夏休みの宿題「あさがおの観察」
生活科といえば「あさがお」、「あさがお」といえば「夏休みの宿題」
夏休み直前、児童玄関前に「あさがお」の鉢(あさがおセット)が並べられます。保護者が後で取りに来るのです。2~3日で無くなるかと思ったら、1週間経っても持ち主が現れないかわいそうなあさがおもあります。
「あさがお」は生活科の前の理科の時代からある教材です。なぜ数ある植物の中から「あさがお」なのか? 知らずに育てている教材研究が不十分な先生が多いのではないかと思います。
特殊な植物で観察するには打ってつけ
まず特徴的なのが、芽(双葉)が大きく切れ込みが入っている。本葉は、とんぼ葉といってこれも他の植物の葉とは違う。何より、ツルが伸びて生長していく。右巻きか左巻きか? なぜ午後になるとしぼんでしまうのか? 生長がはやく、次から次へと花をつけるので、毎朝の観察が楽しみになる。支柱の太さも、どれくらいのが丁度よいのか、いろいろ試してみることができる。わくわく、どきどきする教材なのです。
夏休みが終わって、「あさがお」が学校に戻ってくると、セットの支柱の高さより伸びて、高い棒を加えたものもあります。ところが、4つの支柱の途中に横の支えが3つあります。伸びたツルを外して、途中の支え(横)に巻いてやると棒を足さなくて丁度よくなります。いろいろな支柱の太さを試してみましたが、あさがおセットの支柱が一番なのです。どうして「あさがお」なのか、そのポテンシャルの高さを感じることができます。「どうして、朝しか咲かないの?」「どうしてツルで伸びるの?」「支柱がないとどうなるの?」「タネができたら、どうして葉っぱが枯れるの?」「どうして?」がたくさん生まれるのです。「どうして?」を引き出すのが、このあさがおの観察のねらいです。
しかし、「あさがお」だけを栽培しただけでは、なかなか気づかないことがあります。ひまわりやミニトマトなどの野菜、花壇の花と一緒に観察しないとその特徴は分からない、気が付かないのです。
「あさがお」の観察日記を夏休み明けに提出しなければなりません。「あさがお」だか何だかわからない花の絵に「今日、花がさきました。」の一文、こんなのがほとんどです。観察日記のかき方も夏休み前に指導しておかなければなりません。教師の適切な支援がなければ、この学習は成立しないのです。
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