2021年1月28日木曜日

花だより 学校の全国一斉休業で何が起こったか? ミカン

 

  全国一斉休業で何が起こったか?
 「新型コロナウイルスのパンデミックは、それまで見えなかったことを見せてくれている。壮大な社会実験でもある。」と言っているのは、青山学院大学特任教授 耳塚寛明氏である。
 大学では、オンライン授業を余儀なくされ、それが良いとする人もいるようだが、対面型授業がいかに優れているか改めて知ったのではないだろうか。
 学生たちの反応を肌で感じ取って、その場で説明を加える。学生の発言を聞いて、次の問いを変える。これは、対面型授業の醍醐味である。何より、オンライン授業の準備は対面型より何倍もの時間がかかる。疲労困憊で病気になる教官もいる。
 昨年春、教育界は全国的な休業期間を経験した。地域のよって差があるし、公立か私立でも影響は異なった。改めて学校の存在感に気付かされた契機になったのか、それとも学校などなくても、もっと効率的に学べると感じた人が多くいたのか。どんな変化をもたらせたのだろうか。 
 休業期間の存在が、子どもたちの教育格差を決定的に拡大する結果を招いたのではないか。オンライン授業であれば、家庭の情報通信技術(ICT)環境の優劣が学習効果に直接影響するだろう。紙の宿題によって休業をカバーした場合でも、その内容や保護者の支援が学びの成否を左右する。学校は、家庭の経済的、文化的環境の凸凹をならし平等化する役目を担っている。一時的に学校がうせたことで、家庭環境の影響がむき出しになったとしてもおかしくない。
 地方から東京の大学に進学した学生は、授業が全てオンラインになり、憧れていたキャンパスライフを楽しむことができないことに不満をこぼす。学校は、ただ授業を受ける場所ではない。コロナの収束(終息)を予想する専門家はいないのだから、コロナが社会生活に及ぼす影響は、だれも予想がつかないし、計り知れない。今は「忍」の一字で、壮大な社会実験の結果を待つしかないのか。


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