2024年1月22日月曜日

花だより ウェルビーイングと「生きる力」 ワカサギ タラバガニ


 金田一さんが、「カタカナ語が多く含まれる外来語は、新しくカッコいい。時代は移り変わりますから、新しいものを受容するためにカタカナ語が増えるのは仕方ありません。流行を作るために新しい言葉が必要なのです。」と言っていますが、教育界にまた新しいカタカナ語が加わりました。「ウェルビーイング」です。
 教育は何のためにするのかというと、「子どもたち一人ひとりと社会全体が、現在から将来にわたって幸せで満ち足りた状態となるため」ということです。 逆に言うと、個人も社会もウェルビーイングな状態を実現することが、教育の目的そのものなのです。
 “教育”にウェルビーイングが求められる背景としては、子どもたちの抱える困難が多様化・複雑化していることや、持続可能な社会の創り手育成に向け自己肯定感を高める必要があることなどが挙げられています。
 これまでいわれてきた「生きる力」と何が違うのでしょうか?
 学習指導要領改訂で「生きる力」の理念が再度掲げられました。この「生きる力」については、「将来の職業や生活を見通して、社会において自立的に生きるために必要とされる力」であると述べています。そこでは「これからの学校は、進学や就職について子どもたちの希望を成就させるだけではその責任を果たしたことにはならない。」とまで言っています。また、「我が国の子供たちにとって課題となっている思考力・判断力・表現力等をはぐくむためには、(中略)観察・実験やレポートの作成、論述といった知識・技能を活用する学習活動を行う必要がある」と述べ、さらに、「自分に自信が持てず、自らの将来や人間関係に不安を抱えているといった子供たちの現状を踏まえると、コミュニケーションや感性・情緒・知的活動の基盤である国語をはじめとした言語能力を重視した体験活動の充実を図ることにより、子どもたちに他者、社会、自然、環境とのかかわりの中で、これと共に生きる自分への自信を持たせる必要がある。」と指摘しています。再度掲げた「生きる力」を、今度こそ、真に子どもたちが身に付けられるようにしなければならない。その役を一番に担う生活科・総合が根付かない国家は滅びる!と言い切りました。
 「ウェルビーイング」は、新しいトレンドとして、かっこよく見せるために「生きる力」をカタカナ語にしたのでしょうか?
         

 

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