教育の新たなライフスタイル
教育の世界は、教師や子どもの夢、情熱に左右されやすい部分が多分ある。教師が情熱をもって授業を行えば、どのような教育方法でも成果は上がる。
しかし、コロナ禍でこれまでできたことができなくなった。端末が一人一台配備される「GIGAスクール構想」にあるように、教育のデジタル化が急速に進もうとしている。教室での紙とチョークの教育の方が、子どもたちの協働学習や深い学びには適合しているのかもしれないが、コロナ禍で、人との距離をとることが必須の今、デジタル環境整備と支援をしっかりして、新たな教育に意味を見出すことが今の流れになっている。
集団重視の学校教育が苦手で、不登校に陥る子どもがいる。閉鎖的で密な教室での人間関係は、いじめの温床でもある。遠隔教育、個別学習、緩やかな学校行事や部活動、距離のある友人関係は、子どもたちの心を軽くする。放課後の自由時間、密を避けた家庭や地域で過ごす時間、ウェブでの自宅学習は、子どもの蜜な学校生活一辺倒の生活からの解放をもたらす。
受験競争に勝ち抜き、都会の大企業に勤め、密な付き合いの会食に明け暮れるエリート生活から、地方に住み、自分の好きなことを選び、人との距離を取り、ゆったりとした時間の流れるライフスタイルを考えるのもよい。社会の転換期には、人々の仕事や生活が大きく変わる。新型コロナ後のさまざまな変化は、必須である。蜜を避ける新たな教育やライフスタイルに夢をはせたい。
敬愛大学客員教授 武内 清(「内外教育」1月号巻頭言より)
ゆとり教育が導入されたとき、多くの教育関係者は、これで日本の教育は変わると思った。しかし、学力論争が起こり、ゆとり教育が戦犯にされ、振り子は大きく戻された。
ゆとり教育より、今回の改革は根本を揺るがすものだ。ハレーションが起きるのは必須だ。初夢が「まぼろし~」にならなければいい。平時に戻ったとき、どう対応するか心配だ。
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