「お母さんのふしぎな力」
親には「直接的な育児能力」(本能的に子どもを育てる力)があります。お母さんは赤ちゃんが幸せな気持ちで興味が湧くように、明るく優しいリズムや調子を選んであやしたりします。これは知識で教えられるものではなく、自分が幼い頃に愛された体験を親になると自然に湧いてくるものです。直接的育児能力は、未開発国に豊かに見られますが、高度に発達した文明社会の母親は、頭でっかちになってダメになると言われています。
戦後のベビーブームに生まれた世代の母親は、洗濯機もなく、素手でせっせと家事と育児をこなしていました。子どもの病気も多く、真心と祈りだけがよりどころのその頃、おそらく直接的育児能力は豊かだったのでしょう。
日本は世界最低の乳児死亡率と最高の平均寿命を誇りながら、子どもたちはかつてなく苦しんでいます。いじめ、不登校、自殺。仲間と心ゆくまで遊びながら自然に鍛え合う、幸せな子どもの発達環境が破壊されているのです。
しかし、不思議なことに、どんなひどい心の傷を負い絶望している子でも、お母さんが真心をこめてわが子を理解するようになると、水を得た魚のように蘇るのです。お母さんには、子どもの心を癒す不思議な力があります。
子どもが健やかに育つためには、親が心身健康でなければなりません。教師は、保護者に「寄り添う」とは、お母さんが持っている直接的な育児能力を磨いてあげることです。
訓子府の畑と大雪山山系
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