2025年5月16日金曜日

花だより 言葉の力 カスミソウ シラン

 


 現代社会では、新しい言葉が社会にあふれています。しかし、実のところ日本の言葉は日々、減り続けているのではないでしょうか。言葉の役割は、二つあります。ひとつは、何か必要にせまられて発する言葉、もうひとつは、何かに感動したときなどに発する、自分の気持ちや思いを表現する場合の言葉です。
 多くの場合は前者で、メディアから流される膨大な広告情報は、その象徴的といってよいでしょう。テレビやSNSを見ても、新聞を開いても、目を引くロゴデザインやレイアウトで、そこで語られていることは、「ステキ」「安い」「簡単便利」という言葉ばかりです。スマホを開くと、そこに並んでいるのは、指示や連絡ばかりで「何々をしてください」「ご多用のところ恐縮ですが…」といった類の言葉のオンパレードです。
 その一方で、自分の気持ちを表す、心の中から出た言葉に出会うことは、滅多にありません。今はSNSやユー・チューブの世界がそうかもしれません。しかし、それらの言葉のほとんどが、自己満足的なつぶやきに過ぎないものだったり、互いの日常生活を写真付きで自慢し合う場になっています。
 字とはもともと人の心が万物に感動してつくり出されたもので、古今和歌集にある「大和うたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける」が伝えるように、和歌とは人との心を種として、さまざまな言葉の葉が繁ったものなのです。
 言葉の洪水に押し流されて「言葉」の精神を失うことは、おそらく、私たちの生きる力そのものを失うことになるに違いありません。(日本言の葉協会)

芝桜が見ごろを迎えました。


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