「園長さん、中央公園に二宮金次郎像があるのを知っていますか?」と町のお年寄りから聞かれました。戦時中に金属を提供するため、一度は取り壊しされたそうです。
それが戦後間もなく町民の有志により再建されたものだと伺いました。
さっそく翌日、見に行きました。とても立派な台座に二宮金次郎像が堂々と建っていました。町民の方でもその存在を知らない人が多いようです。
二宮金次郎は、江戸時代後期の農政家で、報徳思想を唱え、農村復興政策を指導しました。報徳思想は「至誠」「勤労」「分度」「推譲」を基本とし、ききんや災害などで困っていた藩や郡村を復興に努力しました。
二宮金次郎像は、全国の小学校に設置されていましたが、老朽化や学校立て直しなどの理由で撤去される例が増えています。撤去の背景には、次のような理由が挙げられます。
・児童の教育方針にそぐわない
・子どもが働く姿を勧めることはできない
・戦時教育の名残という指摘
・「歩いて本を読むのは危険」という保護者の声
今の教育にそぐわないものを排除するというのは、どうかと思います。
日本の歴史の中で、間違いなく庶民、農民のために尽くした人物です。小さいころから勉学に励んだのも事実です。台座には「以徳報徳」と刻まれていました。
「以徳報徳」とは、二宮金次郎が大切にしていた言葉で、「徳をもって、徳に報いる」つまり「よいことをしてもらったら、よいことを返していく」という意味だそうです。
訓子府のお年寄りから、いいことを教わりました。何かよいことをして、お返しできればと思います。
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