「指導が入る」「指導が入った」生徒指導の専門用語
~学校では「指導する」とは言わないで、「指導が入る」と言う?~
生徒指導の先生がよく使うのが、「指導が入る」とか「指導が入った」という言葉です。通常の会話では、単に「指導する」と言いますが、あえて「指導が入る」というには意味があります。
≪指導が「入る」とは?≫
「指導が入る」というのは、教師が指導をした結果、児童生徒が十分に反省し、教師にとって望ましい行動変容がみられることを含意する言葉です。「指導した」だけでは、生徒指導にはならないのです。
「指導が入った」とは、どういう状態なのか?
指導する目的は、困っている状態から、本人も周囲も望ましいと考える方向へと導くことです。教師からの強い指導(威嚇的な叱責等)によって、児童生徒が怯えやその場しのぎのために、一時的に行動を改善させた場合には、「指導が入った」とは言いません。指導とは、児童生徒自身の気づきを促し、自ら適切に判断し、行動する力を育むことだからです。児童生徒が指導内容をしっかりと理解し受け入れ、自ら反省し行動を改め場合に、はじめて「指導が入った」と言うのです。
≪「指導が入る」ためには≫
問題行動を起こした児童生徒が、納得・反省という意味で指導を受け入れることが「指導が入る」ことです。指導を受け入れられるかどうかは、教師と児童生徒との信頼関係によるところが大きいのです。
「指導が入る」ためには、受け入れる側の児童生徒が自身の心のコップを上に向けることです。そのコップに指導によって水(説諭)が注がれ、水が溜まっていくことで自分の心の中で反省することが可能になります。心のコップが下を向いたままで指導すると、水ははじかれ周りに飛び散ります。これではいくら丁寧に話をしても指導は入りません。コップがどっちを向いているか、生徒指導の基本は、児童生徒との信頼関係を築くことです。
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