2020年3月23日月曜日

花だより 『当たりまえのことを当たりまえに』 桜

 ~研修録発刊に寄せて~ 『当たりまえのことを当たりまえに』 
                    北見市立北小学校長 牧 野 喜 充  
 学力向上のキーワードは、「当たりまえのことを当たりまえに」すること。実績を上げている学校力向上推進校が提唱している言葉です。「決して、難しいことや新しいことをやるのではなく、当たり前のことを当たり前にやることで学力は必ず向上する。」と断言しています。
 ところで「当たり前のこと」とは具体的にどういうことでしょうか? それは、教員の愛読書「小1教育技術」(4月号)に書いてあることではないかと思います。
 ○チャイムが鳴ったら席に着く。 ○次の学習の準備をしてから休み時間に入る。など
実家の本棚から30年前の「小1教育技術(4月号)」引っ張り出し、書店で最新のモノと比べてみましたが、ほとんど変わっていません。
 当たり前のことを普通にこなすこという、一見簡単に見えることをずっと続けることで、ものすごく差がつくものです。
 メジャーリーガーのイチロー選手は、「小さいことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道である。」という素晴らしい言葉を残しています。
「誰よりも早く球場に行く」、「毎日準備を欠かさない」、「道具を大切にする」
小さなこと(「当たり前のこと」)を小学生のころからずっと愚直に続けて世界のトップに立ったのがイチロー選手なのです。
 2月の年度末反省会議で、ある先生から「学校経営計画に学習規律(学習のルール)について記載されていますが、全校的にどの程度徹底されているか、生徒指導部ではおさえていますか?」という質問がありました。
 研修部からは、「学習環境を整える取り組み」が盛り込まれた次年度の研修内容が発表されました。学校の課題解決のために最も重要なのは「校内研修」です。研修部は、次年度の方向性をまとめ上げるために何度も会議を重ね、議論を積み上げてきました。そこには、子どもたち一人一人を大切にし、確かな学力を身に付けさせたいという強い思いを感じました。
 自分たちの足下を今一度見つめ直す。そんな取り組みが研修ばかりでなく、今年は、随所に見られました。
 今年も全員が授業公開をしました。授業力、指導力を磨くのは、管内大会や全道大会ではなく校内研です。授業者を知り、子どもの実態を知っている者が、指導案づくりから参加し、遠慮無く評価し、もの申すことができるのが校内授業研だからです。
 この研究集録は、教職員の心血を注いだ教育実践の足跡であり、貴重な基本です。これがまさに「当たり前のことを当たり前に」なのです。
 また、今年は地域連携研究主体校の指定を受け、特別支援教育の充実にも取り組みました。8月には、発達障害者支援道東地域センター「きら星」センター長丸山芳孝氏と北見特別支援学校の久戸 優先生を招き研究会を開催しました。全教職員が特別支援教育に対する理解を深めるきっかけになりました。
 さらに今年度から始まった授業改善推進チーム活用事業では、小泉小の佐野先生、南小の大高先生、本校の小柳先生が各学級に入り、担任と一緒になって、子どもたちに確かな学力を身に付けるための授業改善に取り組みました。最終日、6年生の女子が佐野先生に「算数の勉強がよく分かるようになりました。」と感謝の手紙を渡したそうです。その成果を目の当たりにしているところです。ありがとうございました。

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