お盆にお墓参りに行くと、思い出す教え子がいます。H君です。
高校卒業時にやってきました。てっきり卒業の報告かと思ったら、
「先生、オレさ、車の免許、一発合格したさ!」
正直驚きました。テストはいつも50点以下だったからです。
「へえ~、すごいじゃないか、よく頑張ったな!」
「めっちゃ、勉強したさ!」
無口な子でした。こんなに生き生きとしゃべる姿を初めて見ました。
卒業後は石材店に勤めました。お墓を新しくすることになり、Hに頼むことにしました。
「先生が字を書いてくれたら、オレがその通りに彫るからさ、任せてよ!」
親方に聞くと、「口数は少ないが、まじめで、筋がいい!いい子に来てもらった。」とたいそう喜んでいました。
「先生、できたよ!」と報告に来てくれました。
墓標には(禅語)「心清寿自長」(心が清らかであれば、自然と寿命も長くなる。単に長生きを願うだけでなく、心の状態が大事という意味)と書かれた立派な墓ができあがりました。
「先生、オレさ、やっぱり車が好きなんだ。だから辞めて、愛知に行くことにした。先生の墓が最後さ。」
「やりたいことをやるのが一番だよ。がんばれ!でも、親方はがっかりしただろ?」
能力が低いと思い込み、やる気スイッチを入れてやることができなかった教師としての自分を恥じました。今年も先祖の霊に手を合わせながら、H君のことを思い出しました。教師として大事なことを彼から教わったのです。

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