先進国の5割の成人が「問題文が読めない」という現実
(橘 玲/週刊文春 2019年2月14日号)続き
PIAACでは移民出身者のスコアも計測しており、言語的背景が異なる移民のスキルは顕著に低く、とりわけ北欧で(もともと得点の高い)主流派白人との差が大きく開いている。この「スキル格差」が移民出身者の失業率を高くし、生活保護に依存せざるを得なくさせ、その結果、世界でもっともリベラルな国で排外主義的な政党が台頭することになったのだろう。
人生100年時代を迎え、AIに負けないよう生涯学習すべきだという話になっている。だが日本人の3割、先進国の5割、そしておそらく世界全体ではそれよりずっと多い成人が、問題の解き方がわからないのではなく、問題文が読めない。この現実に対して教育はどこまで有効なのか。
生得的な知能のちがいに触れることは、これまでずっとタブーとされてきた。だがもはや、知識社会の矛盾を知能の分布を無視して語ることは不可能になっている。
ポピュリズムに翻弄される欧米を先導役として、私たち日本人も早晩、この「残酷な世界」の現実を突きつけられることになるだろう。
🤷♂️過日、保育教諭の採用試験が行われた。一般教養試験は、業者テストが用いられた。前日までに送られてきた問題用紙を見ると、時事問題から中学卒業程度の国語、社会(歴史、地理、政治経済)、理科(物理、化学、生物、気象など)、数学、英語(長文読解)まで幅広い、解答時間は2時間、問題文が読めなければ、話にならない。他に専門分野のペーパー試験、実技試験(ピアノ、読み聞かせ、ダンス)、作文と町長、教育長等による面接がある。保育教諭になるのは容易ではない。
0 件のコメント:
コメントを投稿