2018年10月13日土曜日

花だより サルビア 保育要領 紅葉の野付牛公園


   *あなたはこれを読んでどう思いますか?
  1 家族の感情や態度は子供の人なりや、行動を決定するのに重要な役割をはたすも
    のであること。
  2 幸福で円満な子供にするには、まず健康に育て上げること。
  3 子供は家庭の一員として仕事を分け合い、ともに楽しむこと。
  4 愛情・権利・責任感の必要、偏愛の害。
  5 父母の人がら、夫婦生活の児童への影響、働く母の問題。
  6 子供らしく、そしてその年齢における発育の程度に応じて育てること。
  7 子供の個人差を考慮すること。
  8 成熟の程度及びそれと保育との関係を知ること。成熟には時間を要するというこ
   とを知るのが重要である。
  9 それぞれの発達段階における子供の能力を知ること。新しい能力を使用する機会
   としげきを与えること。
 10 子供は常に愛情を求めていることを念頭におくこと。
 11 自分がのけ者にされていると思うときには、子供は反抗的になったり、ひがんだ
   りする。
 12 食事の習慣については、おとながあまりこまごまと世話をしたり、心配り過ぎな
   いこと。そうするとかえって悪い習慣がつくことを考えおくこと。
 13 すべての子供が同じ睡眠時間を必要とするものではない。めいめいに応じた睡眠
   時間をとらせるようにすること。
 14 快く睡眠をとるようにしてやること。床につくのは一般にいやがるものである。
 15 お手伝いは、子供が自分で進んで協力したいと思うようにしむけること。
 16 お手伝いは、感情に走ったり、あまり気を配り過ぎないこと。あまり気を遣い過
   ぎるとかえってしなくなる。
 17 幸福な満たされた生活をしている子供は、社会的に承認される行動をとる。
 18 悪い行為は、情緒的混乱と子供の欲求が満たされないところにあること。
 19 子供が社会的行動をとるように導く。両親が温かい心持ちで子供を理解してやる
   態度をとるとき、はじめて、子供に自制力が出てくる。子供に安定感を与え、行動
   の基準を知らせるとともに、自分で思うようにやれるだけの自由を与えることが
   大切である。
 20 大人に頼らない自分のことをやるだけの独立心を養う。いつまでも監督を受けた
   り、せかされたりせずに、自分のことや他人のことを自らするようにする。幼少の
   ころから他人に頼らずにすることは、大きくなってから独立できるもとである。
 21 幼児の遊戯は「仕事」でもあり「学習」でもある。
 22 粘土・絵具・積木・おもちゃなどは、創造的遊びや模倣遊びのよい材料になる。
 23 遠足・絵本・お話・音楽・歌唱等は、子供の遊びの経験を豊富にする。
 24 子供は自分と同年輩の友だちを求める。
 25 グループ内で子ども同士が互いに接触して遊ぶことは大切である。
 26 集団生活の経験を与えるところに幼稚園や保育所の価値がある。
                           
 これは1948年(昭和23)3月に刊行された文部省編「保育要領~幼児教育の手引」(試案)で、幼稚園、保育所及び家庭生活に共通の幼児教育の手引として作成されたものです。(抜粋)
 保育所や幼稚園の保護者に向けて、「幼児の特質がどんなものであるかをわきまえ、それに応じた適切な教育や世話」を行うことが示されています。現在の幼児教育と通じているばかりでなく、それを直接、保護者に対して説いた「要領」があったことに驚かされます。幼児教育への関心が高まる中、家庭教育支援としての幼児教育の重要性を伝える新しい「保育要領」のようなものができないだろうかと思うこの頃です。
   『内外教育』2018年(平成30)7月号
       「保育要領~幼児教育の手引」に学ぶ 
                   国立青少年教育振興機構理事長 鈴木みゆき

紅葉の野付牛公園

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