2024年1月18日木曜日

花だより 誰でも読みやすく カニサボテン

 

   読売新聞 「展望2024」~誰でも読みやすく~ 【校閲部】
  「校」は見比べて正すこと。「閲」は調べること。
 新聞記者が書いた原稿を読む。誤字脱字がないか、内容に矛盾はないか、事実関係は正しいか確認する。これが校閲記者の仕事だ。新型コロナウイルスの流行下では「コロナ禍」が「コロナ過」「コロナ渦」になっていないか凝視する毎日が続いた。誤りがあれば。取材した部署に伝える。その前に、単純な変換ミスに見えても、何か意図があってそう表記している可能性はないか考える。誤りだと理由を示すため、課の記事や文献、インターネットの公式サイトなど、複数のデータを確認する。しかし、新聞校閲は締め切りまでの時間が短い。記憶と経験だけが頼りの時もある。
 校閲記者は「分かりやすい紙面作り」を担う。ふだんは紙面に向かって黙々と赤鉛筆を走らせるが、読みやすい記事にするためにはどう直したらよいのか、的確に説明する力も要る。昭和12年、当時の校閲部は「漢字制限について、むずかしい漢字を使わぬこと」「一般的記事を構成する文字及び文章、とりわけその使用漢字は、努めて誰人にも判り易いものでなくてはならぬ」とした。
  時代を経た今もその思いは変わらない。子どもから大人まで誰にとっても読みやすいように、紙面では固有名詞などを除き、常用漢字を使うことを基本としている。
 一字一句に目を凝らし、正確で分かりやすい新聞を皆さんにお届けする責任を今年も果たしていきたい。  
*ライターのプロ集団の新聞社でも、校閲部の果たす役割が大きい。「文をかくとは、汗をかく、恥をかくこと」だと言われた。読売の校閲部には、52人の校閲記者がいる。学校にも1人いると恥をかかなくてすむのだが…。

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