2026年4月1日水曜日

花だより 特選実話から(4) 「校長室に来る子」  ソメイヨシノ

 

 特選実話10選から 「校長室に来る子」 
「先生、先生…」と寄ってくる子は、担任がかわるとすぐに新しい先生に懐きます。
 校長室にゲームやおもちゃを用意して、休み時間に子どもたちを迎える校長先生がいます。それが「いい校長先生だ。」と評価する人もいますが、私はそうは思いません。
「校長室は何のためにあるのか?」ということです。校長室のつくりは、他と違って少し豪華になっています。応接セットがあります。立派な調度品が置かれ、歴代の校長の肖像が睨みを利かせているのが校長室です。
 休み時間は、友だちとグラウンドや体育館で遊ぶものです。それが校長室に来る子は学級になじめない子です。何か満たされないと他の子と違う行動を取るからです。
 担任が手に負えない悪ガキAが校長室にやって来て、ソファに寝転がるようになりました。校長室の居心地を悪くするために「論語」を読ませることにしました。すると児童館の先生から「校長先生、Aくんに論語を教えているんですか?『人を外見で判断してはいけない』と論語に書いてあるの知ってる?」と言われたというのです。
 Aは母親が再婚して転校していきました。Aから手紙が来て「今度の学校の校長先生は、校長室に行っても論語を読めとは言わない。」とありました。
 手紙と言えば、網走市潮見小学校に赴任した時の3月、斜里中学校から親展の手紙を届きました。中にもう一通、かわいい絵柄の封筒が入っていました。
~牧野校長先生、お久しぶりです。小学校でお世話になった○○です。中学校を卒業するにあたり、お世話になった先生や思い出にある先生に手紙を書くことになり、私は牧野校長先生に手紙を書くことにしました。小学生のとき、校長先生は、いつもおもしろい話をしてくれるので、休み時間になるとよく校長室に行っていました。そのことを思い出したからです。斜里中に来てからは、校長室に行くことはありません。それは中学生なので仕方ないことです。3月14日が卒業式です。そして、4月からはたぶん高校生です。いろいろなことにチャレンジしていきます。校長先生もがんばってください。~
 思いがけない手紙でした。斜里朝日小学校には2年間だけの在職でした。○○さんは、当時小学5年生で口数の少ない大人しい子という印象でした。その子から4年経って手紙が来るとは思ってもいませんでした。どんなおもしろい話をしたか覚えていませんが、休み時間に校長室に来るのは何かあったのだと思います。“中学校では校長室に行くことはなかった”と書いてあったので安心するのと立派に成長したことにうれしく思いました。 もう素敵なお嬢さんになっていることでしょう。 
 
 

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