2020年3月4日水曜日

花だより 校長のモーニングコート 梅

モーニングコート(正礼装)
 校長になったとき、先輩校長から、「モーニングコートはどこで作る?いい店を紹介するぞ」と言われました。そういえば卒業式の校長はモーニングコートを着るのです。
 校長の一番の仕事は何か、それは“卒業認定だ”とその先輩校長は言うのです。
卒業証書をよく見なさい。「小学校の課程を卒業したことを証する。」と書いてあって校印、職印、割印、3つも押してあるだろ。それを一段高いステージ上で渡す。体育館にステージはあるが、昔は勝手にステージに上がることは禁止されていた。卒業式は式であり、厳格な格式が重んじられる。卒業証書を渡す校長が平服でいいわけがない。紋付袴かモーニングコート(正装)でなければならない。
 但し、「紳士服の〇〇」(量販店)でも一式そろえるとなると10万円以上はします。卒業式以外では、わが子の結婚式くらいで、着る機会もそれほど多くありません。しかし、ほとんどの校長は、モーニングコートを設えるのです。
 卒業式当日、病気で欠席した子がいて、さらに不登校の子のために、後日改めて卒業証書を授与することになりました。その時も、その子だけのためにモーニングに着替えて、壇上で授与し、式辞を再度読みました。
 それほど大事な卒業式ですが、今回は新型コロナウィルス対策で簡素化して実施することになりました。まだ校長は、モーニングコートを着ることができますが、この日のために一年間努力してきた卒業生担任は、複雑な心境でしょう。
 6年生担任が言っていました。子どもたちが大きくなって、同窓会に呼ばれたら「俺たちの卒業式は、コロナのためにできなかったよなあ~」と絶対言うよね~。

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