2018年10月15日月曜日

花だより シオン 狩野亮さんの母 ジャガイモ


 「障がいがあっても劣らない」 
 潮見小PTA教育講演会が、潮見コミセンで開かれ、バンクーバー冬季パラリンピックオリンピックの金メダリスト狩野亮さんの母、照美さん(小学校教員)から金メダル獲得までの苦労話をお聞きしました。
 聴講に集まった同小の父母ら約100人を前に照美さんは、亮さんが交通事故で下半身不随になったいきさつ、その後のリハビリやさまざまなスポーツに取り組むことになったきっかけなどを振り返りながら、「障がいを持って生きていくことに、何一つ劣るところはないと思えるようになった。」と話しました。金メダルという最高の栄誉を手にしたことについて「このような人生が用意されているとは思わなかった。将来は心配なこともあるが、困難に向き合った時に人として成長できる。」と講演を締めくくりました。
 講演では、金メダルを取ったアルペンスキースーパー大回転男子座位の中継映像、亮さんが所属する企業が作成した映像を紹介。亮さんと挫折と栄光、それを支えた照美さんの努力と前向きな姿勢に、聴講の父母からは、大きな拍手を送られました。ハンカチで何度も目を拭う講演会でした。
・親の背中を見て子どもは育つ(校長謝辞より)・
 狩野先生とは、前任の斜里朝日小学校で2年間一緒でした。通勤に使っている車がポンコツだったので、「旦那さんと2馬力なんだから、もっといい車に乗れるでしょう。」と大変失礼なことを言ったことがありました。狩野先生は、「給料のほとんどを息子につぎ込んでいるので…。」と答えました。今日のお話から、息子さんがオリンピックに出るまで、精神的にも経済的にも想像を絶する苦労があったことが分かりました。
 狩野先生は、子ども、保護者、同僚から大変信頼されている先生です。なぜなら、どの子にも、どの親には、どの先生にも、誠実に親切に接するからです。今日の講演は、涙声で話していましたが、職員室では、そんな境遇であることを微塵も見せることなく、常に明るく振る舞う先生でした。
 そんな折、亮君のオリンピック出場が決まったときだったと思いますが、今度は先生ご自身が病気になり、札幌で手術をすることになりました。“何故神様は、これでもかと惨いことをなさるのか”と胸が痛くなりました。そのときも先生は気丈に振る舞っていました。
武田鉄矢が海援隊で歌った「贈る言葉」の中に「人は悲しみが多いほど、人には優しくできるのだから…」という歌詞があります。正に狩野先生にぴったり当てはまる言葉です。ご主人も斜里中学校の教員で野球部の監督をしていて、生徒、保護者、地域からも大変慕われている立派な先生です。この親にして、この子ありです。今日は、「子育て」と「生きる」ことの勇気をもらったような気がします。ありがとうございました。狩野先生が健康でこれからますますご活躍されますことと亮君のオリンピック2連覇をご祈念申し上げ、お礼の言葉とします。
 お見送りに外に出ると車が新しくなっていました。「少し余裕ができました。」と笑顔の狩野先生に戻っていました。

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