から「修学旅行の服装はどうしたらよいでしょうか?」と尋ねられました。「襟付きならいいのではないでしょうか?」と答えました。ユニクロでもサラリーマンのクールビズ用として襟付きシャツが売れています。襟を正したくても襟がないと正せません。Tシャツ姿はよくないでしょう!

麦刈りは始まりました。

花だより 安心感を与える テッポウユリ


 ~子どもに安心感を与える~
 人は誰もが愛され理解されたがっています。理解されないときの不満が溜まるとキレることがあります。突然子どもがキレたとき、本人も親も理由がよく見えず、怒ったり苦しんだりしますが、理由はちゃんとあるのです。
 日頃から相手の話をじっくり聞く、同じ目の高さで考える、深い関心を払う、といった姿勢を親が身につけることで子どもは親に愛されている実感を得ることができます。
 子どもは愛されていると感じるとき、安定した気持ちで問題に立ち向かうことができます。そして、不必要に攻撃的にならず、他者や問題を受け入れることができると大きく成長します。
 安心感 こども園の先生に一番大切なこと(役割)は、子どもたちに安心感を与えることです。先生は、いつも傍にいて、安心、安全な環境を整えてくれる。一人一人の子どもの欲求を満たしてくれる。言葉にできない気持ちを汲み取ったり、子どもの思いに共感してくれる。一人一人の個人差に合わせて丁寧に関わってくれる。保護者に寄り添い、子どもの育ちを共有してくれる。こうすると、子どもは愛されていると実感できるのです。


2022年7月22日金曜日

花だより キャンプブーム ネムノキ

 

「自然の中で」
 コロナ禍で始まったキャンプブームですが、ブームなった背景にはコロナ禍だけではないようです。キャンプ用品がオシャレで安価になったのも理由の一つかもしれませんが、なぜ今、キャンプに惹かれるのか、自然を人々が求めていると言えるかもしれない。
 ~自然は非日常の世界であり、普段の生活にはない感動や、人の感性を刺激するものの宝庫だから~
 自然には、風の音、木々のざわめき、小鳥のさえずり、生き生けるもののあふれんばかりの生命力である。勢いよく生い茂った深緑に包まれていると、身体まで緑に染まって、新たな力が体内に満ちてくる。
 いつか何かに追い立てられ、急かされてあわただしく時を過ごしているうちに、人はともするとゆとりを失い、気持ちをいらつかす。自分のことは棚に上げ、他の人に当たり散らすこともある。あるいは自分の殻に閉じこもって悶々と過ごすこともあるかもしれない。
 ときには自然の声に耳を傾け、身をゆだねてみたい。時間が静かに流れ始め、自分を振り返る余裕や物事に感動を持って受け止めるみずみずしい心がよみがえってくる。それまでのとらわれにふと気づき、対処する道が見えてくることもある。人間は自然の中の一部である。
 「ポツンと一軒家」というテレビ番組がある。人里離れた場所に、ポツンと存在する一軒家は、不便な生活を強いられている思いきや、そこに住む人たちは、お年寄りが多いが、実に生き生きとしている。ずっと山の中で生活したいとは思わないが、夏休み一日くらい、自然の中でスマホの電源を切り、テントを張って、火を起こし、自然に身を委ねてみたいと思う。

2022年7月21日木曜日

花だより 世界陸上の感動 志は人をつくる カライトソウ

 

  「志が人をつくる」 
 二度とない人生をよりよく生きられるかどうかは、一に“志にあり”とは多くの賢人が説き続けてきました。江戸の儒学者佐藤一斎は、その著「信志四録」の中で「著(ちゃく)眼高ければ即ち理を見て岐せず」(大所高所に目をつければ道理が見えてきて迷うことなし)として、志を高く持ち迷わず貫くことの大切さを説きました。人間の真価はこの志の高さで決まると言います。
 「コロナがおわるように」園児が七夕の短冊に書いた願いです。「学校の先生になりたい。」というのもありました。うれしく思う反面、教員程度の夢でいいかの?と思ったりもします。
 自動車のセールスマンに聞くと今の若者は、「いい車に乗ろう」とは思わないそうです。そこそこの価格で使い勝手のいい車を選ぶというのです。洋服はユニクロ、食はファミレスとかファーストフードで十分。バブル以後に育った若者は、そこそこの収入でそこそこ自由な生活ができればいいと思っているのです。
 オリンピックTOKYO2020に続き「世界陸上」が始まりました。メダルをとって歓喜したり、悔し涙を流したりする選手を見ると、志を高く持ち迷わず貫いている姿に感動します。
 男子100mはアメリカがメダルを独占、女子はジャマイカが独占しました。体つき(筋肉)を見ると日本人は敵わないと思ってしまいます。しかし「おまえみたいな奴がオリンピック選手になれるわけないだろ!」と言ってしまったらそれでおしまいです。1500m女子の田中希実選手は、陸上の格闘技種目と言われるハードな種目の中で、小さい体で圧倒的な体格差がありながら決勝に進出し、世界と互角に戦っている姿に感動しました。今こそ「志を養う」教育を大事にしたいと願います。

2022年7月20日水曜日

花だより 花火大会と浴衣 ヤグルマソウ

 

 花火大会と浴衣 コロナ新規感染者は増加傾向にありますが、世の中は、経済活動優先に舵を切り、イベントも開催されるようになり、7月16日(土)は、北見でも花火大会が開催されました。
 夕方、浴衣姿の若い女性を多く見かけました。3年ぶりの花火大会です。これまで夏祭りはすべて中止でしたので、久しぶりに浴衣を着てうれしそうでした。お母さんが着せてくれたのかと思ったら、今は帯を結うことはなくワンタッチ式の簡易な帯なのだそうです。それでも日本人は、やっぱり浴衣姿が似合います。
 中に何人か男の子の浴衣姿もありました。誰に着せてもらったのか、これが何とも見っともない。温泉旅館の浴衣もきちんと着ている男の人は少なくなりました。妻も「私も男の着物の着付けはできない。」と言いました。「ヨシミツ、男の着物は腰で着る。だらしない着方はするもんじゃない!」と教えてくれたのは祖母でした。祖父も父もときどき家にいるときは、サザエさんの波平さんのように着物を着ていました。今はYouTubeで着付けを学ぶのでしょうか? ともあれ、浴衣姿にホッとしました。

2022年7月19日火曜日

花だより 「人生の最上の楽しみ」(論語) ジャガイモの花

 

 『論語』に学ぶ  
第一章 学而編一 「人生の最上の楽しみ」
「孔子先生がおっしゃった。学問を学び、それを反復すれば自分のものとなり、こんなに喜ばしいことはない。また、学んでいると同学同志の友が遠方より訪ねて来て、ともに語り合い、いっそう楽しくなる。たとえ学問が成就したことを世間の人が認めてくれなかったとしても、それを嘆くことはあるまい。その道を求めていく人を君子というのだから…。」とある。
 また、論語には、「六十にして耳順(したが)う。修養を積んで他人の言葉を素直に受け入れられるようになる年が六十である。」という。愚職は既に60歳を過ぎたが、悟りの境地には至っていない。しかし、そうなりたいとは思っている。
第一章 学而編十 「学問は自分を磨くためにある」
 「学問は自分自身の教養を深めるためで、人に知られるためにやるわけではない。学問が進み人格が備わったことを、人が知るか知るまいが、そんなことはどうでもいいことだ。それより他人の真価を見抜けない自分の能力の低いことを憂うべきである。」 
 教師自身の能力の低さを憂うべきではないか。とにかくやることはきちんとやらなければならない。北海道、特にオホーツク管内は、全国最低レベルの学力に低迷している現実を真摯に受け止めるべきである。“わが教職人生に悔い無し”と言いたいところだが、全国最低レベルの学力のまま、教職人生を終わってしまった。
第十七章 陽貨編一八八 「学ぶことで人の差が出る」
「人の本性は誰でも似たようなものであるが、学ぶことによってそれぞれ違ってくる。」
 態度の悪い問題児が校長室にやってきた。担任から厳しく説教してくれと頼まれたのだ。罰として、論語を暗記させることにした。問題児が通う児童館に行くと、若い女性指導員から、「校長先生は、校長室で子どもたちに『論語』を教えているのですか?」と聞かれた。その問題児から「“孔子先生が言うには、言葉巧みにおべんちゃらを言ったり、外見の体裁やファッションだけにこだわるような人は、本当の仁(優しさ)とはほど遠い者だ。”『先生も気を付けなさい』」と言われたそうだ。
《論語に学ぶ》
  世の中が乱れて住みにくくなると『論語』がもてはやされるという。近い将来、本屋に行くと『論語』の本がずらりと並んでいる光景が見られるかもしれない。
『論語』というと“儒教の聖典”と呼ばれ、政治家や経営者たちが座右の書としていた。そのため、難しいと思われがちだが、複雑な人間関係の中で、人として何を守るべきなのか、その心構えと実践を説いたものである。「人格を鍛える本」といっても過言ではない。誰もが一人前の社会人であろうとするならば、常識として備えて置かなければならない「人の道」なのである。

北見農業試験場のジャガイモ畑



2022年7月18日月曜日

花だより 教育実習生へカリスマ教師になってください。 シモツケソウ

 

 教育実習生へ 
 数多ある職業の中から「教師になりたい」と思うのなら、ホンモノの教師をめざすべきです。ホンモノの教師とは、教える技を持った教師です。子どもを観る眼と心を持った教師です。そして、多くの教師と出会い、つながりをつくることです。
 カリスマ教師 
 ホンモノの教師とは、カリスマ性のある教師です。教師は、教える人という権威の正当性を有しています。それがカリスマ性です。その教師がカリスマ性を失えば、学校と教師は尊敬と憧れの対象ではなくなります。教師がカリスマ性を手放せば集団は混乱します。その結果、暴れ回る子ども、引きこもる子ども、更に、いちゃもん保護者という怪物が出現します。学校(教師)が活気を失えば、日本は衰退します。今、求められているのは、教師に自信を持たせ、その得意技である指導力を見せる場をつくることです。
 それではどうすればカリスマ性が身に付くのでしょうか? 持って生まれた素質ばかりでなく、努力や行動によって身に着けることができる資質です。一番の方法は、カリスマ性のある人をお手本として真似していくことで、カリスマ性を高めることができます。
 働き方改革は、教師が楽になるためのものではなく、カリスマ性を取り戻すためのモノです。

クサフジが道端に咲いていました。
 

2022年7月17日日曜日

花だより 「ゆとり教育」からの脱却は学習塾で クチナシ

 

 ~「ゆとり教育」からの脱却~
 学ぶ内容や量を削減・削除し続け、質までも下げ続けた「ゆとり教育」が日本の子どもたちの学力低下を招いたのは必然の結果です。さらに日本の子どもたちの理数離れが浮き彫りにされたことは科学立国日本にとって危機感を募らせています。かつては世界トップレベルを誇っていた日本の学力でしたが、OECDの国際学習到達調査で理数系はトップクラスから大きく転落しました。科学への関心も低く、読解力も上位の国から大きく差がつけられてきています。「ゆとり教育」は日本の子どもたちの学力低下を招きましたが、公教育主体の北海道では特にゆとりの影響は大きく、全国学力テストでは最低レベルが続いています。ここにきてやっと国全体で「脱ゆとり」の動きをとってきていますが、今日まで北海道はゆとりが蔓延してきただけに、子どもたちや親の気持ちの中にも「ゆとり意識」の解消が求められています。

 日本は豊かさからおごりが生まれ、教育の質とレベルを下げて発展成長を止めました。
 未曾有の大震災に襲われた今の日本は、まさしく敗戦から復興へと立ち向かった当時の状況と重なります。ただここに違いがあるとしたら、「人」をつくる礎となる教育の質とレベルの差です。日本の誰もが教育から培われた勤勉さで復興へと一丸となって進みました。しかし今は、物にあふれ、豊かさからいつしかおごりが生まれ、仕事や勉強に対しても「ゆとり」を求めてきた日本人だけに、ここで今一度「人の力」の再生が求められています。この国の再生は人の力によってこそ成され、その人の力は教育を土台として養われていきます。今こそ20年、30年先を見据え考えていかなければなりません。次代を担いこの国の未来を託す子どもたちだからこそ、私たちは本当の教育で導いてあげたいと願っています。
 これは大手学習塾の新聞チラシに掲載されたモノです。公教育の関係者は、これを真摯に受け止めるべきです。




2022年7月16日土曜日

花だより 教えることがタブーになった ヒルガオ

 

 東京大学教育学部長 市川 伸一氏(文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会臨時委員)
 市川氏は「教える考えさせる授業」を提唱し、道教委の「学力向上総合実践事業」のアドバイザーになった。「詰め込み、教え込みの反動で、教えずに考えさせる授業が広まった。大事なことは教えるのが当たり前なのに、教えることがタブーになった」「授業の主役は子どもだが、シナリオライターや監督まで子どもにしてしまった。」全国学力・学習状況調査の成績が芳しくない自治体では、そうした傾向が強いという。
《教えること》をおろそかにして「問題解決型」と呼ばれる授業に熱心に取り組み、結果的に基礎的な学力まで低下させたのではないだろうか。
《考えさせる》というと、発展的内容での授業を思い浮かべる人が多いが、重要なのは理解を通じて基礎を習得させる際に考えさせることだと強調する。
~具体的な授業例~ 『平行四辺形の面積の公式を学習する授業』では、「公式発見で終わる授業が多いが、分かったつもりで、底辺や高さの意味を分かっていない子や、公式の使い方を理解していない子が多い。」 
 全国学テでも出題され、正答率が全国的に低く、北海道ではさらに低かった部分だ。「授業では、教科書を読めば分かることに時間を費やすのはなく、書かれていないこと、つかみにくい部分こそやるべきだ。その日の授業で何を学んだかという理解の確認も大事。どう間違いやすいかまで教えることが大切である。そのためには教わる側にも、教科書を読んでおくといった予習が必要になる。それをさらに深めるのが授業の意義だという。授業で変えることで学習を変え、学力向上につなげよう~ そんな発想の転換が必要である。


2022年7月15日金曜日

花だより プライムニュース(安倍元首相追悼) ハイビスカス

 

                               

 プライムニュース 月~金 夜8時 BSフジ LIVE
 政治、経済、国際、環境、社会問題の5つのジャンルから、今の世の中で関心の高い問題を毎回1つに絞り、その問題に相応しい当事者や関係者をゲストに迎え、1つのテーマを2時間かけてじっくり解きほぐす番組です。日曜朝の民放「○○モーニング」とは深みが違います。最近は、同時間の番組は録画にして、LIVE視聴しています。
 今週は、◆月曜日、安倍晋三元首相が死去 盟友が語る人柄と信条 ◆火曜日は、安倍晋三元首相とは…、伊吹文明×田崎×橋本 知られざる横顔を語る ◆水曜日は、菅前首相(幹事長)が語る安倍氏、橋下徹が見た宰相の姿 そして◆木曜日は、櫻井よしこ‘安倍論’飯島 勲の見た‘宰相’外交&安保&憲法改正
 この番組(生放送)は、進行を務めるキャスター反町 理(そりまち おさむ)氏の妙に尽きる。
 13日水曜日のゲストは、幹事長として7年8か月安倍氏を支えた菅氏でした。感謝の気持ちを、時折言葉を詰まらせながら語りました。そのとき反町氏の目にも光るものがありました。長年苦楽を共にした菅氏の喪失感は計り知れないものがあるでしょう。これまで表に出ることのなかった政治の舞台裏を知ることができました。
 テレビは見ない、YouTubeしか見ない、選挙に行かない、政治に関心がない人が増えています。この番組を大事にしたいものです。





2022年7月14日木曜日

花だより 板書と教師  キボウシ

 

板 書 「板書のコツ」
 新卒のとき、先輩教師から「いいか、大工さんが鋸や金槌をうまく使いこなすように、学校の先生はな。黒板とチョークを上手く使いこなすようになったら一人前だ!だから、板書を見たら、その先生の力量が分かるんだよ。」と言われました。
 黒板は、子どもたちの視野の全面に広がっているものです。板書から多くの視覚情報を得て、子どもたちは学習を進める黒板を効果的に利用することは、大切な指導技術です。
1 白と黄色のチョークをメインに使う
 教室には、色弱、色覚異常の子がいます。赤緑異常の子、あるいは色弱の子がいることを考えたら、赤色は使えない。青色も同様です。メインは白と黄色です。
2 一目でわかる工夫をする
 内容を焦点化、視覚化すること。有田和正先生は板書案を書いて授業をされていました。一目でわかる板書は、軽度発達障害の児童には効果的な視覚情報となるのです。
3 黒板を子どもに開放する
 黒板は、教師が使うばかりではいけない。子どもに開放する。例えば次のような方法があります。
(1)黒板を区切って書かせる。
 算数なら黒板を8つに区切り、計算等を書かせる。向山型算数では有名な方法である。
(2)箇条書きに書かせる。
 黒板の上にチョークで、点を打っておく。「空いているところにどんどん書きなさい。」と板書させる。
(3)指で書くところを示す。
 1番目の子は右端、2番目は左端、3番目は、真ん中と指さして書かせる。(混雑が解消される)
(4)原則、書き直しはさせない。(緊張感が生まれ、書き直しの時間ロスもなくなる。)
(5)板書したら、名前を書かせる。(自分の板書に責任を持たせる)
4 教師の板書のスピードが標準スピード 教師が子どもの筆速の模範となる。
  以下筆速の目安

 ○低学年・・・分速20字程度 
 ○中学年・・・分速25字程度 
 ○高学年・・・分速30字程度
*「いい授業の条件」青木幹勇著より これはもう古い本で表紙はセピア色です。PCやタブレット、電子黒板の時代ですが、基本はまだ黒板とチョークだと思うのですが…。
 世間の人は、学校の先生は、みんな字が上手だと思っているようですが、最近の先生で「字が上手だなあ。」と思える人は少なくなりました。「練習すればうまくなる」と言ってきましたが、練習している様子は見られません?

道端に咲いたアレチマツヨイグサ

2022年7月13日水曜日

花だより 本物に触れる イワタバコ

 

 有名ブランド品の偽物を見分けるためには、本物にいかに多く触れるかだそうです。どうして札幌で冬のオリンピックを開催したいのか?それは前回の札幌大会を見て、ジャンプの選手やスケートの選手に憧れた子どもたちがたくさんいたからです。子どものころの出会いやきっかけから将来の夢を持ち、スポーツ選手や芸術家になるケースが多いからです。
 子どものうちに本物の芸術に触れることは、芸術・文化の裾野を広げるためにも学校教育ばかりでなく、家庭教育の中でも大切なことのように思います。スポーツや運動会で活躍の場を得て目を輝かせる子どもがいるのと同じく、文化芸術で感動する子どもたちも大勢います。子ども一人一人の持ち味や個性を引き出すのも大切なことです。急かされてあわただしいときこそ、心のゆとりと質の高い豊かさが大切です。
 また、感動する心は文化芸術に限らず、学術や科学技術の分野でも大きな影響力を持っています。新しい発見や工夫が、感動や美意識といった心の動きと関係しているとも言われています。学力向上には、知識ばかりでなく心が豊かでなければなりません。国際舞台で活躍する著名人がよく言うのは、自国の文化についての知識や経験がいかに大切であるかに気づかされる。芸術・文化は国際人の教養であり、国際社会での学力に他ならない。豊かさや品格の伴わない学力は国際社会では通用しない。何より文化芸術は人間としての豊かさ、本物の心の豊かさを保障してくれるものです。中には、人間の弱さにつけ込んだバラエティ番組やYouTube、中身のないゲームソフトもあります。そんなものばかりに子どもの心を委ねて良いはずはありません。
夏休みは、価値ある体験をする絶好の機会です。今から計画をしっかり立てておきましょう。
農業試験場のジャガイモ畑

2022年7月12日火曜日

花だより 今どきの初任者研 ベニバナ

                             

  保育教諭初任者研修がコロナ対策でオンデマンド教材の配信により実施された。
 視聴後に行う「協議」は、園長が講師となり、園内研修の形態で実施して、研修者の考えが深まるように配慮しなければならない。
 何故で園長も初任者の内容を一緒に視聴しなければならないのか?と思いながら見ていましたが、これが結構大変勉強になりました。
 今回は、「説明・協議1 幼児教育の現状と課題」、「説明・協議2 幼児教育の基本と保育者の役割」、「説明・協議3 教育課程と指導計画の作成」の3本
 【幼児教育の基本と保育者の役割】
「子どもたちは、保育者が考えた計画をいとも簡単に超える。それが子どもの良さであり、可能性である。」

 《保育者は》
 ① 幼児が行っている活動の理解者
 ② 幼児との共同作業者、幼児と共鳴する者
 ③ あこがれを形成するモデル
 ④ 遊びの援助者
 ⑤ 幼児が精神的に安定するためのよりどころ
 ◎生活の連続性や季節の変化を考慮し、子どもの実態に即した具体的なねらい及び内容を
  設定する。
 ◎具体的なねらいが達成できるように、子どもの生活する姿や発想を大切にして、適切な
  環境を構成し、子どもが主体的に活動できるようにする。
 以上 講義メモより
 一つの講座は、10分から15分で、早送りや一時停止、逆戻しができるので、見たいところを何度でも見ることができる。7月中の都合のいい日を選べる。画面に鮮明に資料が出るので見やすい、イヤホンで聞くと集中できる。「園長先生、電話です。」にも対応できる。これからの研修は、間違いなくこうなるだろう。 ただし、初任者研のいいところは、他の参加者と情報交流ができる。終わった後「夜は…しますか?」 という楽しみがなくなるのは、残念かもしれない。
園近くのお宅の庭に咲いたガーデンローズ







2022年7月11日月曜日

花だより 何でも自由はよくない! タチアオイ

 


   子どものしつけに「自由」はいらない
 信教・学問・思想・言論・表現・集会・結社・職業選択・居住・移転の自由など、憲法で基本的人権として保障されています。しかし、「自由」には欠点があります。例えば「よいと思うことは一生懸命やりましょう。」とか「悪いことをしてはいけません。」ということを子どもにしつけようとするときに、自由はほとんど役に立ちません。場合によってはそれが妨害するからです。「自由」=「責任」、責任を持たない人が増えています。
「よいと思うことは個人によって違うのだから、一律に決めつけることはできません。それぞれがよいと思うことを自由にやればいいじゃないですか?」これでは子どものしつけになりません。「人に迷惑さえかけなければ個人の自由なんじゃないですか?」こう言われたら、人に迷惑をかけるということはどういうことかということから説明しなければなりません。こんな考え方が広まってきて「勧善懲悪」(かんぜんちょうあく)という言葉が死語になりかけています。善いことを勧めて悪を懲らしめるという意味です。昔なら「かけ値なし」にそれは良いことだという土壌がありました。だから昔の映画やマンガは、全て勧善懲悪のストーリーでした。
 家庭で子どもに教える基本は、「よりよく生きなさい」ということです。しつけるとは「仕向ける」ことです。自分の好きなように自由に生きていきなさい。」などと無責任なことは言わないことです。 多胡 彰氏の母の品格」から
 「自由にしなさい」は言い方を変えれば、「勝手にしなさい」ということであり、さらに言えば「勝手にしたらいいけど、あなたがどうなろうとも私は知らない。自分で自分の責任は取りなさい。」ということです。


                    公園に咲いたウツギ

2022年7月10日日曜日

花だより 安倍元首相 グラジオラス

 

 安倍元首相が銃撃された。世界から偉大な政治家に弔意が示された。その中で、アメリカでは発砲事件が後を絶たないが、治安のよい日本でなぜ?という意見もあった。SPの警備に問題はなかったのか?という意見もある。そもそも日本の治安は、日本人の道徳心が基盤にある。正に教育の賜物なのだ。ところがSNSで他人を簡単に誹謗中傷するようになった。ネットで銃の作り方を簡単に手に入れ、3Dプリンターで製造ができるようになった。日本人の規範意識は大きく変わりつつある。
 日本の安全神話
 安倍氏は、「積極的平和主義」を掲げ、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案を成立させるなど、当時は批判もあったが、現在の世界情勢を見ると政治家として先見の明があったと評する人が多い。日本人の平和ボケを心配した政治家である。無念であったに違いない。各界からも、まだまだ日本に必要な政治家であったと惜しむ声が後を絶たない。
 烏滸がましいが、私も同じ年代である。教師にできることは、「ダメなものはダメ!ダメなものは1mmも許さない。」そんな気概を持って教育にあたることだ。

2022年7月9日土曜日

花だより わが子かわいさ アガパンサス

 


  わが子の自慢
 「うちの子は、走るのが速いんですよ。私に似て運動神経がいいのかしら。でも、音感はちょっとね。主人に似たのかしら」なんて話を聞くとおかしくなってきます。
 誰かがわが子の自慢が始まると負けじと「うちの子、今度水泳で全国大会に出場することになって、お休みも取らなければならないし、お金もかかるのよね~。」
 わが子の良いところを見つけさせたら、お母さんに敵う人はいません。でも、この気持ちが暴走するとやっかいなことになってしまいます。
《学芸会》「うちの子が白雪姫ではなくて、どうして魔法使いのおばあさんの役なんですか?」と文句をいうお母さんがいます。お母さんの気持ちは、“うちの子は、演技力があるのに悪役の魔法使いじゃかわいそうだ”という、「わが子かわいさ」の気持ちが暴走して、“何とかしてほしい”と文句を言っているのだと思います。
 しかし、一人がこんな文句を言い出せば、「自分も言わなければ損」「とにかく言ってみるだけ言ってみよう」という殺伐とした雰囲気が生まれてしまいます。そしてやがて「言った者勝ち」という困った風潮が蔓延してしまいます。声の大きな人の意見が通る、そんな品格のないコミュニケーションの中にわが子がいる方がよほどかわいそうです。親がそうだと子どもも同じような考えを持ってしまいます。  「母の品格」より
一面の麦畑 これでもまだ小麦は足りません。

2022年7月8日金曜日

花だより 今こそ「学問のすすめ」 カンナ

 

 
 人生の成功の「鍵」は「努力」か「運」か?
 成功者たちの言葉に触れると、意外にも、特別な人が特別なことをしているわけでない。誰にでもできることを積み重ねた結果の成功であった。凡人は、その当たり前のことができないのです。世界の偉人・有名人が名言を残していますが、教育関係者なら、福沢諭吉の「学問のすすめ」を子どもたちに伝えたい。
 「学問のすすめ」(福沢諭吉)より
 人間には生れながらにして貴賎貧富の差別はない。天は生まれながらの人に富貴を与えるのでなく、その人の働きに与えるのである。誰でも自らの働きにより富貴が得られる機会において、平等なのである。では、現実社会における賢愚、貧富、身分(地位)の差は何からきているのか。その理由は明白である。「学ぶと学ばざる」とによる差である。学問に励み物事をよく知る者は貴人、富人となり、無学な者は貧人、下人となる。

 「学問のすすめ」は、子ども向けに書かれたものでもなく、「点は人の上に人を造らず、…」と平等を説いたモノではありません。激動の時代に、福沢諭吉は、教育者であり思想家として、国家として日本が難局をどう乗り越えるべきかを指南したものです。今の時代にも通じる思想です。「勉強しないから格差が生まれるのです。」

                 キスゲ花盛り

2022年7月7日木曜日

花だより 映画「ひまわり」(ウクライナ支援チャリティー再上映) エゾカンゾウ

 

 映画「ひまわり」は1970年の作品 ソフィア・ローレン(ジョバンナ)とマルチェロ・マストロヤンニ(アントニオ)の競演、ヘンリー・マンシーの甘く切ないテーマ曲でイタリア映画としては、異例の大ヒット作品になりました。私が15歳の時の作品で、何度も見た映画です。女優ソフィア・ローレンを見たとき、「外国の女優さんは、何てきれいで魅力的なのだろう!」と思いました。
  ウクライナ支援チャリティーの映画上映があると聞いて、何の映画かな?と思っていたら「ひまわり」のポスターが届きました。「ひまわり」のロケ地が、今激戦地となっているウクライナ南部のへルソン州であることを知りました。当時のソ連がロケを許可したのも異例のことでした。そして、ラストシーンがひまわり畑です。現在、あの広大で美しい田園風景に砲弾の雨が降り注ぎ、荒廃しています。
 映画は、第二次世界大戦後、戻らない夫アントニオを探すために、ジョバンナは、ソ連に向かい夫の足跡を探すのです。しかし、一面のひまわり畑の果てに待っていたのは、ロシア娘と結婚し、子どもに恵まれた幸せなアントニオの姿だったのです。
 こんな悲劇が二度と起きないようにと願って制作された映画を、50年経った今、また別な思いを胸に観ることになりました。






2022年7月6日水曜日

花だより 1冊の問題集を何度も繰り返す ササユリ

 

 1冊の問題集を何度も繰り返す
 今は、インターネットでいろんなドリルや問題集の勧誘がいっぱい来ます。もちろん書店に行けば、問題集や参考書が山のようにあります。
 問題集や参考書も何でもかんでもがたくさんやればいいというものではありません。いい問題集が1冊あれば、それを繰り返しやるだけで充分に力がつきます。理由は簡単。2回目、3回目と同じ問題をやっていくうちに自分の弱点に気付くのです。
「分数のわり算でケアレスミスが多い」「計算だとわかるけど、文章題が苦手」など自分の弱点がハッキリと浮かび上がれば、克服もしやすい。“どこがわからないのか、わからない”なんてこともなくなります。
 それに使いこんでいくうちに、書き込みをしたり、ラインマーカーを引っ張ったり、自分なりの問題集ができて、手あかがついたり汚れてくると「こんなに頑張ったんだな!」という実感になって、励みにもなり、愛着がわいてきます。
 問題集は、自分で決める! そうすればやらされている感じが少なく抵抗感もありません。それが1冊の問題集を使いこなしていくパワーになります。
 しかし、今はタブレットで家庭学習をするようになりました。AIが、その子の弱点を把握して、最適な問題を出してくれます。タッチパネルの手あかに愛着を感じるようになるのでしょうか?
 プランターのペチュニア

 

2022年7月5日火曜日

花だより 言霊「ありがとう」 ホタルブクロ

 

 
 「ありがとう」をたくさん言う人、何事にも感謝の気持ちを持つ人には、さらに「ありがとう」と感謝したくなる嬉しいことが起こります。なぜなら、言葉には“言霊”があり、「ありがとう」には、いい現象を引き寄せる良質なエネルギーがあるからです。心の中に“感謝”があるかないか、たったそれだけのことで運命は大きく変わります。
 ◎「ありがとう」がツキとチャンスと奇跡を起こす。
 ◎いつも自分を支えてくれる“体”と“心”に感謝する。
 ◎自分を傷つけた人、つらい目にあわせた人にも感謝する。
 ◎自分の家に感謝する。
 ◎自分が「ありがとう」と言われる存在になれる。
 ◎言えば言うほど、いいことが起こりだす!! 

 たったこれだけですべての願いが叶う奇跡の言葉。それが「ありがとう」なのです。
 子どものころから、子どもに“ありがとう”と感謝することをいっぱいしてあげることです。すると、子どもは、小さいときから、なにかにつけて“ありがとう”という言霊シャワーを受けて育っているので、細胞から感謝のエネルギーが満ちていて、「ありがとうと言いなさい」などと、おこごとのように言わなくても、自然に自ら、その言葉を発する気持ちいい素直な子になるのです。
 ◆そして、“ありがとう”の魔法の言葉をかけられて、感謝の波動を浴びて育った子どもは、自然に、自分が感謝される存在であり、大切にされていることを感じるので、自分や他人を傷つけるような人になったりしないのです。それは、人間の人格形成にとても重要なことです。“ありがとう”の言葉があり、感謝という観念があるだけで、人は豊かな気持ちを育み、豊かな人生を築いていけるようになるのです。「ありがとうの魔法力」 佳川 奈未著から     
 一番多く使う言葉は何か「すみません」?
 何かしてしてもらったとき、「ありがとう」とは言わず、つい「すみません」と言ってしまいがちです。この本を読んで「すみません」ではなく“ありがとう”を伝えるようにしようと思いました。  
 ◆「あいさつで人を大切に」は、“おはようございます”だけではありません。“ありがとう”が最も大事なあいさつです。
ジャガイモの花が咲きました。

  


   

2022年7月4日月曜日

花だより 悪いのは相手? レンゲツツジ

 

 「悪いのは相手」という考え方をしない。 
 小さい子は、「ぼく(わたし)は悪くないもん」とよく言います。身をかばいたいという気持ちは小さい子どもでもあります。これは人間の本能です。こんなとき「はい、あなたは悪くないわよ。」と子どもに迎合する親が結構います。
 「本当に自分が悪くないかどうか、相手の気持ちになってもう一度よく考えたあとでもう一回話を聞きます。」子どもに迎合するのではなく、小さい頃から、立ち止まって考える時間を身に付けさせるのが親の役目です。
 品格のあるお母さんは、そう簡単に子どもに迎合したりしないものです。簡単に迎合すると子どもは自分のやることは何でも正しいと思い、単純に悪いのは相手だと思ってしまいます。これは交渉のテクニックのように、相手にすべて責任を押しつけて、悪いのは相手と決めつけて交渉をはじめるやり方です。最後まで自分の落ち度を認めようとしない。こんなことを交渉のテクニックだと思って続けていると、自己中心的な人間になってしまいます。そんな人がだんだん増えてきて世の中がギスギスしているような感じもします。
 子どものケンカやトラブルは、よほどのことがない限り100%相手が悪いということはありえません。立ち止まって考える時間をもてばわかるはずです。当たり前のことですが、 悪いのは、相手と決めつけるような考え方や話し方をしないことです。子どもには立ち止まって考える時間が持てるようにしつけていきましょう。「しつけ」とは仕向けることです。

                     「母の品格」 多湖  輝著より
大きく白い4枚の花弁のヤマボウシが園庭に咲いています。

2022年7月3日日曜日

花だより ハサミの使い方 ルピナス

 

  七夕の短冊づくり
 ハサミの使い方は、母が教えてくれました。「いいかい、ヨシミツ。根元から先まで使うとまっすぐ切れるんだよ。曲げるときも同じで、紙を動かすと上手に切れる。先は、細かいところを切るときに使うんだよ。母さんは、勉強は教えられないけどね…。」洋裁をしていた母からは、「アイロンの掛け方やズボンの裾上げくらい、男でもできないとね。」と言われて教わりました。おかげで家庭科の成績は良かったし、妻も喜んでいます。先生から「牧野君は、器用ですね。」と言われましたが、牧野家では、「ヨシミツが一番不器用!」と言われていました。
 父からは、「筆は、上手になれば上の方を持つけれど、ヨシミツはまだ下手っぴだから、下の方を持ちなさい。」と絵や習字を教わり、じいちゃんからは、のこぎりや金槌やカンナの使い方を、ばあちゃんもとても器用な人でした。毎朝、パンツとシャツと靴下を履かせてもらいました。技術・家庭・図工・美術の成績は、全て家族のおかげです。
  3歳児が、ハサミと糊を使って七夕の短冊づくりをしました。糊は、昔ながらのヤマト糊で、手にいっぱいつけすぎて、そこら中に塗ったくって、先生に注意されていました。ハサミで丸く切るのも、3歳児には超難しいことです。こども園の製作活動では、道具を正しく使えるようすることも大事な指導です。「こんな経験をたくさんして、成長していくんだなあ。」と感心しながら見ていました。

2022年7月2日土曜日

花だより リトルエンペラー症候群 ザクロ

 


 こども園のケース会議で話題になりました。
 
《家庭内のバランスが崩れ、子どもが王様状態になっている》 
 子どもが生まれてからは、子ども中心の生活になるものですが、その途中でバランスを崩し、子どもが何をやっても許されるような王様状態になってしまうと、もしその子が軽率な発言をしたとしても、取り立てて責められることがない、正しくは、親が指摘することができない状態になっていることがあります。
「リトルエンペラー症候群」 
  あまり聞き馴れた言葉ではありませんが、現代日本の子どもたちの多くが抱える問題になっています。うちの園にもこんな子はいる?
《その特徴は》
① 自分でできるはずのものでも、身の周りのことは大人にやってもらいたい。
② 一人の自由時間に何をして過ごせばいいか分からない。
③ 思い通りにならないと他人の前でも大声で泣いたり怒ったり、反対に黙り込んで動かず
   大人を困惑させる。
④ 相手が嫌な気持ちになるような関わり方を悪気なくしてみんなに嫌われてしまう。
⑤ 自分の失敗を人のせいにする。
 こうした特徴に当てはまる子がいないだろうか?衣服や靴の着脱は、園ではやっていても、家では誰かにやってもらっていて、自立を妨げてはいないか? ちょっと心配になりました。
 教師になったとき、母が「朝起きてきたら、すっぽんぽんで両手を広げて立ってるだけ、ばあちゃんが、パンツもシャツも靴下もはかせてくれていた。そんなヨシミツが、学校の先生になったんだもねぇ~?」と言ったのを覚えています。このリトルエンペラー症候群は、発達障害ではありません。直ります!
           夏ツバキ 咲いたと思ったらすぐ散ってしまいます。