OECDによる国際調査で「先進国の成人の半分が簡単な文章を読めない」という衝撃の結果が明らかになった。人間社会のタブーを暴いた 『もっと言ってはいけない』 の著者は、知能格差が経済格差に直結する。知識社会が、いま直面しつつある危機に警鐘を鳴らす。
(橘 玲/週刊文春 2019年2月14日号)牧野要約
(橘 玲/週刊文春 2019年2月14日号)牧野要約
「国際成人力調査」の結果概要
(1)日本人のおよそ3分の1は日本語が読めない。
(2)日本人の3分の1以上が小学校3~4年生以下の数的思考力しかない。
(3)パソコンを使った基本的な仕事ができる日本人は1割以下しかいない。
(4)65歳以下の日本の労働力人口のうち、3人に1人がそもそもパソコンを使えない。
ほとんどのひとは、これをなにかの冗談だと思うだろう。だが、これは事実だ。
先進国の学習到達度調査PISAはその順位が大きく報じられることもあってよく知られているが、PIAAC(ピアック)はその大人版で、16歳から65歳の成人を対象として、仕事に必要な「読解力」「数的思考力」「ITを活用した問題解決能力(ITスキル)」を測定する国際調査だ。OECD(経済協力開発機構)加盟の先進国を中心に24カ国・地域の約15万7000人を対象に実施され、日本では「国際成人力調査」として2013年にその結果の概要がまとめられた。しかし、これでも日本の成績は、世界のトップレベルだというのだから驚きだ。
アメリカの7割程度しかない日本の労働生産性
知識社会では知的な職業スキルが高いほど生産性が高くなるはずですが、日本の労働生産性は主要先進7カ国で最低で、アメリカの7割程度しかありません。その理由を高い能力が仕事で活かされていないからだとしています。
男女の社会的な性差を示すジェンダーギャップ指数で日本は世界最底の110位です。女性のスキルを活用できていないことが男女の収入の大きな差につながっているのも原因の一つです。
日本人は、知的には優秀でも能力を無駄にしている
日本人は確かに知的には優秀かもしれませんが、その能力を無駄にしているという残念な現実があります。それは日本人の働き方が間違っているからであり、さらにいえば、日本社会の仕組みの大きな欠陥だと指摘しています。
🤷♂️ハンカチ王子斎藤佑樹投手が引退して、NHKの番組「クローズアップ現代」に登場しました。肩を壊した後、復活を信じて毎日200球近い投げ込みを繰り返し、今度は肘を痛めてしまい、最後の登板の速球は130㎞がやっとでした。
メジャーリーグで今年二刀流で大活躍した大谷翔平選手の普段の打撃練習は、わずか15分、屋外だとマスコミがいて集中できないため、室内でスイングをチェックするだけ。投球練習も100球以上投げることはありません。メジャーでの練習方法は、コーチと相談して各自がそれぞれで決めるそうです。このことからも日米の考え方の違いがわかります。
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