2018年7月27日金曜日

花だより フデリンドウ 新国立競技場建設白紙!

 

 新国立競技場建設白紙!
     読売新聞 「編集手帳」より 平成27年7月18日
~露店で古い鉄砲を売っている。通りかかった客が道具屋に値段を聞いた。「この鉄砲は何ぼだ?」「一本です。」「いや代はいくらだ?」「台は樫です。」「いや金(かね)は?」「鉄です。」「値をきいているのだ?」「音(ね)はズドン」
 無駄遣いをしたくない客が値段を知りたいのに、会話はいっこうに噛み合わない。落語『道具屋』である。なにやら新国立競技場の工費に無頓着な関係者と、それに苛立つ国民感情の食い違いに似て無くもない。支持率が下がり気味の首相には、現行計画の“値”に不満を募らす世間の声が「音はズドン」、政権の心臓部に命中しかねない一発と聞こえたのだろう。見直しは当然ながら、遅きに失した感もぬぐえない。~
 後世に遺産(レガシー)として残せるものとして、斬新なデザインと機能性を兼ね備えたTOKYOオリンピックの象徴のはずだったのですが、見通しの甘さから国民から非難を浴びてしまいました。
《似たようなことは学校の校舎にも》
 K町の元H小学校は、地域住民の要望を取り入れ天文台のある校舎として、一時脚光を浴びましたが、ほとんど使われることなく、今は菓子工場になっています。また、K市のW小学校は、小鳥が羽を広げた形をした斬新なデザインの校舎で、車で走っていると畑の中に忽然と現れるので、「ここは何ですか?」と旅行者が立ち寄ることがありました。目を引くことはよいのですが、デザイナーは本州の人で、厳しい北国の冬のことを考えていなかったらしく、校舎北側には大きなつららができ、毎年、氷瀑まつり状態になります。 床暖房も経費削減で使われなくなり、FFストーブの排気口が雪に埋もれないように用務員さんは、雪が降る度に校舎ぐるっと除雪しなければならない状態でした。
 北小の校舎のことは、現役なので語ることは避けますが、「ここはどうやって掃除をするのか?」と頭をひねるところが何カ所かある。建物(特に校舎)のデザイン重視はよくない。さまざまな校舎を見てきて感じることである。家は3軒建てないと満足のいく家にはならないと言います。しかし、そんな財力のある人は少ないでしょう。
《デザイナーと建築家は違う》 テレビ番組「ビフォー・アフター」で感心するのは、経験と熟練から、住む人のことを優先する匠の技です。
 論語に“孔子先生が言うには、言葉巧みにおべんちゃらを言ったり、外見の体裁やファッションだけにこだわるような人は、本当の仁とはほど遠い者だ。” とあります。教訓にしたいものです。

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