~苛立ちの時代~
小さい子どもから高齢者まで、いつもイライラしています。その理由に、マナーの悪さ、モラルの低さにあります。モラルの低さは学校とか子どもとかでなく、日本国中に蔓延しています。それが苛立ちを起こさせている一つの原因です。モラルの低さに対して、規範意識の低下があります。規範意識がなくなったというよりも、頼るべき規範が見えない。ということではないかと思います。
平成17年に「義務教育に関する意識調査」を文部科学省が行いました。「学校で何を学びたいか」と、子どもたちに聞いたアンケートで、第1位が「善いことと悪いことの区別を教えてほしい。」でした。2番目が「人間関係の作り方を教えてほしい。」4番目に「勉強を教えてほしい。」でした。
なぜこうした結果になったのか。子どもたちは今の大人が善悪の判断を自分の好みでやっていると思っているからです。自分のやっていることが「善い」であって、他人は関係ない。みんな違ってそれで良い。私はこう思う、それが善であるということです。これは自分自身で主体的に判断するという意味では大事なことですが、対話というのは、「あなたは、どうですか」から始まらなければならないのです。ところが対話がないまま決めてしまっているから、その様子を子どもたちが見て、何が善で何が悪なのか分からないという状態にあるのではないか思います。 横山利弘(元文部科学省道徳調査官)の講演より
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