2024年5月31日金曜日

花だより 「ありがとう」「大好き」~気持ちを言葉で~ アマリリス セッコク

 



 学習塾を開設に伴い大手学習塾の担当者があいさつに来校しました。
 「公立学校の校長先生とこんなに話をしたのは、はじめてです。」と喜んでくれて、PHP研究社から出されている本をプレゼントされました。宣伝をするつもりはまったくありませんが、その中で心に止ったフレーズがありましたので紹介します。
「子育てが楽しくなる ちょっとした習慣」から 
  「ありがとう」「大好き」~気持ちを言葉で~ 
 わが子が生まれた日のことを思い出して下さい。初めて腕に抱き、顔を見た瞬間の感動と喜び。「生まれてきてくれてありがとう。あなたに出会えてとてもうれしい、大好きよ。」という気持ちを確かに感じたのではないでしょうか。
 しかし、実際にはこうした言葉をわが子に向かって伝えていないお母さんが、案外多いようです。「親子なんだから、言葉にして伝えなくてもわかっているはず。」という考えもわかりますが、やはり気持ちはしっかりと言葉で伝えることが大切です。言葉にして言わなければ、分からないことの方が多いものです。夫婦であっても以心伝心というわけにはいきません。大人でもそうなのですから、子どもはなおさらです。だからこそ「あなたのことを本当に大切に思っている。」という言葉を、気持ちとともに伝えてあげるべきです。
 外国の人は「I  love  you」とよく言いますが、日本人はなかなか照れて言いません。でも、勇気を出して、夫婦間で言ってみてはどうですか?

2024年5月30日木曜日

花だより マナーを知れば感情も和らぐ フジ タニウツギ

 


 マナーを知れば感情も和らぐ『母の品格』
 「ゴミは持ち帰る」というのは、身の回りをきれいにしておいた方が気持ちがいいという、気持ちの問題です。
 でも、これも理屈をこねると「わたしは身の回りが汚れていても一向に気にならない。」とか「むしろ汚い方が落ち着く」という、困った理屈を言い出す人が出てきてなかなか決着が着かず、不毛の論議になってしまうことがあります。テレビ東京の「家ついて行っていいですか」という番組があります。家についていくとほとんどがゴミ屋敷です。こんなに散らかっているのに、よく取材をOKしたなあと毎回思います。
 ふだんからお母さんが「ゴミで散らかっている部屋にいるのはイヤだよね。」と子どもに言っていれば、また、いつもお母さんが部屋をきれいにしていれば、子どもも気持ちのいい部屋は、きれいに片づいた清潔な部屋と思うようになります。これがごく自然な感情で、理屈をこねる必要などありません。
 マナーを教えるということは、ごくふつうの感情を育むことです。私たちは、「弱い者いじめをしてはいけません」「悪口をいうものではありません」「困っているとき人助けするのはおたがいさま」など、じつにいろいろなことをマナーとして教えられてきました。どれも理屈としてではなく体の中にしみ込んでいます。こういうマナーは、何度となく言われてているうちに少しずつ身に付いていくものです。また、しつけと言って大声で怒鳴ったり、叩いたりするお母さんもいますが、逆効果です。マナーを身に付けさせようと思ったら、根気強く諭すことです。 

2024年5月29日水曜日

花だより 子どもが愛されていると実感できるコミュニケーション クローバー カスミソウ

 


 子どもは、親に愛されたい、理解されたいといつも思っています。理解されないと不満がたまり、キレて泣いたり、叫んだりしたりすることがあります。突然子どもがキレたとき、本人も親も理由がよく見えず、怒ったり苦しんだりしますが、理由はちゃんとあるものです。日頃から子どもの話をじっくり聞く、同じ目の高さで考える、深い関心をはらう、といった姿勢を親が身につけることで、子どもは親に愛されている実感を得ることができます。
 子どもは愛されていると感じるとき、安定した気持ちで遊んだり、生活することができます。そして、不必要に攻撃的にならず、他の人や問題を受け入れることができ、大きく成長できるものです。子どものしつけに関することは、おじいちゃん、おばあちゃんとも話し合い、共通理解のもと同じ対応をすることが大切です。
 *子どもが愛されていると実感できるコミュニケーションをする*

田植えが始まりました。

2024年5月28日火曜日

花だより 日本の乳幼児教育界は複雑? サツキツツジ ミカンの花

 



               幼児教育をもっと知ってください 日本の乳幼児教育界は複雑?


■幼稚園は学校です。教育を目的としている施設です。子どもの対象年齢は3歳から就学前です。幼稚園教員免許が必要です。文部科学省の管轄です。
◆保育所は児童福祉施設です。子どもの対象年齢は0歳から就学前です。保育士資格が必要です。保育士は、保護者に代わって子どもを保育する子育ての専門家です。こども家庭庁の管轄です。
◎認定こども園は、幼保連携型、幼稚園型、保育型、地方裁量型と4種類あります。わくわく園は幼保連携型です。認定こども園の先生は、保育士と幼稚園教諭の両方の資格を有する保育教諭です。対象年齢は0歳から就学前まで、保育所と幼稚園を合わせた保育と教育をする施設です。こども家庭庁管轄ですが、文科省からの指導も受けます。
~保育教諭の仕事~ 
1 出勤から朝、子どもを迎えるまで
・天気予報やこよみ、大きなニュースなどをチェックして出勤します。
・職員と挨拶をかわしつつ、すぐに朝の準備にとりかかります。
・遊んでみたいとわくわくするような環境の中に子どもを迎い入れます。 
2 環境を構成する楽しみ
・子どもと生活を共にしているとそれぞれの子どもが何に興味を持ち、どんな遊びを楽しみ、それが子どものどんな成長につながるのかということが知りたくなります。そこで保育者はどこで、どんな活動(遊び)をしようか、そのために何を用意しておけばいいのか、どうやって子どもにはたらきかけてみようかなど、子どもによりよい環境を提供するため、前もって考え準備することを日々繰り返しています。
3 子どもが帰った後
・こどもが帰った後には、いたるところに子どもが遊んだ形跡が残っています。片付けたり、掃除をしたりしながら、その日一日の遊びの姿をたどっていきます。(記録して次の案をたてる)
・次の日の準備、職員同士の打ち合わせ、研修などの会議、事務処理など、やることは山ほどあります。
*忙しい毎日ですが、幼児を育てる仕事の楽しさとやりがいがあります。
😊「せんせい」と、子どもたちから頼られ、信頼される喜びや、せんせいとして子どもたちを援助し、その成長を目の当たりにできる楽しさは、他の仕事では味わえません。
😊子どもとのやりとり、コミュニケーションをもとに保育し、せんせいとして、一緒に成長していける楽しさとやりがいがあります。
😊毎日、新鮮な出来事があります。子どもと一緒に「どきどき」「わくわく」する感動がたまりません。
*少子化対策で「だれでも通園制度」が確立されると、幼児施設の充実とそこで働く先生方の今まで以上のスキルアップが求めら、さらに忙しくなります。

2024年5月27日月曜日

花だより 今の若者は略字を使わない オオバナノエンレイソウ

 

 今の若者は略字を使わない
 略字やくずし字で手紙をもらうと教養のある人だと思う。ところが今は違います。略字やくずし字は、何とか読めるけれども使ったことはない。中には、見たこともないといく若い人がいる。これらの文字は、手書きのよって生まれた略字です。パソコンの普及によって文字を省略すること自体なくなりました。また、パソコンで表示されない字体があるため、次第に使われなくなりました。パソコンが普及しなければ、これらの略字が一般的な字体になっていた可能性があります。なぜなら、手書きの文字文化は、歴史とともに変化してきたからです。文字文化は、先人たちが書き継いで、受け継がれてきたかたちの表現です。
 これまでのデジタル社会は、手書きの文字文化を制約し、妨げるものでした。しかし、AIの発達で、手書き文字の表現力にデジタルの能力が追い付き、これからは、手書き文字文化を狭めるのではなく、むしろ共存して広げるものへと発展することを期待したいです。
北見市端野の水田で田植え始まる

2024年5月26日日曜日

花だより 「札幌ライラックまつり」と女の子 エビネ キンギョソウ

 


 札幌出張の日は、ちょうど「札幌ライラックまつり」が大通公園で開催されていました。 「ライラックの花が咲き揃う季節に文化の香り高い行事を行う」という文化人の呼びかけにより始まったおまつりです。札幌の木に選ばれていますが、こども園の周辺にも見かける木です。今では、札幌に初夏の訪れを告げるおまつりとして定着しました。別名「リラ」花言葉は、「友情」「思い出」(紫)「初恋」「初恋の感激」「愛の芽生え」(白)です。 
 朝、娘のアパートから最寄りの駅まで歩いていると、前から黄色い帽子をかぶった4・5歳くらいの女の子とお母さんとすれ違いました。すると女の子から「おはようございます」と挨拶されました。地元の園児から挨拶されることはありますが、ここは札幌です。「あいさつしてえらいですね。」と返すと、お母さんが「ほめてもらって、よかったね。」と声をかけました。女の子は、ニコッと笑いました。家庭のしつけがよいのか、幼稚園の教育がよいのか?たぶんどっちもいいのだろう。と心がホットステーションになって、北海道国公立幼稚園・こども園協議会経営研究会に向かいました。開式の言葉で、この話をしました。



 

2024年5月25日土曜日

花だより まず無条件に聴く 赤いバラ エゾエンゴサク

 


  子どもや保護者の訴えは、“無条件に”聴く
 
 保護者対応で悩む教師が多いですが、教師にはカウンセラー機能が必要です。訴えてきたのが、子どもであれ保護者であれ、“無条件に”まず聴くことです。
“無条件に”という意味は、①「たいしたことではないだろう」とか「どうせ、また…」などという先入観を排すること、②聴くことが最優先で、指導は二の次ということです。
 いじめ、不登校、問題行動などは、早期発見・早期対応が長年叫ばれ続けていますが、同じ過ちが学校現場で起きてしまうのは、この一見簡単そうに思えることが最初に行われていないからです。特に①の「先入観」は、どんな教師でも陥りやすい心理です。実際学校現場では、毎日何件もの子ども同士のトラブルやもめごと、嫌がらせ行為に対応していますが、ほとんど解決しています。そのため、子どもや保護者からの訴えに対しても「たぶんたいしたことないだろう」という先入観が生まれます。事実を正確に見る目が曇ってしまいます。さらにこの先入観があると、訴えの対応を後回しにして、事態が悪化していくことが多いです。また、普段子どもと接している教師は、保護者に対して上から目線で話しがちです。不信感を与えると問題解決は図れません。どんな訴えでも、“無条件に”まず聴くことを最優先にすべきであると肝に銘じておくべきです。

湧別のチューリップ公園

2024年5月24日金曜日

花だより 遠足の出発式 シャクヤク オオアマドコロ

 


 遠足の出発式
 腰が痛くて整骨院に通っています。整骨院の先生から、「原因は“運動不足”です。歩きなさい!」と言われました。長い距離を汗をかいて歩く「ウォーキング」は健康にとてもいいのです。でも、ただ歩くのはつまらないものです。体全部(五感)を使って遠足を楽しみましょう。
 目~周りの景色を見ながら歩きましょう。
 耳~小鳥のさえずり、風の音、街の音を聞きながら歩きましょう。
 鼻~おいしそうないい匂い。花の香を感じましょう。
 手~お友だちと手をつないだり、横断歩道を渡るときは手を上げましょう。
後、使っていないのはどこですか?
「足と口!」
「足は、もちろん歩くのに使います。」 
「口は?」
「お話をしたり、おやつやお弁当を食べるのに使います。」
 体(五感)を全部使った遠足は、思い出がたくさんできます。その思い出を家に帰ったら、おうちの人に話してください。




2024年5月23日木曜日

花だより 文字を手で書くことには「トレーニング」が必要 エゾエンゴサク シラン

 


 文字を手で書くことの教育は「技能の教育」です。学校教育において「知識及び技能」はセットで語られますが、「知識」と「技能」は本来分けて考えるべきです。
 これまで「知識」は個人が備えるものでした。ところが、デジタル時代における知識は、誰もがアクセスすることができ、いつでも取り出せる「データ」になりつつあります。もちろん知識を蓄えることは今でも大切ですが、たくさん覚えることよりも、データとしての知識をたくさん取り出し、如何に使うことができるかを求められる時代に変わり始めています。一方で「技能」は、個人に備わるものであり、他者と共有できない能力です。スポーツに代表されるように、繰り返しトレーニングを重ねて身体で覚えていくものです。技能が身についているかどうかは、「実際にやってみる」ことで確かめるしかないのです。
 文字を手で書くことは、身体的表現であり、技能の教育の基礎に位置づけられます。言葉の表現力を支える技能として、それぞれ個人が積み重ねて培っていく表現力です。タイパと言われ何事にも効率化が求められる時代ですが、こればかりは他者に頼ることのできない、トレーニングによって身につけなければならない能力なのです。
             鎌倉女子大学短期大学部 准教授 杉山 勇人 (牧野要約)

2024年5月22日水曜日

花だより 教職調整額引き上げに720億円必要 ヒナゲシ 菖蒲

 

 

 《教育改革は国の最重要課題》
 中教審の特別部会は、教職調整額を4%から10%以上にすることなどを盛り込んだ教員確保に向けた総合的な対策案を了承し、文科省は2025年の通常国会で給特法の改正案を提出する方針で、教員の待遇改善を目指す。そのためには国庫負担金は720億円必要になる。
 教育は国の最重要課題であり、長期の国家戦略として「教育」は一番重要視されなければなければならない。1983年アメリカの教育改革白書の膨大な報告書の最後に「教育には金がかかる。その金を惜しんでかけなければ、あまりできのよくない人間の山を築くことになる。そうした場合に、あまりできのよくない人間の山(国民)ばかりになってしまった国家を改善するには、はるかにもっと大きな金がかかり、コストがかかる」という言葉で締めくくられている。
 財政が苦しくなると教育予算の削減を、教員の給与カットなど、あらゆる手段で削減しようとする。「それを思い止まりなさい。そんなバカなことばかり言っていると国はおかしくなりますよ」ということを申し上げなければいけない。これが中教審の委員の皆さんの仕事なのです。 

2024年5月21日火曜日

花だより 「厳しすぎ」「甘すぎ」両極端な子育てが急増 レンギョウ ベコニア

 

「厳しすぎ」or「甘すぎ」
   明治大学 諸 富 祥 彦 教授
 両極端な今の日本のしつけ。どちらも虐待に一直線につながっています。
 日本のしつけは、もともと全体として厳しい傾向にあります。ある調査では、日本のしつけは体罰を用いる傾向が高く、子どもをたたく母親は9割を超えています。それが最近では、ますます極端になっています。
 しつけのつもりが虐待に一直線につながってしまうかもしれません。だめだと思っていても、ついビンタしたり、「あんたなんか産まなきゃよかった。」という言葉を浴びせたり、子どもを蹴ったりしてしまう。最初は、しつけのつもりでやっていたのに、だんだんそれがエスカレートしてしまう傾向にあります。この10年間で、このような家庭がずいぶん増えました。逆に、子どもに甘すぎてほとんどしつけをしていないお母さんも増えています。こちらの方は極端になると、ほったらかし育児から虐待のネグレクト《子どもに対するネグレクトは育児放棄(いくじほうき)、育児怠慢(いくじたいまん)、監護放棄(かんごほうき)》へとつながっていきます。両極端な子育てと虐待の増加しています。日本の子育ては、いま大ピンチなのです。

2024年5月20日月曜日

花だより 都会の人の方が歩く? セキチク

 

 
 5月16日・17日と北海道国公立幼稚園・こども園協議会の総会と経営研究会で札幌に行ってきました。普段は1日5千歩程歩くのですが、この2日間の歩数は1万歩を超えました。娘の家からJR駅まで、札幌駅で降りて、会場の中島公園まで歩いたのです。帰りも同じです。そこで気が付いたのは、自分は歩くのが遅い、都会人はどんどん追い越していくのです。普段
は車に頼り、いかに歩いていないかということに気づきました。
  ウォーキングのすすめ 
 ただ散歩のように歩くのでなく、歩く姿勢やスピードなどを意識して歩く。真剣に美しく歩くためにはかなりの体力を要します。また、子どもからお年寄りまで全身運動として一番無理がなく、スポーツ経験のない人でも始められる運動です。そして、1人でできるし、時間も好きなときにできる気軽さがあります。家族みんなでできるピッタリの健康法です。そのためには「正しい歩き方」を身につけることです。
 正しい足の運びは、①かかと→②足の外側→③小指の付け根→④親指の付け根→⑤親指と体重移動するのがふつうです。多くの人は、親指まで体重移動せずに小指から踏み出すので、疲れやすく、足や腰に負担がかかります。また、ウォーキングのような有酸素運動は心肺機能を鍛え持久力をアップさせます。酸素摂取量の大きな人は、疲れにくく疲労回復が早いそうです。人に勧める前にまず自分です。
 

2024年5月19日日曜日

花だより 一般社団法人言の葉協会「言の葉大賞」 ゼラニウム(2)スズラン

 

 

 高度情報化社会の今日、言葉は社会にあふれています。しかし、実のところ「言の葉」は日々、減り続けているのではないでしょうか。言葉の役割は二つあります。ひとつは、何かの必要にせまられて発する言葉、もうひとつは、何かに感動した場合などに発する、自分の気持ちや思いを表現する場合の言葉です。
 多くの場合は前者で、メディアから流される膨大な広告情報は、その象徴的な例です。テレビを見ても、新聞を開いても、目を引くロゴデザインやレイアウトで、そこで語られていることは、「ステキですよ」「安いですよ」という言葉ばかりです。メールボックスを開くと、そこに並んでいるのは、指示や連絡ばかりで「何々をしてください」「ご多用のところ恐縮ですが…」といった類の言葉のオンパレードです。
 その一方で、自分の気持ちを表す、心の中から出た言葉に出会うことは、滅多にありません。今はSNSの世界がそうかもしれません。しかし、それらの言葉のほとんどが、自己満足的なつぶやきに過ぎないものだったり、互いの日常生活を写真付きで自慢し合う場になっています。
 ある書家によれば、「字とはもともと人の心が万物に感動してつくり出されたもの」だと言っています。この言の葉協会の名前の由来となっている、古今和歌集の仮名序にある「大和うたは人の心を種として万の言の葉とぞなれりける」が伝えるように、和歌とは人との心を種として、さまざまな言葉の葉が繁ったものなのです。
 言葉の洪水に押し流されて「言の葉」の精神を失うことは、おそらく、私たちの生きる力そのものを失うことになるに違いありません。ここに収録された「言の葉」の数々が、読者の心を揺さぶり、明日の生きる力の糧となることを願ってやみません。

                一般社団法人 言の葉協会 「言の葉大賞」より

2024年5月15日水曜日

花だより 1か月が過ぎた新人教員へ アヤメ カキツバタ

 

 

 1か月が過ぎた新人教員へ
 「教師の命は授業である」「教師の命は研修である」「授業は教師の芸術である」「教師の前に人間であれ」「教師は人なり」言い古された言葉ですが、教師には古くて新しい課題として肝に銘じて研鑚することが肝要だと思います。
 アメリカの聖職者(牧師)であるウィリアム・アーサーの「凡庸な教師はただしゃべるだけ よい教師は説明する 優れた教師は範を示す 偉大な教師は子どもの心に火をつける」と訳された言葉を思い出します。また、水上 勉氏は、「人は木の花や葉、枝ぶりの美しさに心を奪われる。これはこれでいいが、木には見えない根があることを忘れてはいけない」と言っています。
 教職調整額が4%から10%になりそうです。学校の先生は給料が高い。それだけの仕事をしているのだと保護者から思われないといけません。教育の有様が難しい時代だからこそ、教師としての人間性、社会性はもとより指導力、研修欲など、教師としての心の玉をたゆまず磨き続けてください。

2024年5月14日火曜日

花だより 5月病は子どもにもある 薔薇 カザグルマ

 

「五月病」は子どもにもある? 五月病は大人だけではありません。

  環境の変化に順応しようと頑張りすぎると、心の緊張がずっと続き、ストレスが蓄積されてしまいます。それが長期休暇に入ることで、気が緩み、張り詰めていた緊張が途切れてしまうのです。子どもにとって、入園や入学は大きな環境の変化です。不安を感じたり、緊張してしまうのです。まじめで頑張りやさんほど「きちんとやろう」という気持ちが強く、自分でも気付かないうちに心が疲れてしまいます。また、この時期は、寒暖差や気圧変動が大きい季節です。寒暖差で自律神経が乱れ、エネルギー消費が増え、疲れやだるさを感じやすくなります。
  どのようにフォローしてあげればよいのか、まずはのんびりと過ごさせてあげることです。あまり叱らず、リラックスできる環境を作ってあげることが大切です。疲れた心にそっと寄り添っていくと自然と治っていくのが「五月病」です。成長の歩みは、人それぞれです。子どもの歩みに合わせながら焦らずに見守ってあげることが大切です。
 子どもは、「いっぱい遊んで、いっぱい食べて、いっぱい寝る」ことが大事です。


2024年5月13日月曜日

花だより 友だち100冊つくるんだ 桐の花 カーネーション

 

  「友だち100冊つくるんだ」 
 平成13年に公布された「子どもの読書活動推進法」によって、4月23日が「子ども読書の日」となりました。子どもたちに、もっと本を読んでもらいたいという願いからです。ところが、書店0の自治体は全国で26%、北海道は179の自治体のうち47の市町村で本屋さんが1件もありません。
 さらに近年電子メディアの発達によって、世界の情報伝達の流れは大きく変わりました。しかし、その使い手が人間である限り、人間性を育て、形づくるのに[本]が重要な役割を果たすことに変わりはありません。小さいときから書物に親しみ、読書の喜びや楽しみを知り、物事を正しく判断する力をつけておくことが、子どもたちにはとても大切なことです。
 各小学校では、良い本に親しむことを薦め、読書の楽しみや喜びを知らせ、正しい読書の習慣を身に付けさせる好機としてとらえ、朝読書を行っています。書店がなくても、図書館があります。休みの日、北見市にある大型書店(コーチャンフォー)は、たくさんのお客さんで賑わっています。まだまだ本は廃れないと信じたいです。



2024年5月12日日曜日

花だより お母さんの嘆き「どうしたら家で勉強するようになるか?」 カーネーション

 

 
 お母さんの嘆き 「食卓での勉強」が集中力を磨く 
 子どもが効率的に勉強するために、集中力を上げるにはどうすればいいか?「机の前に30分も座っていられない。宿題をやっているかと思ったら、タブレット(スマホ)ばっかり見ていて」こんなため息をつくお母さんはきっと多いと思います。
 どうしたら子どもが集中して勉強ができるようになるか?
 勉強机で勉強させないで、お母さんがご飯の支度をしているすぐ横、ダイニングテーブル(食卓)で勉強するのが実は一番いい。これは監視できるからではなく、小学生にとって集中するために必要なのは安心感なのです。
 お母さんが近くにいることで安心して勉強もはかどるのです。自分の部屋だと勉強机のまわりには逆に誘惑がいっぱいあります。タブレットやゲーム、漫画に手が伸びるのは当然です。ある実験では、生活音の中にいる方がかえって集中力が上がる、というデータもあります。小学生に自分の部屋で静かに勉強しろというほうが無理です。
 たとえば子どもが算数の宿題をやっていて、すぐ横でお母さんが洗い物をしています。「お母さん、これは分数で表すとどうなるの?」「どれどれ?これはね…。」とちょっと手を拭いてすぐ見てあげられる。すると「いま学校でこんなことを習っているんだ。」「うち子は、こういうところが苦手なんだ。」日常生活の中で、細やかに見てあげられる。子どものいまを知っていると親の子どもへの理解も深まり、子育ての力もアップ。子どもとの信頼関係も深まります。ひいては子どもの学力や成長に大きな差が出ます。「ぜんぜん机で勉強しないじゃないの?なんのために机があるの!」なんて叱るのは大きな間違いです。まずは安心感のある食卓で、勉強する習慣を身につけさせることが大切です。



2024年5月11日土曜日

花だより 教師は人間力を磨くべき ハナミズキ 

 


 昔から付き合いのある出版会社の営業マンは、未だに近くに来ると寄ってくれて教育情報誌を置いていってくれる。ところが積読だけで読まないでいたが、連休はどこへも出かけなかったので、ペラペラめくって見た。

教師は人間力を磨くべき

               福聚山 慈眼寺 住職 塩沼 亮潤氏

 中学生の時、全校集会で生徒たちが騒いでいて、怖い先生がどんなに青筋立てて「静かにしなさい!」と怒鳴っても全く収まらないのに、一人の老教師が前に立っただけですぐ静かになったことがありました。この人間力はすごいなあと感嘆したものです。
  先生からにじみ出る人格とか、優しさ・思いやりといったものは、子どもの方が見る目があってごまかせないです。
 学校の先生は、まず己の生き方を律して、生徒から尊敬してもらえるような存在にならないといけません。その努力を怠って、どうしたら子どもを真っすぐ育てられるか、こういうアプローチの仕方はどうかなんて考えても、小手先だとすぐ見抜かれます。
 教育とは先生のやっていることを生徒に真似してもらうことに他なりません。先生方は礼儀や礼節を守り、約束や時間を守るといった、人としての基本的な部分を正していくこと。歩き方や座り方、話し方、ご飯の食べ方、そういうところからも人格はにじみ出てきます。生徒から一挙手一投足を見られているという自覚をもって、先生方には頑張ってもらいたい。
                   教育出版 Educo ほっとな出会いから

 自分が若いころ、中条建太郎先生という国語教育で有名な先生がいた。その先生が算数の授業を公開するというので参観したことがあった。国語の先生は、何をやっても上手いと感嘆した。当然、学級経営も見事だ。
 ある校長が、特別支援を任せられる教員がいないと嘆いていた。特別支援教育に精通していないと特支担当にはなれないというものではないだろう。中条先生が特支を担当したら、きっと素晴らしい実践を残したはずに違いない。教育とはそういうものだと思う。


2024年5月10日金曜日

花だより 食器は紙皿 スズラン

 

 ~お母さんの品格~
「清々(すがすが)しさって何ですか?」
「品格」とは、気取った話し方やすました態度のことをいうのではなくて、稟とした清々しい心の持ちようなのだということです。
 保育歴10年目のまだ若い保育教諭が「今のお母さんの考え方に付いていけなくなりました。‘’食事の時は、食器を洗うのは面倒なのでキャンプで使うような紙の皿を使う。食べ終わったらごみ箱に捨てるだけ、時短にもなるし、100円ショップで買うと経済的だから‘’と言うのです。これにどう返答したらよいか考えこんでしまった。‘’と言うのです・
 「品格」のない若いお母さんたちをあちこちで見かけるようになりました。スーパーマーケットで売られているぶどうを一粒とって、そのまま口に入れた子どもがいました。その様子を見ていたお母さんがこう言ったそうです。「ダメ。洗っていないから汚いでしょ!」
そばにいた店員が見かねて「そんなことされたら困ります。」と注意をすると「食べられて困るなら、きちんとラップして売って下さい。」と食ってかかったといいます。
 なんとも殺伐とした光景ですが、最近こんなお母さんがわりとたくさんいるようです。
「自分の子どもは悪くない。悪いのは周りの人たち」という理屈にならない理屈をふりまわして、子どもをかばっているお母さんたちです。
 未熟な精神状態のまま大人になってしまった人たちが、はたしてこの国を支えていけるかと考えると不安になります。マナーを身に付けない、そして、ルールを守れない子ども、わがまま放題で自由をはき違えた子どもが再生産されていくことになります。
 「品格」のある人間とは、しっかりとしたマナーを身に付け、きちんとルールを守れる人をいいます。人に対する優しい気持ちや世の中のルールを教えられるのは家庭しかありません。それを子どもに身に付けさせるのが「しつけ」なのです。学校は、家庭でしっかりしたしつけがなされていることを前提にして運営されているのです。やっていいことと悪いことの区別を教えられるのは何をおいても家庭なのだということを是非わかっていただきたい。
                     「母の品格か」多胡 輝著から一部引用
春の知床連山

2024年5月9日木曜日

花だより 手書き学習の効果は見直されつつある ナデシコ

 

   手書き文字文化
 文化庁が実施した「国語に関する世論調査」(h26)には、「文字を手書きする習慣は、これからの時代においても大切にすべきであるか」という設問に91.5%の人が「大切にすべきである」と回答しました。また、年賀状やあいさつ状などのついて、「手書きされたものや手書きが一言加えられたものがよい」と87.6%の人が回答しています。手書き文字の習慣や価値は、多くの人々に支持されているといえるでしょう。
 しかし、コロナ禍以降はデジタル化の波が押し寄せ、文字を手書きする機会は急速に減っています。文字を手で書くことの教育や文化は縮小し、失われてしまうのでしょうか?
 手書き学習の効果は見直されつつある
 文字を手で書くことの学習効果は、様々な方面から見直しされつつあります。むしろデジタル化が進んでいると思われている海外で、その研究は進んでいます。有名なモノのとして、ミューラー&オッペンハイマーの「ペンはキーボードより強し」という挑発的なタイトルの研究があります。ノートパソコンでメモしながら視聴する人と、紙にペンでメモしながら視聴する人に分けて、被験者に映像教材を学習させました。学習内容をテストすると、紙とペンでメモした人たちの成績が優位だったのです。
 また、最近の京都大学の研究グループは、漢字書字力と文章作成能力との関連性について明らかにしました。漢字の意味を理解すること自体よりも、漢字を手書きに習熟することの方が、文章作成能力に影響を与えるというのです。この研究は「手書きに基づく読み書き教育を今後続けていくことが、これからの世代の高度な言語能力の発達のために有益であること」を示唆しています。
 このように、特に記憶に関わる側面で、デジタル入力よりも手書きすることに学習効果があり、言葉を表現する力にも影響があることが確かめられています。教育現場では、その効果も意識しつつ、場合に応じたデジタルデバイスの使用を心がける必要があるでしょう。
                    鎌倉女子大学短期大学部 准教授 杉山勇人



2024年5月8日水曜日

花だより ネット予約と人間性の成熟 ゼラニウム

 




  ネット予約 テレビCM:「一番安いホテルを一発で検索」そんな時代になった。
  宿泊代が高騰している中、このサービスはありがたいのだが…

 予約サイトを開けば、深夜や早朝でも空室が確認でき予約も可能、ネット限定割引プランで宿泊できたり、口コミで評判を知ることができるようになり、予約サイトはガイドブックよりも手軽で便利な道具として定着した。しかも、同じホテルでも料金が違うことをテレビCMで初めて知った。
 宿泊施設側にとっても、混み合う時間帯の電話対応業務が軽減され、広告効果も期待できることから利便性の向上につながっている。しかし、ネット環境の充実は、必ずしもいいことばかりではないようだ。電話で予約を受けていた頃は、口調や言葉遣いでお客さんがどんな人物か、ある程度つかめたけれど、今は「来てみないとわからない」と嘆く。
 さらに、同じ日に数カ所のホテルに予約を入れ、キャンセル料が発生しないギリギリの時期になって、行くホテルを決め、他はすべてキャンセルするというホテル泣かせの客もいるという。
 どんなしつけや教育を受けたら、これほど身勝手な人間になれるのだろうか、彼らには自分がしたことでホテルや泊まりたくても泊まれなかった人たちにどれだけ迷惑をかけたか想像できないだろう。たとえ想像できたとしても自分さえよければそれでいいのか、憤りを感じる。
 ネット予約は便利で効率的なシステムだが、顔を合わせることなく、何度かクリックするだけで簡単に予約したり、キャンセルができてしまう。それだけにネットを使った生活には、今まで以上の人間性の成熟(道徳性)が必要である。
 これからネット社会はますます進化し、さらに便利になり、子どもたちは、その使い方は教えなくても覚えるだろう。教育が果たす役割は、道徳をしっかり教え人間性の成熟を図ることだ。

2024年5月7日火曜日

花だより 今年も全国学力状況調査が行われたが クリンソウ

 


 
今年も全国学力状況調査が行われたが、結果はどうか?
 自己採点をした校長は、「今年は昨年より少しいいかな、その学年によって学力差がある。」と言った。
 道教育の『2014年度までに道全体で全国平均以上』は高い目標だった。未だに達成されていない。全国学力テストは07年度、43年ぶりに復活して以来、北海道はほとんどの教科で40番台と下位に低迷している。「笛吹けど踊らず」状態が依然と続いている。
 同様に40番台だった秋田県は近年、全国トップレベルを維持している。10年以上にわたって県独自の学力調査を実施して授業改善に取り組み、生活習慣の指導も行き渡っている点が特徴だ。秋田県が伸びた原因は「早寝、早起き、朝ごはん」の徹底だった。基本的な生活習慣が身に付けば、自ずと学力は上がるということだ。
 全国どの地域でも一定水準の教育が受けられるという義務教育の趣旨を踏まえ、道教委として「全国平均以上」を目標とするのを責務とするのは当然のことだ。家庭学習の時間や、朝食を食べる子どもの割合などを全国や秋田県と細かく比較・分析した報告書をまとめ、改善を求めている。ほかにも、教員研修の充実や家庭学習の推進など様々な対策を打ち出しているがなかなか成果は表れていない。現場の意識が足りないのか? 先生が本気にならなければ、保護者の関心は高まらない。 

2024年5月6日月曜日

花だより 自然にリセットボタンはない タンポポ 桜公園

 

~「実体験」で子どもを育てる~
 「江戸時代、海を航海する千石船は、万一の漂流に備えて、できるだけ大量の飲み水を貯えていた 。」と説明したら、突然一人の子どもが「海には水がいっぱいあるのに、どうして?」と質問してきて唖然!!とした。
 「海水が飲めると思っているの?」「えっ!飲めないの?」「君は海で泳いだことがないのかい?」「ない。」一度でも海で泳いだ経験があれば、海水が飲めないことくらい身にしみて知っているはず。この子どもには海の実体験が欠けている。
 海が教えてくれる自然の多様さ、対峙して生きる人間の知恵の豊かさをこの子どもに伝えるものがいない。これが日本の子どもたちの現実なのです。
             鳥羽・海の博物館 館長 石原 義剛氏の言葉です。
 火起こしの体験学習では、火を掴もうとする子もいます。家には火が出る調理器具がないからです。学校の理科の実験では、アルコールランプが姿を消しました。「お風呂は、上は熱くても下は冷たいから、かき混ぜる」と言っても通じません。
 「先生、そのときはこっちのボタンを押して、こうやったらうまくクリアーするんだよ。先生なのにゲームのことは何にも知らないんだなあ~。失敗したら、リセットボタンをクリックすればいいんだよ!」
 今の子は、別な実体験は豊富に積んでいます。しかし、自然から学ぶときは、実際に触れてみて、ちょっと痛い目に合わないと分かりません。連休は、自然体験の絶好の機会です。自然にはリセットボタンはありませんから・・・。 

    
              連休中の農作業↑ 訓子府の桜公園↓
     

2024年5月5日日曜日

花だより 元気よすぎた鯉のぼり シャクナゲ

 

 GW 元気よすぎた鯉のぼり 
 グラウンドで遊んでいた子が、「校長先生、鯉が逃げた!」と知らせに来てくれました。あわててワイヤーをゆるめましたが、時すでに遅く、続いて2匹、大空に飛んでいきました。
 「鯉のぼりは、“鯉が滝をのぼるように、元気な子どもになって欲しい。”からあげるんだよ。飛んで行くくらい、元気がいい。ということでいいんじゃない。」
 「子どもの数が43年連続で減少 少子化に歯止めがかからない現状」(5月5日の読売新聞の一面から) デジタル技術の進展で社会は大きく変化している。そんな時代を生き抜いていかなければならない子どもたちである。夢と希望のある未来のために、子どもたちには大きな夢を持ってもらいたい。
 夢を持つと人は強くなる
 《こどもの日》 ~子どもの夢や希望に耳を傾け励ます~
 お誕生会で園児に「大きくなったら何になりたいですか?」と質問すると、多いのが男子は、消防士、女子は、ケーキ屋さんです。
 今の子どもは冷めている。将来の夢や希望を持たず、難しい目標はチャレンジする前にあきらめてしまう。「将来の夢は、公務員になって、退職したら年金でのんびり暮らす。」と応えた子がいましたが、今の子どもたちが年金をもらう頃、年金制度がどうなっているかわかりません。しかし、子どもは子どもなりに夢や希望を持っています。どんなに小さく、どんなに変に思えるものでも、その夢や希望に耳を傾けることです。
 大谷翔平選手の活躍で、野球選手になりたいという子が増えました。自分の経験や長い間にわたって苦労して夢を実現した人々の生き方などを折に触れて話してやることが大事です。そして、人生の目標は汗を流し、失敗を重ねながら達成していくものだと、励まし、あたたかく見守ることです。「オリンピック選手になるんだ!」「アイドル歌手になりたい」と言っても「そんな夢みたいな話するんじゃない!」と言わないことです。「月に行きたい」という夢を持ったから、現在の宇宙開発があります。どうせ持つなら、大きな夢を!