~お母さんの品格~
「清々(すがすが)しさって何ですか?」
「品格」とは、気取った話し方やすました態度のことをいうのではなくて、稟とした清々しい心の持ちようなのだということです。
保育歴10年目のまだ若い保育教諭が「今のお母さんの考え方に付いていけなくなりました。‘’食事の時は、食器を洗うのは面倒なのでキャンプで使うような紙の皿を使う。食べ終わったらごみ箱に捨てるだけ、時短にもなるし、100円ショップで買うと経済的だから‘’と言うのです。これにどう返答したらよいか考えこんでしまった。‘’と言うのです・
「品格」のない若いお母さんたちをあちこちで見かけるようになりました。スーパーマーケットで売られているぶどうを一粒とって、そのまま口に入れた子どもがいました。その様子を見ていたお母さんがこう言ったそうです。「ダメ。洗っていないから汚いでしょ!」
そばにいた店員が見かねて「そんなことされたら困ります。」と注意をすると「食べられて困るなら、きちんとラップして売って下さい。」と食ってかかったといいます。
なんとも殺伐とした光景ですが、最近こんなお母さんがわりとたくさんいるようです。
「自分の子どもは悪くない。悪いのは周りの人たち」という理屈にならない理屈をふりまわして、子どもをかばっているお母さんたちです。
未熟な精神状態のまま大人になってしまった人たちが、はたしてこの国を支えていけるかと考えると不安になります。マナーを身に付けない、そして、ルールを守れない子ども、わがまま放題で自由をはき違えた子どもが再生産されていくことになります。
「品格」のある人間とは、しっかりとしたマナーを身に付け、きちんとルールを守れる人をいいます。人に対する優しい気持ちや世の中のルールを教えられるのは家庭しかありません。それを子どもに身に付けさせるのが「しつけ」なのです。学校は、家庭でしっかりしたしつけがなされていることを前提にして運営されているのです。やっていいことと悪いことの区別を教えられるのは何をおいても家庭なのだということを是非わかっていただきたい。
「母の品格か」多胡 輝著から一部引用
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