毎年、冬休みが始まって間もない日、朝起きると裏玄関で祖父母が餅をついていた記憶があります。私は6歳、母は30歳、祖母は54歳、3代干支が同じなのですぐ年齢が分かります。我家のもちつきは自分が中学生になる頃まで続きました。
母は一人娘で父は婿養子でした。もちつきの「返し」は祖母が専門で行い、母はその経験がほとんどありません。そんな母は、もちつきの「返し」をすることなく87歳で亡くなりました。
「もちつきは、杵でつくより、返しの方が難しい。熱さに耐え、水を付けるのは最小限にして、手の感覚でつき具合を判断する。大事なのはじいさんとの呼吸かな?何升もついた中で、一番いい餅で鏡餅をつくるんだよ。」祖母がそう言っていたのを覚えています。国語の教科書に「かさこじぞう」があります。貧乏なおじいさんとおばあさんは、もちつきのまねごとをする場面を思い出します。
「もちつきは、杵でつくより、返しの方が難しい。熱さに耐え、水を付けるのは最小限にして、手の感覚でつき具合を判断する。大事なのはじいさんとの呼吸かな?何升もついた中で、一番いい餅で鏡餅をつくるんだよ。」祖母がそう言っていたのを覚えています。国語の教科書に「かさこじぞう」があります。貧乏なおじいさんとおばあさんは、もちつきのまねごとをする場面を思い出します。
どの家庭でも行われていた歳の瀬のもちつきが、いつの間にか姿を消して、学校行事で行われるようになりました。もちつき会をするので、保護者の参加を呼びかけたら、「私は全く経験がないので、ひいばちゃんが行きます。」と言われたことがあります。もちつきのノウハウを知っているのは、その世代なのです。そして、臼と杵の調達にも苦労しました。農家の物置に眠っていたのを寄付していただいたのですが、長年使われていなくひび割れがひどくなっていました。我家の餅つきも臼がダメになって、誰でも簡単に作れる餅つき機にいつの間にか替わっていました。園のもちつきもそろそろ考え時です。新品のケヤキの臼は10万円以上します。「昔は、自分で掘って作ったもんだ。」とじいちゃんが言っていました。もちつきは、夫婦の絆を示すものでした。
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