2023年12月30日土曜日

花だより 滑らない靴 ベニベンケイソウ

 

 ショッピングモールのシューズショップの店頭に氷が置かれていた。今流行りの滑らない靴底の体験ができるという。
 妻が昨冬、滑って転んで手首を骨折したこともあって、靴底にスパイクピンを打った。ところが、病院などに入るとかえって滑るし、嫌われてしまう。これはと思って、片足だけ履いて、氷の上に両足で立った。‘’これはすごい、確かに滑らない!‘’
すかさず店員が、「特殊な繊維が使われていて、他のメーカーよりも滑らないです。凍った路面では効果はありますが、アスファルトの上を歩くと減るのが早いし、雪道なら、今までの靴底でも大丈夫、その状況に合わせて靴を選んでいただければいいです。」と親切に説明してくれた。確かにいいと思ったが、他の冬靴に比べると値段もよかったので、その場での購入を躊躇った。
 外に出ると、凍った路面が少しあった。ゆっくりペンギン歩きでその場を凌いだ。冬道の歩き方は、北国に住む者なら、身体に染みついていると思っているのだが…。
 今は安全装置がフル装備の車に乗っている。ハンドルも暖かくなる。他の車には、怖くてもう乗れない。歳をとると安全第一、気を付けて歩いていても転ぶときはある。ボーナスも入ったことだし、滑らない靴を買うことにしよう。

2023年12月29日金曜日

花だより なわとび(調整力) ナンテン

 

 「なわとび」
 自分のからだを思い通りに動かす「調整力」はなぜ重要なのか? 
 こども園は、冬の体力作りで、4歳児が縄跳びをしています。100回以上も跳び続ける子もいれば、1回も跳べない子がいます。
 人間は考えながら動くとき、まず眼や耳から入った情報が中枢で処理されて、どのように動けばいいのかという命令が筋肉に伝えられ、はじめて動作となって現れます。一見容易にみえる動作においても、常に強さ、方向、速さ、タイミング、持続時間などが的確に作動するよう処理されているのです。このようなことを何度か繰り返すうちに、その動作がプログラムとして記憶され、あまり考えなくても思い通りに動けるようになります。まだ3歳児だとその調整力が育っていないのですが、4歳から5歳になると調整力がついてきます。
 調整力が衰えていると自分のからだを上手にコントロールすることが難しくなり事故や怪我につながりやすくなります。この調整力を高めるには、縄跳びが効果的だと言われています。
「どれどれ貸してみなさい。園長先生が見本を見せてあげる。」 やってみると3回くらいでひっかかってしまいました。老化現象が始まっているようです。

2023年12月28日木曜日

花だより 人生を変えたテレビ番組との出会い アオキ

 

 「人生を変えた1冊の本との出会い」をいうが、「人生を変えたテレビ番組との出会い」というのもあると思います。私たちの年代はテレビと一緒に育ちました。世の中の出来事、オリンピック中継、ディズニーの漫画、映画、お笑い、クイズなど、全てテレビを通して情報を得ました。まさにテレビっ子でした。子どもの頃、夢中になって見ていたのが、「兼高かおる世界の旅」(日曜日の朝)という世界の国々を紹介する番組でした。この番組を知っているのは、もう相当上の年齢です。そんな私が今、はまっているのが、テレビ東京系列のTVH(テレビ北海道)7チャンネルの番組です。
 テレビ東京は、読売や朝日といった大手新聞社がバックのテレビ局ではなく、日本経済新聞社であるということが、他の局とは一味違った番組づくりをしていておもしろいと思います。オホーツク管内でもやっとTVHが見られるようになってから、チャンネルはほとんど「7」に固定です。 
 ~好きな番組~
 開運何でも鑑定団 
 ガイヤの夜明け 
 和風総本家 
 カンブリア宮殿 
 YOUは何しに日本へ
 家、ついて行ってイイですか?
 出川哲郎の充電させてもらえませんか
 所さんの学校では教えてくれない そこんトコロ?
 WBS
 世界!ニッポン行きたい人応援団
 「和風総本家」が終了したときは、とても寂しかった!
 スマホ時代になり、テレビを見ないでYouTubeを見る若者が増えているとか?
テレビは、つまらない、見なくても別に困らない。必要なことは、ネットから情報を得るというのが理由のようです。今やテレビは、見聞を広める情報源ではなくなったようです。さらにテレビドラマは、録画して2倍速で見るようです。
 選挙の投票日は、レンタルビデオ店が繁盛するそうです。どの局も開票速報をするからです。これでは投票率も低いはずです。
 「お父さんと一緒に開票速報見てたよ。どうして始まってすぐに当選確実が出るか不思議だったよ。」と言いにきた男の子がいました。「いつやるの?今でしょ!」の林修先生は、「学習で大切なことは、考えることだが、そのためには、どれだけたくさんの知識があるかで決まる。」と言っています。ニュースや災害時の情報、スポーツの中継、娯楽番組など、テレビの果たす役割は、まだ大きいものがあります。テレビも見方や番組選びが重要です。そして、さまざまなメディアを上手に使うことが大切です。
 もう一つ夫婦で欠かさず見ている番組があります。「主治医の見つかる診療所」です。

2023年12月27日水曜日

花だより 校長の人事評価 カトレア

 

校長の職務
 教育とは適材適所にたらしむること
 一人一人の能力を引き出し、それを十分に発揮することのできる分野、あるいは仕事に打ち込めるようにすることである。その方法として適時適授、すなわち、経過する時に応じてタイミングを失うことなく、師弟の間には、互いに授け、授けられるとう関係が成り立たなければならない。
 ビジョンと必要な人材が見えてくると実は気がつかなかった自校の教職員の別な一面、新しい一面が見えてくる。どこの学校にも、いろいろな個性を持った教職員はいるが、それを校長がよく把握し、それぞれの能力に応じて適時適授を忘れることなく、適材適所たらしむることこそ円滑な学校運営につながる。 (井出源四郎著より)
 教員の人事評価制度ができて、校長は職員と面談し、仕事ぶりを評価しなければならなくなった。勤勉手当に反映するのでその責任は重い。教員がその能力を十分に発揮するために評価し、叱咤激励すれば良いというものはない。どの学級を担任させ、どの校務分掌を任せるか、一人一人の特性を見極め、適材適所にたらしむことができているか、それが校長の職務であり、自身の人事評価である。

2023年12月26日火曜日

花だより 2050年の日本の人口 ロウバイ

 

 1年生になったら、友だち100人できるかな?
 過去にこんなCMがありました。小学校は、1学年3学級が普通だったからです。ところが国立社会保障・人口問題研究所は、22日、2050年に日本人口は、2020年比2146万人減の1億468人となる推計を発表しました。
 2020年の人口を100とした場合、2035年の北海道の人口指数は87.3%、2050年は73.1%です。全国で増えるのは東京都(102.5%)だけです。地方ではさらに深刻です。私の住む北見市の減少率は34.2%で、オホーツクの中核10万都市と言っていましたが、7万6千人に減ります。勤める訓子府町は、減少率51%で人口が2,290人になってしまいます。
 過日、町の教育総合会議が開催されました。教育委員から、少子化対策、人口減を食い止める政策について、町長に問い質す場面がありました。町長さんは、観光資源があるわけでもなく、企業誘致もそう簡単なことではない。と苦しい胸の打ちを話されました。
 昨年の出生者は、コロナ過もあり14人でした。これは最も少ない数です。今年もこれくらいではないかと予想しています。(今の5歳児は38人です)保育料や給食費の無償化をしても、子どもの数が増えることはあまり期待できません。
 人口減は財源の減です。「あれもこれもします。」とは言えなくなります。「これは我慢してください」と町民に言うのは、難しいことかもしれませんが、学校もこども園もすべてコンパクトしなければ、もうやっていけません。
 

2023年12月25日月曜日

花だより 今年のTVニュースランキング ポインセチア クリスマスローズ

 

  
 2023年 今年も終わりが近づくと、1年を振り返る番組が放送される。大谷翔平選手等が活躍したWBC制覇は、何度も見たが改めて見ると、また感動した。
 今年のTVニュースランキング(放送された時間)
1位 ロシア・ウクライナ情勢 133時間28分18秒
*6位にイスラエル&ハマス・武力衝突が57時間31秒で入っているが、1位に匹敵するニュースだろう。
2位 大谷翔平・異次元の活躍 121時間35分58秒、3位が、119時間06分03秒で侍ジャパン3大会ぶりにWBC制覇、大谷翔平選手関連で、ロシア・ウクライナ情報を超えることになる。契約金が世界一になるはずだ。
4位は、各地で記録的な猛暑・大雨 79時間32分22秒 オホーツクでも37℃が2日続けてあった。それで来年うちのこども園にエアコンが付くことになった。「夏海道 夏でも冬でも 30℃」である。
5位 物価高による値上げ止まらず 57時間13分00秒 とは言っても、コストコや業務スーパーなどで買い物して、土日は、回転すしやファミレスが大混雑している。物価高で庶民は、本当に困っているのか?
その他、11位にジャニーズ事務所問題、16位にビックモーター不正請求が入っている。安倍派のパーティー券裏金問題がもう少し早く発覚していたらランクインしていたかもしれない。
 暗いニュースもあったが、今年は侍ジャパンのWBC制覇に始まり、大谷翔平選手の契約金世界一、ラグビーやバスケットボールの活躍、寅年に阪神タイガースが日本一、コロナの5類移行など、ここ何年かの中では、明るいニュースもあり、いい年だったように思う。来年は「辰年」。政治の大きな変化が起きることが多い年と言われている。ウクライナでもパレスチナでも紛争が終わり、良い方に変化することを期待したい。






2023年12月24日日曜日

花だより クリスマスと幸せホルモン クリスマスベコニア

 

 12月20日は、こども園のクリスマス会でした。「24日は、みんなの家を回らなければならないので、こども園には今日、サンタさんに来てもらいました。」と子どもたちに話しました。サンタさん役は、今年春に勇退した町長さんにお願いして、一人一人にプレゼントを渡してもらいました。
 22日は、12月のお誕生会でした。音楽教室の先生を招いて、クリスマスソングをエレクトーンで演奏してもらいました。子どもたちには、楽しい日が続きました。
 行事担当の先生から、「園長先生、クリスマスのいわれを子どもたちに話してください。」と頼まれました。でも「イエス・キリストの誕生日を祝う日だとか、そんなこと関係ない。楽しい特別な日でいいんじゃないの?」と言いました。日本のクリスマスは、欧米の宗教的儀式とは違います。家族団らん、ごちそうを食べて、今年一年、いい子にしていたから、サンタさんからプレゼントをもらう特別な日、それでいい。
 お父さん、お母さんだって、恋愛時代は、クリスマスは「特別な日」だったんじゃないですか?
 楽しいと笑顔になります。すると心のバランスを整える脳内物質である幸せホルモンがいっぱい出ます。幸せホルモンは、心と体を安定させ、幸せを感じやすくする働きがあります。ポジティブな気持ちになって、活動的になり、老化防止や直観力を高める効果もあります。
 子どもには、楽しいことがいっぱいあればあるほどいいのです。そして、それができるのも12月にはボーナスが出るからです。今年のボーナスが少し多かったようです。クリスマスが終わると、すぐお正月です。家族団らんみんなで楽しみ、笑顔で過ごしましょう。

           

        

2023年12月23日土曜日

花だより COCOLOプラン(不登校対策) ユズ ポインセチア

 

 文部科学省は令和5年3月に「だれ一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLOプラン)を策定したと発表しました。
 この背景には、①不登校の児童生徒数が増加し続け、小学校81,498人、中学校で163,442人、高等学校を合わせると295,925人に上り過去最高となったこと ②90日以上も不登校であるにもかかわらず、学校内外の専門機関等で相談・指導を受けていない小中学生が約4.6万人もいることが明らかになったからです。
 COCOLOプランは、不登校の子どもたちが「大丈夫」と思えるように寄り添い、学びにアクセスできない子どもたちをゼロにすることを目指しています。
①不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思ったときに学べる環境を整える。不登校特例校の設置促進、校内教育支援センターの設置促進など、多様な学びの場、居場所の確保するなど、個々のニーズに応じた受け皿を整備する。
②心の小さなSOSを見逃さず「チーム学校」で支援する。不登校になる前に「チーム学校」による支援を実施するため一人一台端末を活用し、小さなSOSを早期に気づくことができるようにするとともに、不登校の保護者も支援する。
③学校風土の「見える化」を通じて、学校を「みんなが安心して学べる」場所にする。学校の風土と欠席日数には、関連を示すデータがある。学校風土の「見える化」して、関係者が共通認識を持って取り組めるようにし、学校を安心して学べる場所にする。
 この実効性を高めるためには、学校における働き方改革の推進が欠かせません。
 

2023年12月22日金曜日

花だより 暗記は大切 ヤドリキ

 


~・~暗 記~・~ 暗記だけの学習はもう古い、意味がない?そうとは限らない。
 詩や引用文、フレーズなどを暗記することによって、子どもは言葉の構造や使い方を覚えます。新しい単語を覚え、他の単語との組み合わせ方を学ぶと、言葉を使うことの楽しさを感じるようになります。 暗記した内容は、たとえ日頃それを口にしていなくても、いったん暗記した単語は記憶の中に定着しているものです。詩や演説を暗唱することは、子どもにとっては「成果」になります。暗唱は子どもの学習能力の証しであり、「これを覚えて自分のものにすることができた」という自信につながります。
 親子の絆になるものや、子どもの人格形成に役立つものは、きちんと暗記させることです。覚えておきたい大切なことわざや格言、美しい詩、有名な文章、力強い演説などを選び、なぜそれを選んだかを説明しながら暗記させることです。また、悲しいときに気分を盛り上げるような楽しい内容の歌詞もよいでしょう。
 子どもに暗記させるときは、繰り返しを重視します。何度も繰り返しているうちに覚えられるようになるからです。いったん覚えたものは数週間か数ヶ月毎に繰り返せると、さらに記憶に定着します。
 長くて一度に暗記させるのが難しいようなら、短く区切って少しずつ覚えさせると効果的です。このようにして長い内容を暗記できれば、子どもは達成感を得ることができます。
 子どもに詩や文章を暗記させて自信を与えることです。大人よりずっと速く覚えます。伝統文化を受け継がせてもらっていると感じることで、子どもは自尊心を高めます。
 なぜ2年生でかけ算九九を覚えるのか? 
 それは脳の発達段階でこの時期が一番いいからです。高学年になると、論理的な思考に変わっていきます。ですから、2年生のときに、かけ算九九を完全にマスターしておくことが必須です。高学年になってから、「覚えていないなら、もう一度やり直しをしましょう」と言っても難しいのです。
 授業で大切なのは「あ・い・う・え・お」 
「あっ!そうか」と気づく 「いいねぇ~!」とほめる 「う~ん!」と考える 
「えっ!」とおどろく 「おお~!」と感心する 
 先生がよく使う言葉に「考えなさい」があります。ところで「考える」とはどういうことか、子どもたちは分かっているのでしょうか?
 「考える」とは、“何か新しいことに出合ったときに、それと同じようなものや違うもの(これまでの経験から)を見つけて、比べてみること”です。ですから、どれだけ多くの知識や情報があるかで、その考えが深まるかどうか決まります。豊かな創造力や発想力は、持って生まれた才能だけでなく、知識や経験から生まれるのです。小学生のときは、とにかく多くのことに興味を持って、多くの知識や情報を頭の中に詰め込むことが大切です。それは机上の勉強も大切ですが、体験を通して身に付けることが大事です。

2023年12月21日木曜日

花だより 数学を何故学ぶか シクラメン アロマ

 

 「大人になって、分数の計算なんかしたことがない。2次関数、2次方程式を覚えてどうするの?計算なんかしなくていい時代になった。算数・数学が学校の勉強からなくなったら、楽でいい。」こんなふうに思っている人は、多いに違いありません。
 ところが、「数学は、仕事や社会問題の解決に不可欠な学びである」と、東北大学副学長の小谷元子先生は言っています。
 そのポイントは3つ
①数学を通して身につく知識や技能、思考プロセスは仕事をしたり、現代社会の複雑な問題
 を解決したりするために必要な能力
②数学は科学の基礎となる共通言語であること。抽象的で普遍的であるが故に、多様な応用
 や展開の可能性があり、時代の要請に応えて、今も進化を続けている。
③数学は、わくわくする発見に満ちていて、自由な発想をいかして誰もが活躍できる学問で
 あること。ぜひ、その魅力を教育の場で伝えてほしい。
 数学を何故学ぶか
 数学を学ぶ過程で「複雑に絡み合った問題を要素にほぐす力」を身につけるためで、証明問題を解くように、数学を学ぶとは、そのプロセスを訓練することにほかならない。
 日常生活の中で起こるさまざまな問題は、直感的や感情的だけでは解決しない。論理的に考えたり、抽象的にとらえ直したりすることが必要で、そうした能力は、数学の問題を解くことで養われる。
 野球の世界でホームランバッターになるために長年の素振りが必要なように、将来、複雑な問題を解くために、学校で学ぶ基礎をおろそかにはできない。また、数学という視点を持つことで、世の中を見る目が豊かになることも、数学を学ぶよさといえます。
 また、数学を女性の苦手な分野だと考える人がいるようだが、それは誤解である。数学は、科学の共通言語である。表現能力が高いとされる女性が数学を苦手であるとは考えにくい。小中学校の先生には、数学の魅力を伝え、子どもたちの背中をあげてほしい。

2023年12月20日水曜日

花だより 座席決めのリスク 寒菊

 

 座席をどう決めたらいいか? 
 ~「たかが座席、されど座席」~
 教室の座席は、子どもたちにとって大問題です。特に、今どきの子どもたちの世界は、人間関係がとても狭いので、友だち関係のある子が近くにいるかいないかは、毎日の生活には重要なことなのです。
 大人でも、何かの会合で見知らぬ人たちの中に知り合いを見つけたら、ほっとして近くに座るものです。それくらい近くによく知っている人や気の合う人がいれば、安心感を得ることができるのです。
 教師からすれば、全員同じ存在ですが、生徒一人一人からすると、よく知っている人、あまり知らない人、気の合う人、合わない人など、全員を同じ人と見なしていないので、こだわるのは当然です。そのため担任は、座席の配置には確固とした方針を持っていないと無用なトラブルを生みます。「たかが座席」と侮れません。
◆くじ引きで決めるリスク
 学校現場で一番多いのが「くじ引き」です。しかし、くじ引きでは、いじめや私語のトラブルを防ぐことはできません。そこには意図的な配置をする余地がないからです。それでもこの方式が多いのは、席替えに不満があっても、くじ運が悪かったと諦め、担任への不満をそらすことができるからです。学級の状態を正確に把握し、くじ引きでも大丈夫という保証がなければとても危険な決め方です。
◆ジャンケンで決めるリスク
 次に多いのが、ジャンケンです。その席に座りたい希望を子どもからとり、複数ならばジャンケンで決める方式です。ところが、学習意欲の低い子や荒れた子は後方の座席か端を選びますから、その結果、落ち着かない子が集まります。結局、偶発性に頼るくじ引きやジャンケンでは落ち着いた学級をつくるのはとても難しいのです。子どもの希望を最初に取り入れているので、生徒の意見を尊重した決め方だと勘違いしてはいけません。

2023年12月19日火曜日

花だより 学校のファックス原則廃止へ 🍓 カニサボテン

 

  学校のファックス原則廃止へ
 入学者名簿の手入力・出席簿への押印などを廃止して、校務のデジタル化を推進
 政府は、教育現場におけるファックスの利用を原則廃止する。教育委員会や学校間など、ファックスで行われてきたやり取りをデジタル化し、業務の効率化や教職員の負担軽減を図るとした。
 校務のデジタル化は、自治体によって取り組みに差がある。一部では、入学予定者の名簿を教育員会が紙で学校に提供し、職員が手入力する事例や、出席簿への押印作業などが残っている。ファックス廃止を打ち出し、「校務支援システム」の活用で業務のデジタル化を図ることを推進する。また、各学校のデータを集めた一覧表を公開し、対応の進捗状況を確認できるようにする。
 過日、学校を訪れると行事黒板や出欠黒板、掲示板がなくなり、PCで各自確認するようになったという、教頭先生は、「仕事が減って助かった」と言っていた。やっと学校現場のデジタル化が本格化するのは大歓迎である。
 「国会議員のお金の出し入れもデジタル化すれば、領収書は書かなくて済むし、一括管理で透明性が確保される。今回のようなパーティー券購入の裏金問題も解決する。」と言った政治評論家がいた。是非、早急にそうしてもらいたいものだ。国の大事な仕事をする政治家が金に困っていては、良い政治はできない。お金を集めるのも政治家の力だろう。パーティー券を購入した人は、「自分が出した金が、国のため、政治のために使われているなら、何の問題はない。」と言った。派閥政治が悪いわけではない。政治家を育てるために勉強させるのも派閥の役割だろう。

2023年12月18日月曜日

花だより 除雪車は目覚まし代わり 柚子 フタバアオイ

 


 「どさんこ北海道自慢サラ川」も入選作品が発表されました。
    「除雪車が 目覚まし代わり 北海道」 
 雪が降ると、街中は朝6時ころから除雪車が動き出します。今朝もそんな状況だった。この句を詠んだ気持ちは、よくわかります。
 「カーナビの “道なりです”が 長すぎです」(大賞)
 【優秀賞】20点の中から
 「肌焼かず 海で焼くのは ジンギスカン」
 「カニ、イクラ 我が口入らず 贈答品」
 「雪まつり わが家の雪も 持ってって」
 「聴くよりも 飲むのが好きよ クラシック」
 「エスコンが 創る野球の 新時代」
  どれも、「うん、うん、そうだなあ~」と、うなずく作品ばかりです。
 【佳作34作品】の中にも、自分ならこれを選ぶというのがありました。
 「なしたのさ? おささったのさ 仕方ない」
 「クマ出没 注意の看板 森の中」
 「30度 夏でも冬でも 30度」
 「缶ビール 冷蔵代わりの 二重窓」
  北海道ぽくて、いいですねえ~。
  

2023年12月17日日曜日

花だより 「ラーニング・マウンテン」 シクラメン

 

 また知らない横文字の教育用語を目にしました。
 「ラーニング・マウンテン」です。
「Lets Climb the Mountains Learning」(学びの山を登ろう」の略称です。
 3領域における単元の学び全体を「山登り」にたとえ、子どもたちが目指す頂上(ゴール)とルート(プロセス)をデザインし、見える化したものです。コンピテンシー・ベースの国語科授業を目指し、ユニバーサル・デザインに配慮しながら、子どもとともに作る学びの実現につながるねらいがあります。授業のねらいを教師が理解していることはもちろんですが、子どもたちも同じねらいを認識することによって、学ぶことの必要感を持ちながら、より深い学習へとつながっていきます。
 中央教育審議会でも「児童生徒に自ら学習の見通しを持たせ、自己の学習の調整をはかるきっかけとなることが期待される。」と報告されました。
 「ラーニング・マウンテン」は、単元の導入時では、学び全体を見通すことに、学びの途中では、随所での主体的な振り返りに、単元の末尾では、単元を通しての振り返りに活用できます。そして何より、学習の道筋を頂上(ゴール)に常に意識できるため、最後まで粘り強く、学びを調整していこうとする態度を培えます。
 昔(30年以上前)「見通し表」を子どもたちに作らせるという実践がありました。何か横文字にしてリメークした感がありますが、きちんとした実践を積み上げて、効果を上げることを期待したいです。
                                       




2023年12月16日土曜日

花だより 人手不足と人材不足 ビワ

 

  人手不足と人材不足
 運送業界のドライバー不足(2024年問題)は深刻です。タクシーのライドシェアも導入されそうです。オホーツクの片田舎では、週末になると大型ショッピングセンターの駐車場に観光バスが停まります。外国人技能実習制度で常呂や網走に来ている外国の人たちが買い物に来るためです。地方では、こうした人たちのお蔭で人手不足の急場を凌いでいます。また、田舎のスーパーのレジもセルフになりました。単純労働は、ほとんどロボットがやるようなりました。これからAIの技術が進み、車の運転も自動化されると、人手不足はある程度解消されるかもしれません。
 しかし、「人材不足」で、才能のある人、役に立つ人、知識や技能を有した人材が足りないということの方がさらに深刻です。優れた知識や技能を習得するには時間がかかるからです。さらに東大出の優秀な人材は、官僚を目指したものですが、今はベンチャー企業や待遇のよい海外企業に流れています。スポーツ選手がいい例です。海外で日本人選手が活躍するのはうれしいことですが、手放しでは喜べません。
 《解決策として》 
 ・リモートワーク 
 ・フレックスタイム制(1日の労働時間を固定的に定めない)  
 ・時短勤務制度 
 ・週休〇日制 
 ・副業の解禁など導入が挙げられます。
 *どの職場でも早く導入すべきです。
 日本人の働き方そのものや教育の在り方の転換が求められます。学校は人出不足ではありません。人材不足です。

2023年12月15日金曜日

花だより 「褒めて育てる」ことの弊害 センリョウ 冬みかん

 


 「褒めて育てる」にはさまざまな歪みがある 
 若者の「生きる力」が衰えてしまったのは、褒められるのが当たり前で、きついことは言わない、文化の違う欧米流の「褒めて育てる」を歪んだ形で導入したからです。
 身近な例では、食べ物の好き嫌いが激しい子どもに食べるようにどう促すか。まず「食べなさい」と命じるのは日本も欧米も同じですが、それで食べないと、欧米の親は、語調を強めて「食べなさい!」と強硬に出ます。ところが日本の親は、お願い調に転じて「お願いだから食べて」と言います。さらには「今日食べなくても、明日は食べるよね」と譲歩していきます。米国の学者に言わせると、上の立場の親が、なぜ子どもにお願いをするのか、と不思議がります。
 欧米の夫婦は常に「あなた素敵よ、愛している」などと常に言葉でストレートに表現して、人前でもキスをします。日本では考えられないことですが、欧米人はそれを言わないと愛情を感じられないのです。日本人には心理的な一体感が形成されているので言葉なしでも通じるのです。その文化の根底の違いにより「褒めて育てる」はさまざまな歪みを引き起こしているのです。
 「褒めて育てる」は1990年代から推奨されて30年経ちました。それと並行して、学校教育でも新学力観が適用され、それまでの競争による知識偏重をやめて「関心・意欲・態度」が重要視されるようになりました。その結果、国際比較で日本の学力が低迷しているのは確かなのですが、褒めて育て、成績では厳しく競わせない。そういう風潮で育った今の親世代が、また子育てをするサイクルに至りました。もはや褒めて育てるという思想は打ち砕きにくい厚い壁になっているのです。
 日本の教育文化がはっきり変わってきました。無言のうちに一体感があって、はっきり言われなくても親の愛情は感じる文化から、厳しさ抜きの“エセ欧米流”が取り入れられて褒めまくるようになってしまいました。
 今の若者は、褒められるのが当たり前に思うようになり、逆に褒められないとやる気がなくなってしまう。「褒めてくれないと自分たちはめげる世代だ」と言う若者もいます。学生時代はそれで通るかもしれませんが、社会に出てそれが通るわけがありません。
 「褒めて育てる」は、自己肯定感を高めるのが目的です。自分の力で壁を乗り越えていくことを経験して初めて自己肯定感は高まるものです。頑張ってもいないのにただ褒められていい気持ちになっていたのでは、本当の自己肯定感は育ちません。がつんとやられても、自己肯定感が強く、自分に自信があれば、そう簡単には潰れません。
 本当の自信をつけさせるには、子どもを信じて鍛える体当たりの子育てから始めるべきではないかと思います。特に幼少期には、歩き始めたときや自分一人で靴をはいたときなどは、当然親は褒めます。厳しい壁を作りつつ、褒めるときは褒める。何でも褒めてしからない子育てではダメです。何かの折に褒めることは当然なことです。 
                       臨床心理学者 榎本博明(牧野要約)  

2023年12月14日木曜日

花だより なぜ幼稚園に入れるのか? ヤツデ

 

 なぜ幼稚園に入れるのか?
 幼稚園教育のねらいは、
◎社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。
◎友だちと一緒に遊びや仕事を進める楽しさを知る。
◎友だちとのかかわりの中で言ってはいけないこと
 してはいけないことがあることに気付く。
◎友達と楽しく生活する中できまりの大切さに気付く。などがあります。
 同年齢の子どもたちが一緒に生活する中で、わがままな行動をおさえ、社会性を身に付けること(ルールを守ること)ができるようにするのです。そのために、一緒に歌ったり、踊ったりします。しかし、「個性のない画一的な子どもを育てればいい」と言っているのではありません。
 歌舞伎役者18代故中村勘三郎さんの追悼番組がありました。まだ、4・5歳(七之助と勘九郎)の息子2人に踊りの稽古をつけている場面でした。お兄ちゃんが、カメラに向かってピースサインを出しました。すると「大事な稽古の最中に何をしている!」と頬に平手がとびました。歌舞伎という日本の伝統文化継承の厳しさを垣間見ました。中村勘三郎は、古典と現代劇の融合を図った新しい歌舞伎を創造した人物です。それは子どもの頃からの芸の基本があってこそのものです。抽象画の奇才ピカソの初期の作品は実に写実的なものでした。個性は、基礎基本の上にあるものです。
「群」は「羊のむれ」から生まれた文字です。虎などの強い動物は単独行動ですが、弱い動物は群れ(集団)で互いに助け合って生活します。そこにはルールがあり、そのルールに従わずに単独行動をすると、強い肉食動物の餌食になってしまいます。地球上で最も弱いの動物は、人間かもしれません。だからこそルールが細かく決められています。そのルールを学ぶために幼稚園やこども園、学校があります。そのルールを教える第一責任者は親です。

2023年12月13日水曜日

花だより AIが子どもたちの将来を奪う? ポインセチア 

 

 AIが子どもたちの将来を奪う?
 「2030年代あるいは2040年頃に汎用AIが出現する」こう予想したのは3年前です。それがもう実現しました。生成AIの開発スピードは、予想をはるかに超えています。
 そうなれば人間の労働の多くはAIによって代替されてしまう。その兆候はすでに始まっています。ドローンや自動運転が普及すれば、運転手は必要なくなり、小売業だけではなく運送業にもほとんど人はいらなくなります。コンビニの無人化は、もう始まっています。
 今の子どもたちが社会に出たときにAIに職を奪われてしまうかもしれません。弁護士、税理士、医師などの一部の仕事もAIで代替可能なことは、今でもすでに行われています。技術進歩が経済成長と雇用の減少を生み出すのは普遍則です。
 AIにより「需要不足による失業」が増加し、AIに代替えできない仕事を持つ人は、労働可能人口の約1割になり、残り9割は仕事がなくなってしまう事態になってしまうという予想もあります。それを21世紀における新たな「役立たず階級」の出現として危惧している歴史学者もいます。また、AI社会では、企業が淘汰されていく危険も大きいと指摘しています。
「AIが絶対できないお笑い芸人になる。」と言った子がいました。「お笑いのネタもAIが考えてくれるようになるかも?」、「そしたらAIをつくる人になる。そのために、いっぱい勉強する。」と言いました。

2023年12月12日火曜日

花だより 慇懃無礼(いんぎんぶれい) フユサンゴ

 

 ~指導言葉を磨く~ 「痛み入る」
 この歳になっても未だ日本語を正しく使えない。例えば、目上の人が直々に挨拶に来てくれたとき、出迎えや見送りをしてくれたとき、あるいは、丁寧なおもてなしをしてくれたときなど、自分に行きすぎた対応をしてもらうことがあります。そんなとき、どのような言葉で気持ちを伝えるか。
 つい恐縮して使ってしまうのが、「申し訳ない」や「すみません」という表現ですが、「いやいや、こんなにしていただいて、すみません」「お忙しいところ、申し訳ないです」と繰り返し言うと、謝罪の言葉とも受け取られるため、「本当は嫌だったのかな」などと、相手に気を遣わせてしまう場合もあります。
 こうしたときには、「ありがとうございます」「嬉しいです」「とても助かります」という感謝や喜びの気持ちを素直に伝えた方が、印象がよいでしょう。
 お礼だけでなく、恐縮している気持ちをどうしても伝えたい場合に便利なのが、「痛み入る」という言い回しだとつい最近知りました。
「わざわざお越しいただき、痛み入ります」
「こんなによくしていただいて、痛み入ります」
「身に余るお褒めの言葉、痛み入ります」のように使います。
 相手の過分な好意に対し、ありがたさと申し訳なさを「痛み」という言葉で表現するのです。また、「痛み入る」の類語に「かたじけない」があります。
 「ご親切、かたじけなく存じます」は、時代劇でよく耳にする言葉ですが、「身に染みてありがたい」、「もったいない」、「おそれ多い」という意味の表現です。
 ある程度年齢を重ねた人が、さらりと使えば知性を感じさせます。ただし、若い人が使うと慇懃無礼(いんぎんぶれい:表面上は丁寧だが、内心ではバカにしている)な印象を与えかねません。
 小学校の先生の話は「諄(くど)い」とよく言われます。子どもたちにわかりやすく伝えようとすると、簡易な言葉を選び、繰り返したり、念を押したり、時には上から目線で言うときがあります。それに慣れていると、今度は大人を相手にしたときに、適切な言葉が出て来ないものです。気を付けなければなりません。

2023年12月11日月曜日

花だより 「たし算より儲かるひき算ビジネス」と働き方改革 フユザクラ

 


  12月10日(日)朝7時30分『がっちりマンデー』で、「たし算より儲かるひき算ビジネス」朝から、パッと目が覚める番組内容でした。
 取手を無くした電動シェーバー、駐車場から清算機、ロック版、ゲートを無くした、アルコール5%から3.5%にしたビール、キーボードから文字を無くして、それぞれが爆受、爆売れ状態、ひき算的発想で商品開発して儲かっている会社や商品が紹介されました。
 特に電化製品は、モデルチェンジ毎に、次々と新しい機能を追加されてきましたが、それで本当に便利で使い易くなったかといえばそうでもない。たし算からひき算の発想の転換は、そう簡単なことではなく、決断する勇気と、妥協を許さない工夫と努力が必要だったといいます。
 教員の働き方改革と共通する。学校もたし算的経営でで、次々にやることを増やしていった結果、教員の時間外勤務がどんどん増えていきました。今、ひき算に取り組んでいますが、なかなか進んでいません。キーボードから文字を無くすくらいの大胆な発想が必要です。

2023年12月10日日曜日

花だより 年賀状は今年限りにすることにしました? マンリョウ

 

 年 賀 状 
 昨年の年賀状を整理していると、「年賀状は、今年限りにすることにしました」と先輩や同僚からのものが何枚かあって、これも「終活」の準備なのか?と思いました。
 近頃は、年賀状の是非論もあり、単なる儀礼と考えてやめる人やラインなどSNSに切り替える人も多く、年賀はがきの売り上げ枚数は年々減少しています。
 江戸時代の商人たちが真っ先に年賀状を送った先は、取引で思わしくなかった人やトラブルのあった人など、気まずい思いをした人たちだったそうです。なかなか出来ないことを、たじろがずに出す勇気、不穏な状態になったときの決断力!人情味のある江戸商人たちのこうした真の優しさこそ、粋で素敵なしぐさです。
 最近は、家族の写真入りの年賀状を自宅のパソコンで作るのが多くなり、手書きする人はめっきり少なくなりました。普段疎遠にしている人だからこそ、一言添えて、互いの安否を気遣い、新年の言祝ぎとその喜びを交わしたいものです。自分はまだしばらく、あて名は手書きにするつもりです。
 

2023年12月9日土曜日

花だより 和食はなぜ「文化遺産」なのか スイセン ホオズキ

 



 「和 食」 
 その土地の美味しいモノを食べるのも旅の楽しみの一つです。財布のひもも緩みがちになり、ちょっと背伸びしたお店に入ってしまいます。北海道(オホーツク)とは違った店の佇まいがあります。風情のある中庭、いかにも高級そうな置物や掛け軸、そして器に洗練された盛りつけの料理とおもてなしに豊かな気持ちになります。なるほど和食は世界遺産です。
 料理人として伝えたいこと       
           土山 憲幸氏 (元赤坂プリンスホテル総料理長) 
 料理の力は30%、あとは雰囲気や環境、そして「おもてなし」が大きな役割を占めます。料理人は、季節にあった新鮮な食材を、その持ち味を生かすように調理し、盛り付け、取り合わせ、器との調和など見た目の美しさも考え、温かいものは温かく、冷たいものは冷たくお出しし、最高のおもてなしをするように心がけます。人に対する温かな気遣いが「おもてなし」の基本です。
 日本人の平均的な口の大きさは約3センチだと言われています。ですから料理をつくるときには、約3センチに切ってお出しします。刺身、お新香、煮物でも基本は3センチです。それ以上のものは箸で崩せる硬さにします。例えば、がんもどきは耳たぶくらいの硬さ、焼き魚も切り身して箸で崩せる硬さに焼き上げてお出しします。これが和食の神髄です。

2023年12月8日金曜日

花だより 便利さや効率ばかり追い求めると美しさから離れる チャ

 

 世の中便利になって、見知らぬ土地に行ってもスマホがあれば、目的地に最短で行くことができるので、昔のように通りすがりの人に尋ねることは少なくなりました。
 テレビ東京の人気番組「YOUは何しに日本へ」という番組で、その土地の人と触れ合いながら、自転車で日本を回る外国人に密着取材する内容がありました。もちろんスマホでルートは検索できるのですが、わざわざカタコトの日本語で話しかけ、道を尋ねたり、名物や名所を聞いたり、そうした日本人との触れ合いが旅の最大の思い出になるのです。尋ねるためには、丁寧なあいさつが必要です。丁寧に感謝を表すお礼も必要です。そうされると多くの日本人は、親身に対応します。視聴者は、そうした場面を見て感動します。
 もう一つ、テレ東の番組「出川哲郎の充電させてもらえませんか」があります。旅先の心優しき人にお願いしながら、1回の充電で20㎞しか走らない電動バイクで旅する人情すがりの旅番組です。
 出川といえば、頼りない、無知、トークはよくかむ?というイメージですが、なぜか老若男女を問わず絶大の人気を誇ります。その理由は、彼の人柄によるものだと、この番組を見ているとよくわかります。  
便利さや効率ばかり追い求めると美しさから離れる
・ あいさつの力を知る
・ 感謝は感じたときにすぐ伝える
・ もてなしとは もてなす側と もてなしを受ける側 両方の力量が問われる
      「所作を磨くと心も体も人生も輝く」
                            禅と所作の基本より  枡野 俊明 

2023年12月7日木曜日

花だより 豊かな時代だからこそ、我慢することを覚えさせる ヒイラギ

 

「耐える力(我慢すること)」が大事 
 どんなに文明が進歩してAIがやってくれるようになっても、病気をはじめ、家庭の不和、仕事上のトラブルはつきません。人は、不運を嘆き、相手を責め、周囲を恨むものです。しかし、何かのせい、誰かのせいにしている間は、本当の意味で問題が解決することはありません。
 子どもは、どうしたらよいか、分からなくなると我慢できずにパニック状態になる
 特に甘やかされ、わがままいっぱいに育った子どもは、何か思い通りにならないことがあると、たちまちパニック状態になります。しかし、世の中は一歩家の外に出ると、思い通りにならないのが当たり前です。誰しも学校、地域、職場と、世間の仕組みや周囲の人々と折り合いをつけながら人間的に成長していくものです。そのために学校があります。
 甘やかされて育った子に反抗期はないそうです。反抗期を経験せずに大人になると、社会に出て、ちょっと上司から注意を受けただけで音を上げて辞めてしまいます。家庭や学校は、社会に適応できるように準備する場です。そして、そのために欠かせないのが、「耐える力(我慢すること)」です。豊かな時代だからこそ、我慢することを覚えさせる必要があります。それが自分をコントロールする第一歩です。生活にゆとりがなくなると自分のことしか考えられなくなり、相手のことを推しはかる奥ゆかしさとか謙虚さがなくなります。
 なぜ不登校対策が必要なのか?行きたくないなら、行かなくてもいい。そう簡単に認めてはいけません。
 

2023年12月6日水曜日

花だより 日本のもったいない精神 サザンカ(2)

 

 日経スペシャル 「カンブリア宮殿」
  社会問題の解決に向けて、エコリングにできること
 リユース事業を通じて、社会問題の解決に貢献することが私たちの使命です。近年の大量生産・大量廃棄によるごみ問題は年々深刻さを増し環境を汚染し続けています。不要になった商品を買い取り、本当に必要とする人の元に届ける。この循環の輪こそ、後世に美しい地球を残していくためにいま必要とされる有効な解決策の一つだと考えています。
           「リサイクル革命」エコリング代表 桑田一成氏
   編集後記 「時代の鏡」 村上 龍
~テレビで見る東京の夜景はとてもきれいだけれど、その中で働いているのは、大企業のエリートたちだ。彼らに勝とうと思ったら、知名度も規模でも劣る私たちは、彼ら以上に働くしかない。いつか必ず大企業になって、彼らと同じように「東京の夜景を構成する一員になろう。」と昔はそう言った。しかし今、様変わりしてしまった。「大企業のエリート」は、本当に一握りの人たちになり、しかも将来に怯えている。
 エコリングは時代の中にいる。対価だけでなく、「もったいない」という理由で、別の人に品物を譲る。「リユース」時代の鏡だ。~
 「もったいない」は、日本語だけの言葉で、無駄にしないことを啓蒙する言葉です。モノの価値を十分に生かしきれていない、無駄になっている状態を惜しむこと。モノの形が残っている限りは、最後まで使い尽くすことを大切にしようとする「日本のもったいない精神」は、世界が注目しています。日本の誇りとして、大切にしたいものです。

2023年12月5日火曜日

花だより AIもまだまだ キチジョウソウ 冬みかん

 


 昔の職人さんは、師匠から「見て覚えろ!技を盗め!」と言われた。一人前の職人になるのに10年の修業は当たり前で、手取り足取り、教えてもらうことはなかった。しかし、今はそんな時代ではありません。技術(スキル)を身に付ける最も効果的な方法は、個人レッスンです。現在活躍している野球選手やプロゴルファー、卓球の選手などのスポーツ選手は、子どもの頃から、親の手取り足取りの個人指導によって、超一流になった選手が多くいます。
 これまで学校では、1つのクラスに複数の教員が入って指導したり、少人数に分けて指導(習熟度別)したり、場合によっては“個別指導”もしてきました。しかし、これからICTが導入されると、教育内容は劇的に変わります。
 ベテラン教師の経験と勘でやっていた授業をAIを使って効率よくやるようになります。PCを使いこなす若い教師がベテラン教師の指導力を遥かに超えることでしょう。
 ただ教育では、ベテラン教師の子どもたちと毎日接することから生まれる勘(感覚)も大事なのですが、その勘もAIは学ぶことが可能だというのです。
 しかし、これだけ文明が発展しても人類は、新型コロナウイルスの感染を食い止めることができていませんでした。戦争も無くすことはできていません。どんなに優秀なAIでも、まだ人は動きは予想不能なようです。


2023年12月4日月曜日

花だより GDP(国内総生産)はドイツに抜かれ4位転落! サザンカ

 

                                     

  GDP(国内総生産)はドイツに抜かれ4位転落! 
                              かつて日本はアメリカに次ぎ2位だった
 ドイツの人口は8,240万人で日本の約3分の2で、国土面積は日本とほぼ同じです。同じ第2次世界大戦の敗戦国であり、資源には恵まれていませんが、自動車産業の発達など技術立国として、日本と共通するところが多い。ところが、生産効率では大きな差があります。ドイツの生産効率は、日本の1.5倍です。ドイツ人の年間労働時間は、1,356時間に対して日本は1,710時間、ドイツよりも354時間も長いのです。(1年で約44日も長く働いている計算になります。ドイツの人は、その分長期の休みを取っているのです。)それでもGDPで抜かれました。日本人の働き方には無駄があるということです。
 勤勉な日本人気質とか、労働に関する意識の違い、文化の違いが根底にあります。しかし、グローバルな社会において、国際感覚を持って働き方改革を進めないと日本の将来はありません。「池上彰のニュースそうだったのか!!」(テレビ朝日系列)を見て分かりました。
 今後、教員の仕事量は、増えることはあっても減ることはありません。しかし、もう定量を超えています。何かを止める。削る勇気を持つことです。みんながそうした意識で自分の仕事を見直すことです。労働の評価は、何時間働いたかではなく、どんな仕事をしたかです。ドイツ人は、長期のバケーションを取って、日本観光にやってきます。私たちもそうありたいものです。


2023年12月3日日曜日

花だより 運は100%自分次第 強運は行動の結果 葉ボタン

 

 運は100%自分次第 強運は行動の結果です。
   科学が突き止めた「運のいい人」
  脳科学者 中野信子著
 ・運は偶然ではない、考え方や行動パターンで決まる。
 ・「根拠のない自信」でも、持つとテストの点数は上がる。
 ・強運に絶大な効果のあるドーパミンは、「妄想」を持つことで分泌される。
 ・いつもと同じものを買う人より、食べる人より、冒険する人の方が運がよくなる。
 ・「まじめ」「人を疑わない」「素直」…全部揃うと「運が悪い人」になる。
 ・経営の神様松下幸之助の採用試験の基準は「自分が運がいい」と思っているか
 ・自分が運がいいと感じている人は、死亡リスクが低くなる。
 ・「人のための行動」が脳を刺激して、何重もの快感が頭と体を巡る。
 ・最近ついていないと思ったら、早起きして、ゆっくりお風呂に入ると幸せホルモンが分
  泌される。
 ・強く明確な達成目標を持つと「有益な情報」をキャッチしやすい脳になる。
 ・「強運」も「不運」も伝染する。
 メジャーリーグで大活躍中の大谷翔平選手、大きな夢を持ち続け、明確な目標を立てて、取り組んだ結果だと思うと「運は行動次第」というのは納得です。また、敗者の中にいるか、成功者(運のいい人)の中にいるか、つまり環境も大きいというのもその通りだと思います。自分の努力の足りなさを運が悪いからと片付けていた考えを改めなければなりません。
 

2023年12月2日土曜日

花だより 病院が好きに ハナカタバミ 

 

 ~病院が好きに~ 
 コロナ未だ衰えず、インフルエンザの同時流行で、どこの病院も1時間待ちは当たり前のように混み合っています。待合室で待っているだけで具合が悪くなってきます。だれも病院が好きだという人はいないと思いますが、特に歯科医院は嫌いです。
 「健康のためには、歯石を取ってもらったり、歯周病も見てもらうといいわよ」と妻に言われていました。しかし、子どもの頃のイメージが強くて躊躇していたのですが、先日、重い腰を上げて行ってきました。
 まず、驚いたのは、玄関で消毒されたスリッパが自動的に出てきたことです。診察台に座ると目の前にモニターがあって、「口の中を写します」と歯ブラシみたいなカメラで口の中を撮影すると瞬時にモニターに写し出されました。「この辺がひどいですね。このまま放っておくと大変なことになっていましたよ。」と脅かされました。なるほど映像を見せられると説得力があります。歯石を取った後、また、口の中を撮影し、その違いを見せてくれました。まさにビフォー・アフターです。
 「ほら、きれいになりましたよ。半年に一度こうして治療すれば、歯周病予防になっていいですよ」と言われ、優しい対応と室内の明るい雰囲気にすっかりリラックスして、「はい、わかりました。また来ます」と言ってしまいました。早期発見・早期治療を実感した体験でした。
 病院のイメージは、昔とは全く違います。網走厚生病院で人間ドッグを受けたときもオホーツク海を見渡せるラウンジがあって、親切、丁寧でサービス満点、お昼は、和食、中華の選択もできます。今どきの病院の経営努力は素晴らしい!

2023年12月1日金曜日

花だより 子どもは敏感に察知する 紅葉 ネリネ

 

  親は何を意識して子どもに話しかけるべきか?
 子どもは大人のメッセージを敏感に察知するので、子どもに話すときは注意しなければなりません。
・子どもは、「親が思っている自分像」をそのまま「自分像」として受け止めてしまう。
・いくら頭にきても子どもの存在を否定するようなことを言わない。
・兄弟や友達と比べるのは、仲を悪くする元凶。親は自分のことが嫌いなんだと思ってしまうた
 め、自分に自信を失ってしまう。
・ひどいことを言いそうなときには、「完璧なママ」を目指していないか考えてみる。そんなと
 き、必ずまわりにサポートを求めること
・褒めているつもりで、「褒められない子」を作らない。褒めるときは、その子一人だけ、ほか
 にいる前では褒めない。
 「子どもは敏感なのだ」とかつての自分の子ども時代を思い出しながら、「自分が言われたらいやな事は言わない」「自分が言われたらうれしいことで、声をかけてあげる」を原則にすることです。
  《子どもに嫌われる母親の特徴》
 ●過干渉である
 ●完璧主義で褒めてくれない
 ●他人と比較する
 ●意思を尊重してくれない
 ●発言が矛盾している
 ●悪口や愚痴ばかり言う
 言葉だけでなく、その場の雰囲気や親の表情から察知します。黒柳徹子さんの母親は、「徹子さん」と呼んでいました。「我が子であっても、常に一人の人間として扱ってくれた。それがうれしかった。」と言っています。

2023年11月30日木曜日

花だより 汚い言葉や乱暴な言葉遣いをするのには理由がある マルバノキ

 子どもは、悪い言葉をすぐ覚えて使います。親が使っている場合、友だちの影響、一番はテレビからかもしれません。親は子どもの間違った言葉づかいを矯正する必要があります。言葉の間違いを犯さない子どもは一人もいません。子どもは単語のさまざまな組み合わせ方を試します。その組み合わせが間違っているのに、誰もそれを指摘して直さないなら、子どもはそれが正しいと誤解して使い続けてしまいます。
 人を罵倒したり差別したりする不適切な表現が含まれていることがあるので要注意です。ネットでスポーツ選手への心ない書き込みをする輩も多いといいます。小さいころから、親は「そういう言葉を使ってはいけません。言ってはいけません。やってはいけません。」と注意する責任があります。そうしなければ、子どもはそれを受け入れられると思い込んでしまうからです。言葉の使い方が不適切だと周囲から拒絶と批判を招き、自尊心を台無しにしてしまいます。

 子どもが汚い言葉や乱暴な言葉遣いをするのには2つの理由がある。
1 注目してほしいから
 叱ってくれたり、対面してゆっくり話を聞いてくれたりすることは、子どもにとって非常にうれしいことなのです。
 そのため、言葉遣いに注目して子どもの相手をすると、かえって悪い言葉遣いを悪化させることになります。
2 要求を通したいから
 乱暴で威圧的な言葉を使って要求して、相手が折れれば、それが成功体験になります。そんなときは相手にしないことです。
 悪い言葉に対して叱ることは、子どもにとって思うつぼです。そんなときは、距離をおいて、子どもの言葉に関心を示さないことです。

2023年11月29日水曜日

花だより 魔の2歳児 癇癪(かんしゃく)は成長過程の特徴 🍓 ベコニア

 

 癇癪(かんしゃく)は成長過程の特徴
 赤ちゃんは空腹や眠気、おむつが濡れているなど、不快な思いを泣くことで表現します。すると親は、あやしたり、ミルクをあげたりして、それを解消しようとします。それは親子の大切なコミュニケーションの始まりです。
 1歳になるとつかまり立ちやハイハイで行動範囲や視野が広がり、興味のあることが増えます。ところが自分の思い通りにできないことが多く、不満な気持ちに、不快や不安が加わり、癇癪(かんしゃく)を起こすようになります。
 原因を取り除いても、いったん癇癪が起きると、自分で気持ちをコントロールできない状態になり、地面に寝転がって奇声を上げたり、泣き叫ぶ、物を投げる、人をたたくなどのパニックを起こします。
 2,3歳になると自我が芽生え意思表示ができるようになると、自己主張で癇癪やパニックが激しくなります。これが「魔の2歳児」です。
 そんな時は、場所を変えることで、気持ちが変化し、落ち着けることがあります。抱きしめたり、背中をトントンしたりしてあげることも効果的です。落ち着いて泣き止んだら、しっかり褒めることが大切です。
 体と脳が著しく成長し、何でも自分でチャレンジする自立の勢いが、大人には反抗期に見えるのですが、親にとっても子どもにとっても、自立に向かっている大切な時期なのです。
 やがて親の言葉を理解し、表現やコミュニケーションの取り方が分かってくると、癇癪やパニックは減っていきます。
 発達障害の子どもの場合も同じような対応が効果的です。子どもが癇癪やパニックを起こすのは、親の責任ではなく、成長過程や特性であることを理解すべきです。
     11月25日(土)読売新聞「子育て応援団」より (牧野要約)

  

2023年11月28日火曜日

花だより 家庭の持つ「5つの力」はこれから幼児施設で担う リンドウ

             
 家庭の持つ「5つの力」~                    

1 愛の力
  家庭は親から子に愛情が注がれる場所です。いつも家庭に会話があり、笑いがある。誰   
 かにいいことがあれば、みんなで喜び、悲しみも全員で共有する。こんな日常が子どもの
 安定した心理状況を育てます。
2 経済の力
  衣食住全ての面で子どもの生活が保障され、学校にも通える。家庭はこうした「健康 
 で文化的な最低限度の生活」を子どもに提供する場所です。そのために親は働いてお金 
 を稼ぎます。家庭は経済の力を持つ場所だということです。
3 しつけの力
  自分の健康管理や公共マナー、他者との交わり方など、しつけの領域は多様です。そ
 うした礼儀作法や規範を教えて身につけてさせる場所が家庭です。
4 文化の力
  文化とは、音楽や美術に親しみ、時にはスポーツを楽しむといった高尚なものだけで
 はありません。親子の触れ合いこそが「家庭の文化」です。最も簡単な文化活動は、家
 族の団らんであり会話です。日常の出来事に対する喜怒哀楽のやりとりです。
5 人格の力
  子どもは親をまねて育ちます。子どもは育ってほしいようには育たない。育てたように  
 育つのです。「人格の力」と言っても気負うことはありません。いつも地道に働いてい
 る。親同士が仲良く、互いに労わり合う飾らない姿を示せばいいのです。
                      (全国教育文化研究所 重水 健介)
 
子育ては社会が担う、保育料や給食費の無償化に伴い、0歳からこども園に預ける子が増えそうです。家庭の「5つの力」は、そのほとんどを幼児施設(こども園)で担わなければならなくなります。