2023年5月8日月曜日

花だより 保幼小連携(2) クリンソウ

 


 (つづき)本来の自由保育で育った子どもたちに対して、小学校の対応ぶりが、そういった経験を引き継ぎ、さらに発展させられるような水準なり質のものになっているだろうか?

 1年生に対して従前からの不当な「子ども扱い」を無頓着に続けたならば、子どもは物足りなさや不満を募らせついに逃避や攻撃に転じるかもしれない。それは、かつての小1プロブレムとは全く異なる出来事であると小学校教員は誤認してしまう可能性がある。
 小学校入門期から低学年までの授業の在り方を、今や劇的に変えるべきではないか。今後における保幼少連携の課題は、幼児期までに培われた学びや育ちを正当に評価し、その豊かな土壌こそ土台にして、さらに小学校ならではの高みを目指す点にある。「手はお膝」「口にチャック」と言ったそもそも人権侵害的で時代錯誤的規律訓練は、無駄である。
 今回紹介した奈須教授もそうだが幼児教育に関して、生活・総合関連の先生が多い。生活科は、小学校教育、特に低学年の学習を大きく変えるという発想から生まれたものだから、当然だろう。生活科の誕生と自由保育は、ほぼ同時期に始まった。20年以上も経過しているが、まだまだ課題は多い。自由という概念は、哲学的な議論な歴史的事実が示す通り、とっつきやすい外見とは裏腹に、正確な理解や適切な行使が極めて困難な概念はない。つまり、それを理解する教師の力量が問われている気がする。

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