2018年7月23日月曜日
花だより ハス 親の離婚が子どもに与える影響
~親の離婚がどんなふうに子どもの不調や不適応に結びつくか
カギは親の「自己分化度」~
これまでの調査では、親が離婚の事情をきちんと子どもに伝えたか、父と母のどちらと暮らしたいかについて子どもの意向を尊重したか、子どもたちが別居親との面会を続けているかどうかなどは、離婚後の子どもの成長(悪影響)には、あまり関係がないというのです。
大きな影響を及ぼすのは、親の「自己分化度」(自分の心の中の感情的な部分と、理性的な部分をバランスよく分化させて機能させることができる能力や程度)だというのです。
自己分化度が低いと、自分の感情、特に不快な感情(離婚時の)に強く引きずられた言動や態度を取りがちになります。自分の感情を晴らしたり、何とかしようとするために、相手の気持ちを無視して、周囲の人に当たったり、責めたり、身近な人の優しさや気遣いを踏みにじったりするようになるのです。
さらに子どもが健気に寂しさや不自由さに耐え、親を気遣い、頑張って日々過ごしているのに、それを分かってあげたり、ねぎらったりすることができず、それどころか、自分の苦しさや不快感のあまり、そんな子どもに不機嫌に接したり、些細なことで責めたり、子どもの犠牲を当然のことと思ってしまったり、別れた相手の愚痴を聴かせ続けたり、極端な場合になると、苦情や文句を直接言いに行かせたり、復習や嫌がらせのようなことを子どもにさせたりします。こうした親の離婚の悪影響が深刻化し、結果として子どもに長期的なダメージを与えていくのです。
逆に離婚したとしても、親の自己分化度が高いと、悪影響を最小限に止め、子どもの自立性や成熟性、社会性、その後の家族との一体感や連帯感が強まるようになるのです。
駒沢大学教授 藤田博康著「親の離婚を経験した子どもたちのレジリエンス」より
離婚率が高まり、「バツ1」、「バツ2」と平気で公言する世の中になりました。「離婚をするな!」とは言いません。顔も見たくない相手とずっと連れ添うよりも、スパッと別れて早い時期に人生をやり直す選択も有りです。離婚は親の勝手です。しかし、片親で育てる勇気と責任を持ってもらいたいものです。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
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