2021年3月5日金曜日

花だより 「デジタル教科書を問う」 慎重論が多い中で 木五倍子

 

 「デジタル教科書を問う」 慎重論が多い中で
 昭和35年、我が家に初めてテレビが入った。父から「一日1時間、それ以上見ると目が悪くなって、バカになる。本を読め!」と言われたことを覚えている。しかし、そんなことを守るはずがなかった。
 以前も書いたが、日曜日の朝、「兼高かおる世界の旅」を観るのが楽しみだった。世界観を変えたテレビ番組だった。毎日のように「テレビばっかり見てるんじゃない!」と𠮟られた。時代が変わって、テレビゲームが普及すると、また同じことを親は子どもに言った。マンガばかり読んでいてもそうだった。しかし、クイズの東大王は、子どもの頃テレビゲームを夢中になり、日本史は、「漫画日本の歴史」で学んだという。
 ワープロで打った文章を、一度プリントアウトして推敲することが多い。我々の年代は、それに慣れているからで、若い人たちは、そんなことはしない。打つのも速いし、文章の構成の仕方も手書きとは違って、挿入、切り取り、訂正が簡単にできる。頭を使わないわけではない、むしろ手書きでは使わない字や言葉も使ので、頭を使うような気がする。
 導入にあたっての慎重な議論には意義はない。反対意見ばかりではないはずだ。


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