2021年7月31日土曜日

花だより 日本は遅れていますね! ムクゲ

 

 オリンピックの開会式は、1000台のドローンで夜空に地球を描くなど、日本のハイテク技術を駆使した演出だった。しかし、コロナ対応で日本は決してデジタル化が進んでいる国ではなかったことが浮き彫りになった。
 自分も財布を持たずスマホのバーコード決済で買い物をするようになったが、すべての店が対応していない。特に地方のスーパーでは、セルフレジが普及したものの支払いは現金という人が大半で、長蛇の列は未だ解消されていない。ところが中国では、露店でお年寄りからものを買うときですら、スマホで支払うのは常識で、すべてがスマホで済む。「日本は遅れていますね!」中国人から言われるとは思わなかった。
 日本では、スマホを持っていない人にも対応すべきで、デジタルに頼りすぎるべきではなく、紙から学ぶべきだといった論調を大手新聞社などが真剣に述べている。単なる機器所有の差ではなく、社会全体のデジタルに対する意識や発想の差が表出している。それが学校での情報教育の遅れを生んだ。
 GIGAスクール構想では、厳しい国際競争の中で活躍せざるを得ない子どもたちのために、何を伝えていくべきか。多くの大人が毎日活用しているPCくらい、義務教育段階で日常的に活用するのは当たり前だろう。紙よりデジタルの方が分かりやすいのは、もう誰もが認めるところだ。現金で支払い、お釣りをもらうのは、もうやめよう!


2021年7月30日金曜日

花だより 自然や社会体験から人は学ぶ トキソウ

 


 「人として大切なことは、大学という最高学府ではなく、幼稚園の砂場の中で学んだ」
 ロバート・フルガムの言葉にあるように、入学前の経験・体験は、小学校での学力(?)を大きく左右するといいます。ですから、幼稚園やこども園では、体験活動を重視しています。毎日、近くの公園に散歩に出かけ、砂場で遊び、暑い日には水遊びをします。農園作業もするし、養蜂場で採蜜作業の体験もしました。
《自然や社会体験から人は学ぶ》
  戦後、新教育がうたわれ、アメリカ流の進歩主義教育運動が盛んになったとき、体験を重視したカリキュラムに対して「はい回る経験主義」という批判が浴びせられ、「学力低下」をもたらした原因だと攻撃されました。近代以降、新教育運動としてたびたびみられたカリキュラム改革(コアカリキュラム)は、そのたびに「学力低下」論によって批判され、下火になりましたが、やっと今、生活科や総合的な学習の時間の定着で、見直されてきています。
 現代は、パソコンなどの進歩で、写真や映像などの疑似体験が主流になりつつあります。しかし、それで本当にカバーできるのでしょうか?
 ▼水は、じょうろで植物の上からやる?(教科書の絵がそうだから)
 ▼画面に映し出されるバーチャルな戦闘シーンの画像では、体の痛みは分からない。
 ▼家庭で炎(火)を見たことがないので、キャンプのとき火をつかもうとした子がいた。
  本物の体験には絶対敵わない!
  “目に見せて、やって、聞かせて、させてみて、ほめてやらねば 人は育たず”
  (山本五十六訓)
 「体験」は、行動すること自体を指します。「経験」は、行動した上で、知識や技能が身に付けることです。つまり、「体験」を通じて結果的に学びを得た場合、それが「経験」になるということです。ただ、やればいいということではないのです。



2021年7月29日木曜日

花だより 夏休みの生活リズム ひまわり

 

 🤦‍♂️夏休みになると、とかく家庭では子どもに対して放任か、反対に干渉し過ぎの傾向になりがちです。学校からは、「自主的に生活させるように」と一日の生活表や夏休みのめあて(生活設計)を子どもたちに立てさせます。担任からは「無理のない計画を立てて頑張って下さい。」というコメントが付いています。しかし、実際に守れるのは、何日あるでしょうか? 
 😒生活リズムは、それぞれの家庭で違います。
 毎朝一番に学校に来る子がいます。「どうして早いの?」と聞くと「お父さんが朝早く仕事に行くので、お母さんは4時に起きてお弁当を作るから、ぼくも5時に起きるんだ。だから、夜は8時過ぎには寝ていて、夏休みもたぶん変わらないと思う。」
 夏休みだからといって特別にしないことです。起きる時刻、寝る時刻などは、学校に通っているときと同じリズムにすることです。そうしないと夏休み明けに「学校に行きたくない!」という子が出てきます。
 👀東京2020オリンピック 今年の夏休みは、コロナ禍で旅行とか外出は避けなければなりませんので、テレビ観戦という家庭が多いでしょう。海外で開催されるオリンピックは、時差があるので夜中とか、早朝にテレビ中継がありますが、自国開催なので、生活リズムを変えることはありません。今年は、テレビを見る時間が増えても大目に見てあげることです。その分ゲームをする時間やYouTubeを見る時間を減らすことです。

2021年7月28日水曜日

花だより オリンピックの感動 コマクサ

 

 外国で開催されるオリンピックは時差があって、夜中や早朝でないとLIVE中継が観られないが、自国開催だとリアルタイムで様々な競技が中継されるので、チャンネルを替えながら観ている。
 女子ソフトボールのピッチャーが投げる球速は110㎞くらいだが、距離が近いので体感では200㎞くらいに感じるというが、そのボールを打ち返す。卓球の超高速ラリーの打ち合い、体操では、何回もひねったり、回ったりしているのに着地をピタッと止める。体重50㎏に満たない女性が100㎏以上のバーベルを持ち上げる。アーチェリーは、風が吹く中で70m先の的の中心を射抜く。オリンピックでの超人たちの凄さには驚くばかりだ。
 「一流になるための10,000時間の法則」がある。1日3時間毎日練習を続けて約10年はかかる。金メダリストは超一流なので倍の20000時間かかるとしたら1日6時間やっても10年はかかる計算だ。スケートボート女子で日本人最年少金メダリスト西矢 椛選手はまだ13歳、6歳から始めたそうだが、7年で超一流の仲間入りを果たした。法則に当てはめると毎日10時間の練習したことになる。
 持って生まれた運動能力の高さもあるだろうが、彼らの努力と精神力の強さを目の当たりしたとき誰もが感動する。
 期待を大きく上回る時に「満足」から「感動」に変わるという。ひたむきに『血と汗と涙』で打ち込んできた努力が、4年に一度という限られた機会にゴールが設定されていて、結果が求められていることが、より「共感・達成感・喜び・悲しみ」を湧き起こす。それがオリンピックだろう。

 

2021年7月27日火曜日

花だより 夏休みをどう過ごす? マツバボタン 

 

 😃「東京2020」日本勢最年少13歳の金メダリストが誕生しました。
 スケートボードの西矢 椛(もみじ)選手は、6歳の時に2つ上の兄を追ってスケートボードを始めたそうです。夏休みは、スケートボードに明け暮れる毎日だったのでしょう。一流選手に共通するのは、身体能力の高さと並外れた集中力です。
 「夏休みは、遊んでいればいい! 勉強、勉強でかわいそう!」て本当?
「学校で勉強して、帰ってきたら塾へ行き、遊ぶ暇もありゃしない。それより子どもにもっとゆとりを・・・。」と思っている人が結構多くいます。
 でも、長い教員生活の中で勉強ばかりしている子を見たことがありません。先進国の中で、家庭学習の時間が一番短いのが日本の子どもです。全国学力・学習状況調査では、北海道の子どもたちの夏休みの学習時間は、他県に比べて非常に少ないという結果が出ています。勉強していないのに学力が高いわけがありません。「学力低下で日本は滅びる」と主張する人もいます。だからと言って「1日いっぱい勉強しなさい。」というのではありません。1日の生活表の中で、午前中にせめて1時間は勉強時間に充てるようにする。これは親の努めです。残りの時間でスケートボードはたっぷりできます。それよりも今年は、オリンピックを見ることです。
 


2021年7月26日月曜日

花だより 卑怯を憎む心 ナデシコ

 

 人を貶めようとしたら、簡単にできる世の中になりました。インターネットの登場で、過去の不適切な言動を洗い出して拡散すればいいのです。それが事実でないことでも、一度ネット上に上がれば勝手に広がり、もう消すことができないのです。いじめも今やネット上の誹謗中傷が多くなりました。簡便さにより、安易に誰もが行うようになりました。そして、誰も責任を取ろうとしないのです。
 「国家の品格」で著者の藤原正彦氏は、「武士道の精神である『卑怯を憎む心』をきちんと育てなければならない。」といっています。
 また論語には、「楚の国の葉公が孔子にいった。『私の国には曲がったことが嫌いな正直者がいます。父親が羊を盗んだときも、子でありながら訴え出たような立派な者です。』これを聞いた孔子は「私たちの町にも正直者がいますが、これとは異なります。子は父の罪をかばい、父は子の罪をかばいます。罪を隠すことは善くないことですが、これが人情の極至であって、自然な親子の情でしょう。」とあります。

2021年7月25日日曜日

花だより 横綱の品格 ニッコウキスゲ

 

 大相撲名古屋場所千秋楽、白鵬に敗れはしたが14勝1敗で、第73代横綱・照ノ富士が誕生した。
 伝達式で「不動心を心掛け、横綱の品格、力量の向上に努めます。」と口上の述べた。
優勝を決める大一番で、また白鵬は、プロレス技のエルボーパンチ(かちあげ)を繰り出し勝利した。反則技ではないが、横綱の品格を伴わない取り口に苦言を呈された。
 剣道には相手の喉元、胸元を突く「ツキ」という技があるが、3段4段クラスでは使わない。また、下位の者が上段者に対して使わないという暗黙のルーだと相手を傷つけてしまうからだ。相手を傷つけてしまうからだ。
 再起をかける白鵬も必死だったのだろうが、昭和最後の大横綱・千代の富士が貴乃花に敗れた翌日、引退を発表した。真っ向勝負で敗れ、若手の台頭を確信したという。他のスポーツとは違い大相撲の横綱とは別物である。文化の違いと言えばそれまでだが、同じモンゴル出身の照ノ富士が「横綱の品格」を大切にすると誓った。ケガと病気で一時は、大関から序二段まで番付を落としながら、復活を遂げた照ノ富士には、誰からも尊敬される横綱になってほしい。


2021年7月24日土曜日

花だより オリンピックと品格 蓮 

 


 オリンピック開幕直前に、開会式の演出を担当していた人物が、過去の不適切な言動を理由で解任された。これでオリンピック関連で3人目となり「日本の品格」が問われた。
 いろいろあった「東京20202」が昨夜の開会式でスタートした。複雑な思いでテレビを見ていた。無観客で声援も拍手もない中、205の国の選手団が入場してきた。どの国の選手も晴れ晴れとした表情だった。オリンピックに参加するアスリートにとって、観客の存在や声援、拍手に恃む必要はないらしい。
 やって良かった!
 日本だけでオリンピックの「やる、やらない」は決められないのだと考えさせられた。
 コロナ厳戒下の開催となった今回のオリンピックは、万全を尽くして何としても円滑な運営に努めなければならない。それは組織委員会や政府、東京都だけではない日本全体の責任だ。菅総理は「世界が大きな困難に直面する今だからこそ、団結して困難を乗り越えられることを世界に発信する大会にしたい」と呼びかけた。
 2005年ベストセラーになった藤原正彦著「国家の品格」を思い出した。日本は世界で唯一の「情緒と形の文化」である。この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。「論理」と「合理性」頼みの改革は、社会の荒廃を食い止めることはできない。今の日本に必要なのは、「論理」より「情緒」、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。
 どこにも出かけずテレビ観戦していれば、コロナを心配する必要はないので、自分はそうして画面越しに声援を送り、オリンピックを楽しみたい。
 

2021年7月23日金曜日

花だより マナーは教えるものか? ネムノキ

 

  マナーとは礼儀 マナーは教えるものか?
 回りの人と心地よく暮らしていくにはマナーが必要です。
 マナーとは礼儀です。マナーを身に付けないと、結局その子は不幸になってしまいます。「あの人は礼儀知らずだ!」と言われるような大人になったら、それは、育てた親の責任です。そうならないために子どもには最低限のマナーを身に付けさせておきたいものです。
 こういうと「そんなこと学校で教えてくれないんですか?」というお母さんがいます。思わず「そんな大切なことを赤の他人の先生に任せられますか?」と聞き返します。
 マナーは、ナイフとフォークの使い方だけではありません。落書きをしない、あいさつをすることもマナーです。
 マナーは「教える」のではなく、毎日の暮らしの中で、親が実践して見せることです。これは、子どもを世の中に出すための親の努めです。もし、子どもにマナーが身に付いていなければ、それは親も礼儀を知らない。ということになります。気を付けましょう!
 これまでこう言ってきました。しかし現実は、学校や幼稚園で教えなければならなくなりました。ところが、使ったものは、自分できちんと片づけをする。幼稚園の先生が指導してできていることが、家ではできない。小学校に入学するとできなくなるのです。やらされてやっていることは、身に付いたとは言えないのです。


2021年7月22日木曜日

花だより 全校朝会の日課  ノウゼンカズラ

 

【全校朝会の日課】
 職員会議で、全校朝会時の日課を変える提案がありました。しかし、日課を変える前にやることはないですか?
 変更の理由は、全校朝会の時間が伸びることが多く1時間目に食い込んでしまう。というのですが、これまでは、体育館に行くとすでに集合・整列が済んでいて、すぐ始まっていたのが、集まるのが遅くなったように感じます。日課を特別に変えなくても、先生方の指導で解決する問題ではないか?日課を変えるとどこかにシワ寄せが来て、生活リズムが崩れる。というのが私の意見です。
◇8時○○分までには、体育館に集合する。(指導を徹底する)
◇進行する児童会役員は、事前にリハーサルなり、打ち合わせをして、進行をスムーズにする。(全校朝会の効率化、見直しをする。)
◇職員朝会は、効率的に短時間で済ませる。(全校朝会があるなしにかかわらず)
◇校長は長話をしない。
◇全校朝会をやる意味を改めて考える。
 など工夫する必要があると思います。問題は教師の指導力です。
担当係から「時間までに集合・整列するようにお願いします。」と言えば済む問題です。
 ヘッダーの画像が変わりました。小清水原生花園(7月18日撮影)


2021年7月21日水曜日

花だより 地域のつながりを大切に コバイケソウ

 

🤷‍♂️「そこの道路で財布を拾いました。」とこども園に届け出がありました。中を見ると診察券に名前が書いてあって「これは〇〇の〇〇さんのだわ。」「〇〇さんだったら、さっき役場に行くの見たよ。」すぐに役場に電話して「○○さん、そっちに行ってないかい?財布を届けるからと、言っておいて…。」これで一件落着です。都会ではありえない話です。
😒参観日の出席率が低い。特にPTA総会や学級役員決めのときは、授業参観が終わると、一目散に帰ってしまう。何とか残ってもらう方法はないか?どの学校でも頭を悩ます問題です。
😃ところが、こども園の参観日の出席率は、働いているお母さんが多いのですが、ほぼ100%です。役員決めで苦労することもありません。ほとんどの母親は、うちの園の卒園で先生方の教え子ばかり、おばあちゃんと同級生という先生もいます。お迎え時には、先生と会話が弾んでなかなか帰りません。
 7月に2人の教育実習生を受け入れました。もちろん地元の子です。実習初日「泣いてばっかりいた〇〇ちゃんが、保育教師を目指す年頃になったんだね。」と古参の保育士から言われていました。
👍当園では、保護者からの苦情の電話は1本もありません。給食費などの未納も一切ありません。
👀阪神大震災でのとき、昔ながらの地域住民のつながり(地域コミュニティー)ができている地域は、死者数が少なかったそうです。地域のつながりを大切にしたいものです。

2021年7月20日火曜日

花だより 一流のおもてなし エゾスカシユリ

 



  一流ホテルのおもてなし 
 東京お台場のヒルトンインターナショナルに宿泊したときのことです。田舎者なので物珍しく、ホテル内をウロウロしているとVIPフロアーに迷い込んだらしく、そこに居たホテルのスタッフから「よろしければご案内しましょうか?」と声をかけられました。
 なるほどこれが一流ホテルの接客か? 
「ここは一般のお客様は、立ち入り禁止となっています。」と言うところを、気分を害さないような言い方をしてお客さんに伝える。ホテルマン教育(気配り、目配り、心配り、おもてなしの心)が徹底されていることに感心しました。宿泊料金に見合ったサービスの提供。客がホテルを選ぶのではなく、ホテルが客を選ぶのです。相応しくない客でしたがいい勉強になりました。
 ちょっとした心遣いがあるかないかで相手に与える印象が変わってきます。言い方一つ、文章の書き方一つ、教師も普段から気を付けなければなりません。









2021年7月19日月曜日

花だより 孫の運動会 ハマオモト

 

 孫の運動会は、これまでと全く違う感覚 
🤷‍♂️孫の運動会は、教師目線の自校の運動会とはまったく見方が違います。
😃母親にべったりひっついて甘えん坊だった孫が、小学校に入ってみんなと一緒にやっていけるのか?親以上にとても心配なのです。児童席のテントの中の様子、開会式の整列の仕方、遊戯の踊り方、等賞リボンのもらい方、スタートの姿勢を双眼鏡を覗き、全て他の子と比べて見ているのです。1等だろうがビリだろうが、それほど関係ありません。遊戯の曲が何であったか覚えていません。👌一生懸命にやっている姿、それだけに感動するのです。
 🤦‍♂️今年もコロナで運動会を中止したり、秋に延期したり、種目を減らしたり、学年ごとに分散して行う学校が多くありました。
😊「じいちゃん、見に来る。徒競走とリレーと遊戯しかないけど」と言われて足を運びました。平日にもかかわらず多くの保護者、そして、おじいちゃん、おばあちゃんの姿も多くありました。こうした祖父母や親の感覚を意識して、運動会をどう運営するか、学校は考えなければなりません。


2021年7月18日日曜日

花だより TOKYO2020 山百合

 

 TOKYO2020 オリンピック招聘が決まったとき、「人生で2度、日本でオリンピックが開催される。今度は生で見てみたい。」と思ったのです。まさか、コロナで無観客のオリンピックになるとは思いもよらず残念でなりません。
 前回大会のときは9歳でした。学校でも先生がテレビを見せてくれましたが、授業が終わると走って帰り、白黒のテレビに釘付けになっていました。当時は、日本中がオリンピック一色で盛り上がっていました。父が三波春夫の「東京五輪音頭」のレコードを買ってきて、毎日何度もかけていたことを思い出します。「4年たったら、また会いましょうと、かたい約束夢じゃない…。」とまだ歌詞を覚えています。あれから4年ごとのオリンピック観戦は、人生の楽しみとなりました。
 ある人が、「東京が悪い、特に若い奴らは何を考えているんだ!オリンピックが近づいているというのに、緊急事態宣言を無視して、酒を飲んで騒いでいやがる!マスコミも反対派に同調して批判ばっかりだ。なぜ、オリンピックを成功させよう!と言わないんだ!政府やIOCが悪いんじゃない、東京の奴らが悪い!」と言った人がいました。地方にいるとそんな気持ちになるのも分かるような気がします。
 前回からおよそ60年近くたって、上から言われて従順だった日本人は、自ら考え、自ら行動する賢い国民になったということでしょうか? このままでは今後日本では、オリンピックは開催できないと思うので、今回はテレビ観戦で日本選手を応援します。
 

2021年7月17日土曜日

花だより 「ポツンと一軒家」 テッポウユリ

 

「ポツンと一軒家」 所さんの番組が高視聴率を獲得している理由は?
 風の音、木々のざわめき、小鳥のさえずり、生き生けるもののあふれんばかりの生命力。勢いよく生い茂った深緑に包まれていると、身体まで緑に染まって、新たな力が体内に満ちてくるようだ。
 いつか何かに追い立てられ、急かされてあわただしく時を過ごしているうちに、人はともするとゆとりを失い、気持ちをイラつかす。自分のことは棚に上げ、他の人に当たり散らすこともある。あるいは自分の殻に閉じこもって悶々と過ごすこともあるかもしれない。
 ときには自然の声に耳を傾け、身をゆだねてみたい。時間が静かに流れ始め、自分を振り返る余裕や物事に感動を持って受け止めるみずみずしい心がよみがえってくるはず。それまでのとらわれにふと気づき、対処する道が見えてくることもある。人間は自然の中の一部なのである。
 こんな時代だから、「ポツンと一軒家」のような番組が高視聴率を獲得するのかもしれない。それにしてもこの番組に出てくる家は、超辺鄙なところで、老人ばかりだが、超元気なことに驚く。そして、皆さんいい人ばかりだ。
 所さんの番組は、「目がテン」、「所さん、お届けモノです!」、「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」、「笑ってこらえて」など、長寿番組が多いということ。しかし、台本を入念に読むことはないし、スタッフとの打ち合わせもほとんどしないという。
 スタジオが和やかに進行することでお茶の間にもその空気が伝わると考えているからだという。テレビ収録がないときは、自分のやりたいことをとことんやる。楽しい生活があってこそ、楽しい芸能ができる。これが所さんの信条だそうだ。
 昭和30年生まれ、お笑い怪獣明石家さんまさんと同じ歳、私も同じ歳です。


2021年7月16日金曜日

花だより 「いい学校」とは? ジャガイモ

 

 子どもにとっての「いい学校」とは?
「いい学校に行き、いい会社に入れば、幸せになれる」という時代は終わりました。これからは、学歴よりも自ら学び自ら考える「生きる力」を身に付けることが求められています。  
 😊学校は、心の成長に大切な人との遊びやさまざまな体験をする場でもあります。不登校の子がいると担任は、何とか登校するように働きかけるのはこのためです。
 学校の教育目標は【知・徳・体】からなっています。北見北小は、「進んで学ぶ子」(知)「互いに認め合う子」(徳)「明るく健康な子」(体)となっていますが、どの学校でも同じような教育目標を設定し、バランスのとれた子どもの育成を目指しています。ちなみに網走潮見小学校は、「勉強大好き(知)」、「友だち大好き(徳)」、「運動大好き(体)」でした。教育目標を分かりやすい言葉で、児童生徒や保護者に浸透させることも大切です。
 😒ところが最近は、「学歴よりも・・・」という風潮が強まり、「徳」や「体」を重視するあまり「知」がおろそかにする傾向があり、バランスが崩れているような気がします。学校は、まず勉強するところであることを忘れてはなりません。
 👌自ら学び、自ら考える「生きる力」を身に付けるために一番大事なのは「知」です。


2021年7月15日木曜日

花だより 教育改革は国の最重要課題 カライトソウ

 

 《教育改革は国の最重要課題》
  教育は国の最重要課題であり、長期の国家戦略として「教育」は一番重要視されなければなければならない。1983年アメリカの教育改革白書の膨大な報告書の最後に「教育には金がかかる。その金を惜しんでかけなければ、あまりできのよくない人間の山を築くことになる。そうした場合に、あまりできのよくない人間の山(国民)ばかりになってしまった国家を改善するには、はるかにもっと大きな金がかかり、コストがかかる」という言葉で締めくくられています。
 財政が苦しくなると教育予算の削減を、教員の給与カットなど、あらゆる手段で削減しようとします。ところが、コロナショックでGIGAスクール構想だけが一気に加速されました。しかし、GIGAスクール構想の早期実現は、教育の最重要課題だったでしょうか?アフターコロナで、また教育予算の削減が行われるのは目に見えています。「それを思い止まりなさい。そんなバカなことばかりやっていると国はおかしくなりますよ!」と助言するのは、中教審のお偉い皆さんの役割ではないでしょうか?
 




2021年7月14日水曜日

花だより 学校だけでは手に負えない ヤグルマソウ

 

 ~学校だけでは手に負えない~
 いじめ、不登校、問題行動、発達障害、二次障害などの対応に加え、保護者の養育能力の欠如などで学校は苦慮しています。人との関わりの希薄化、家庭環境の変化などが原因として考えられますが、特異なケースが多くなり、子どもの深層心理を探るには、学校だけで解決することはもはやできない状況にあります。
 今、学校に求められるのは、さまざまな関係機関(教育委員会、カウンセラー、弁護士(スクールロイヤー)、児相、医師、警察など)と連携することです。フットワークを軽くし、情報を交流し、迅速に対応することです。
 《萎縮せず組織的に取り組む》
 特に、保護者からの理不尽な要求、自己都合や感情的に公的機関を批判することが増えています。こうした保護者からの苦情に対しては、学校は萎縮することなく、毅然とした態度で取り組み、関係機関と連携することが大切です。
   



2021年7月13日火曜日

花だより 自治会総会 トマト ハイビスカス

 


・・自治会総会「住民自治」・・・
 どこの町内にも世話好きなおばさんがいるものです。集まりには、必ず自分で漬けた漬け物を持ってきたり、早く来て段取りを付けたり、場を盛り上げる話をしたり、町内会には無くては成らない存在です。
 市長さんの挨拶から 「これからの町づくりは『住民自治』」
 同じ震災を受けた地域で死者がたくさん出た地域とそうでない地域がありました。前者は、マンションが建ち並び、大型スーパーがある近代的な地域で、後者は、古くからの商店街を中心とした古い町並みの地域だそうです。この違いは、普段からの近所付き合いにありました。地域住民の結びつきが強い地域では、地域住民が助け合って救助活動をした結果、一人の死者も出さなかったそうです。逆に隣の住人と挨拶も交わさない、顔も知らない。という地域は、災害時に弱いだけでなく、犯罪多発地帯でもあり、青少年の非行率も高いという結果が出ています。
 世話好きなおばさんのいる自治会を大切にしたいものです。





2021年7月12日月曜日

花だより 褒めるお手伝い シモツケソウ 

 

 😃「〇〇ちゃん、今日の給食の野菜サラダ全部食べたんですよ!」
 😊「お母さん、ニンジンもちゃんと食べたよ!」
 👍「そう!えらいねえ~。丈夫で賢くなるよ!」
  こども園のお迎え時のワンシーンです。 
 子どもに大切なのは、自信と自分を大切にする力です。それは植物の根のようなもので、深く広く張るほど大きな実りをもたらします。表面的なことにとらわれることなく、その子が大きく育つことを信じて心に豊かな水を与えることです。
 そして、その水や栄養となるのが、子どもの良いところを見いだし、褒めることです。しかし、褒めていればいいというものでもありません。叱るべきところは、きちんと叱らなければなりません。叱ることで善悪の判断がつくようになります。一つ叱ったら、2つ褒めるくらいのバランスを心がけるとよいでしょう。褒めることで子どもが喜びを感じ、自信や自尊心を育てていくのです。
 しかし、こども園の先生がいくら褒めても、お母さんには敵いません。お母さんが褒めるきっかけ作りのお手伝いをします。時には、「今日は、〇〇ちゃんとケンカして、叩いて泣かせてしまったんですよ!」と報告するときがあります。 



 




2021年7月11日日曜日

花だより 『報告・連絡・相談』の徹底 ヒルガオ

 

   『報告・連絡・相談』の徹底
 「校長先生が出した文書のことなんですが…。校長先生はうちの子のことについてご存じですよね。」
 いじめ・不登校アンケートの依頼文書のことでした。保護者の中には、校長名で学校から出される文書は、全て校長が書いて出していると思っています。学校で起きていることは、校長は全て把握していると思っています。まさに校長は「校務を司る」とありますので、その通りです。
 管理職ですので、学校で起きていること全てに責任を取るということです。保護者に対して厳しいことも言わざる得ないときもあります。ところが学校の対応に否があったり、不手際があるとそれは謝罪をしなければなりません。一番困るのは「知りませんでした。」と言えないことです。教頭先生から、学校で起きたことを逐一報告してもらっていますが、先生方も小さいことでも(気になることは)教頭先生に「報・連・相」を行うようにしてください。
  校務分掌と権限委譲
「校長は校務を司る」とありますが、一人で校務全てを処理することはできません。そこで校務分掌があります。先生方を信頼していますので、とやかく言うつもりはありませんが、各分掌(係)で責任を持ってPDCAを実行してください。
 全体で確認することは大事ですが、職員会議の時間は限られています。一流企業では「提案はA4一枚が原則」だそうです。効率的な会議運営が大事です。職員会議は最高決議機関ではありません。責任は校長が取ります。

2021年7月10日土曜日

花だより お弁当を作るといいお母さんになれる グラジオラス

 

    お弁当を作るといいお母さんになれる
 こども園では、月に一度「お弁当の日」があります。
 月に一度だけなので、お母さんたちは、子どもが喜ぶ手の込んだお弁当を作って持たせます。「〇〇ちゃんのは、アンパンマン弁当だね。」たまごと海苔のアンパンマンを先生が、「お母さん上手だね。」と褒めると、帰ってお母さんに報告するそうです。
「お母さん、素敵なお弁当ありがとう!」
 なぜ「お弁当の日」を設けたのか?
 ・お弁当を作ることの大切さが分かると、家族をありがたく思う。
 ・食材がそろわないとき献立の変更できる人は、工夫のできる人
 ・クックパットを見て、技を一つでも盗めた人は、自ら学ぶ人
 ・味の違いに調味料や隠し味を見抜いた人は、自分の感性を磨ける人
 ・旬の野菜や魚の色彩、香り、触感、味わいを楽しめた人は、心豊かな人
 ・一粒の米,一個の白菜、一本の大根の中にも「命」を感じた人は、思いやりのある人
 ・スーパーの棚に並んだ食材の値段や賞味期限、原材料や産地を確認できた人は賢い人
 ・食材が弁当箱に納まるまでの過程に、さまざまな思い描いた人は、想像力ある人
 ・自分のお弁当を「美味しい」と感じ「うれしい」と思った人は、幸せな人
 ・「あるもので作る」「できたものを食べる」ことができた人は、たくましい人
 ・自分で作ったお弁当を食べてくれる家族を見るのが好きな人は、人に好かれる人
 ・お弁当を作ることが楽しいと感じた人は、家族の愛に包まれた人
 ・「生きる」とは食べること。「食べる」とは食材の命を奪い自分の命に代えること
  お弁当を作るお母さんに感謝しましょう!
  お弁当を作って、お母さんも賢くなりましょう!



2021年7月9日金曜日

花だより なぜ「和食」が無形文化遺産に登録されたのか? ギボウシ サクランボ

 




   :::和 食::: 一流料理人の技
 なぜ「和食」が無形文化遺産に登録されたのか?
 料理の力は30%で、あとは雰囲気や環境、そして「おもてなし」が大きな役割を占めます。料理人は、季節にあった新鮮な食材を、その持ち味を生かすように調理し、盛り付け、取り合わせ、器との調和など見た目の美しさも考え、温かいものは温かく、冷たいものは冷たくお出しし、最高のおもてなしをするように心がけます。人に対する温かな気遣いが「おもてなし」の基本です。
 日本人の平均的な口の大きさは約3センチ。ですから料理をつくるときには、約3センチに切ってお出しします。刺身、お新香、煮物でも基本は3センチです。それ以上のものは箸で崩せる硬さにします。例えば、がんもどきは耳たぶくらいの硬さ、焼き魚も切り身して箸で崩せる硬さに焼き上げてお出しします。
 五味(酸・苦・甘・辛・塩) 
 昔は、冬は保存食の味噌漬けや醤油漬けなどを食べていました。塩分を摂りすぎると腎臓に負担がかかりますから、春先に酸っぱいものやえぐみのある山菜などを食べて冬に身体に溜まった毒素を出します。日本は「苦み」を重視する傾向があり、これは他の国の料理と違うところです。
 季節に合った旬のものを食べることや五味をバランスよく食べることが身体のためにもよいのです。五味が全て入っている食物が「味噌」です。味噌汁の中に五色の食材を入れたのが御御御付け(おみおつけ)です。「御」という文字が3つも付いた、たいへん身体に良い食物です。
 料理はバランスをとることが大切です。まるい器には四角く盛り、四角い器には丸く盛ります。そうするとバランスがとれて心が落ち着き、きれいだな、美味しそうだなとなります。
 夏は薄い器やガラスの器を使って涼しそうに盛り、冬は厚ぼったい皿になだらかに盛ってあげると温かく見えます。これが盛りつけの基本です。 
「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。これは料理だけでなく、食べ物に関わる生活様式や自然の中に生かされていることを感謝しながら生活する日本人の食文化も含まれます。
 料理で一番大事なのは「自然」 
 自然が保たれていないと美味しい野菜や魚、肉は育ちません。人間は全てのものに感謝と思いやりの気持ちを持ち、もっと謙虚に生きなければならないと思います。「いただきます」「ごちそうさま」と、食前、食後に手を合わせる習慣も大事にしていきたいものです。

2021年7月8日木曜日

花だより 「総合的な学習の時間」再評価 ヒルガオ

 



 「総合的な学習の時間」再評価 
 文科省は、小中学校の裁量で国語や算数などの授業時数の配分を変えられる新制度を来年度から導入する方針を決めた。ただし、「総合的な学習の時間」や道徳などは、減らすことをしないという。
 ~探究活動 学力に好影響~ 
 教科の時間を削って導入されたことから、かつては学力低下の元凶として批判されたこともある「総合的な学習の時間」ですが、ここに来て探究的な学習を一層重視する構えです。
 急速に変化する現代社会を生き抜く資質・能力を育てるため、小学校から高校まで行われているが、学力向上に幅広い効果があることが学力学習状況調査から分かりました。
 受験戦争や知識偏重への反省から生まれた「ゆとり教育」の流れの中で導入された総合学習は、教科学習の時間を奪うと批判もされました。しかし、社会で使える国際標準の学力を育むとして、最近は重要性が再認識されています。当初より時間数は減りましたが指導要領や解説・資料は大幅に拡充され、成果も出始めています。
 全国学力・学習状況調査の分析によると、総合学習をきちんと行っている学校ほど平均正答率が高く、児童生徒は家でもよく勉強している。OECDの国際学習到達度調査(PISA)報告は、日本の好成績は総合学習による部分が大きいと分析しているのです。
 日本生活科・総合的学習教育学会理事の村川雅弘・鳴門教育大教授は、例えば、調べたり、まとめたりする時には国語、内容理解には理科や社会、データ整理には算数の力を活用することで、教科の学力も伸ばすことができる。問題は、自分で課題を設定し、情報を集めて整理・分析してまとめる「探究的」な過程がおろそかにされがちなことだ。と説明する。
 カリキュラムの歴史に詳しい金馬国晴・横浜国立大准教授は、教師が多忙であるなどの理由で、各教科のように内容を固定し、教科で教えるように進める学校が多い。これでは問題解決力などねらう力は身につかない。と指摘する。
 総合学習の原点とも言われる長野県内の小学校を長年見守ってきた平野朝久・東京学芸大教授は、子どもには自ら学ぶ意欲と力があるという前提で支援することが必要だ。それは他の教科でも同じだと、教員志望の学生たちに機会ある毎に伝えている。と話している。
 👀GIGAスクール構想だけでは「探究的な学習」を推進することはできない。これからは、デジタルとのハイブリッドで進めていかなければならない。


2021年7月7日水曜日

花だより 指導案を100本書いて一人前 イワタバコ

 

 研究会の助言者を何度か務めたことがありました。若いときは生意気で好きなことを言っていました。「それは違うんじゃないですか?」と言ってしまった授業がありました。その授業者は、その後、教育局の指導監になり、今でも会うとそのことを言われます。若気の至りです。
 美幌田中小学校(美幌の自衛隊から東藻琴に行く途中にあった学校、当時は30数名のへき地複式校)に27歳から32歳まで6年間勤めました。年に2回指導主事訪問があって特設授業を行いました。
 生意気盛りで指導書通りにやるのがイヤで、定型の“わたり”“ずらし”も素直にやらず、いつも突飛な授業をしては、批判を浴びて落ち込んでいました。
 当時の指導主事から「教師は教えるプロだから、授業で勝負できる教師になりなさい。単元のねらい、児童の実態から本時の目標を設定し、その目標を達成するために、どんな教材を用意するか、発問は?板書は(計画)?そして、その結果は?授業後の研究協議できちんと主張する。結果に対して言い訳をしない。」最後に「助言者や偉い人が言ったから、その通りとは限らない。信念や自信がないと授業はできないですよ。」と言われたことを思い出します。
 「教師は指導案を100本書いて一人前」と言われます。1年に1本では100年かかり、一人前の教師にはなれません。1年に10本書いても10年かかります。1年に30本近く書いて約3年です。そして、指導案をもとに授業を批評してもらうことです。それも校内研より、管内研、全道大会の授業者を経験することです。


2021年7月6日火曜日

花だより アナログも大事(原稿用紙) ベニバナ

 

 2014年のNHK連続テレビ小説「花子とアン」が月から金まで2話ずつ16時から再放送されていて、ビデオに撮って見るのが今の楽しみです。「赤毛のアン」の日本語版翻訳者である村岡花子をモデルにしています。最近の放送では、空襲に合い翻訳中の原稿用紙を大事に抱えて逃げる花子でした。
《原稿用紙が特殊なわけ》 お笑い芸人ピース又吉氏の「火花」が芥川賞を受賞して話題になりましたが、作家さんも今はワープロが主流で、彼が原稿用紙を使って原稿を書いているか分かりませんが、女流作家の林真理子氏は、原稿用紙派で行間の空欄には、推敲後にさまざまな書き込みがされています。過去の偉大な作家たちの原稿もそうです。原稿用紙の行間、わずか5~7mmの空欄はその為にあります。学校現場では、先生が“赤”を入れるのになくてはならないものです。
《映画や演劇、ドラマの台本も行間を広くとってある》 高倉健の『網走番外地』の台本を見たことがあって、(高倉本人のモノかは分かりませんが、波線や記号、感情、表情など演技の注意事項が細かく書き込まれている。)それは楽譜に似たところがあります。
 アナウンサーの原稿も、大きな字で行間を広くとっているとNHKの見学で教えてもらったことがあります。アナログも捨てたものではありません。


2021年7月5日月曜日

花だより 教育の方向性は変わらない エゾキスゲ

 

 知識基盤社会やグロ-バル化の進展、先行きの見えにくい経済環境の中、少子高齢化や格差の再生産・固定化、人間関係の希薄化など多岐にわたる課題に直面しているときに起きたコロナショックでますます世の中が混とんとなってしまいました。一方、東京オリンピック・パラリンピックを一つの目途として、新たな国づくりに向けた取組が様々な分野で進行し始め、教育においても改革の動きが急速に進むはずでしたが、GIGAスクール構想だけがクローズアップされる格好になってしまいました。
 アフターコロナ 教育の方向性は変わらない。(5年前の全連小会長の挨拶から)
 このような社会を生き抜いていくためには、絶えず知の更新を図り、どのような変化にも対応できる柔軟な思考や知恵をもち、課題解決を図ることができる資質能力が必要とされます。また、多様な価値観や個性と出会う中で、それらを互いに尊重し、つながりを深め、よりよい社会を築こうとする意志をもつことも重要です。
 これからの小学校教育においては、子ども一人一人に志を育むことが重要です。志とは、子どもが夢や希望を抱き、それを実現するための具体的な道筋を自らの内面に描くことです。その道筋を現実のものとするためには、子どもが互いに切磋琢磨しながら自ら学び考え、身に付けた知恵を活用して新たな知を創造していくことを積み重ねること、そして、夢や希望を自らの力で引き寄せる喜びを味わうことが大切となります。さらに、他の人々や社会、自然と関わる中で、これらと共に生きることの大切さを学ばせ、喜びを経験させることにより、自らの生き方に自信をもたせることも重要となります。
  校長は、教育の不易と流行を見極めつつ、これからの教育について先進的な知見をもたなければなりません。そして、子どもたちに志を高く抱かせ、これを実現できる力を育むことができる教員を育成するとともに、生きる力を支える確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和のとれた成長を図ることができる教育課程を編成・実践・評価・改善していかなければならないのです。また、学校と地域社会等との協働により、人々や社会、自然等の環境と関わる教育を推進し、学校の枠を超えた教育活動にも積極的に取り組むことが求められています。


2021年7月4日日曜日

花だより 学力向上だけが教育ではない? エゾカンゾウ

 

 指導力向上は学校全体で なぜ北海道は学力が低いのか?
 教員個人の指導技術だけに頼っていては、学力の向上は望めない。
 文科省の委託研究として、学力向上と学校の組織運営の関係について、特に学力の低い北海道を含めた調査を全国ではじめて行った。このことで組織としての学校の役割や教育委員会の支援の在り方を見直すきっかけになった。
 それまで学校は、子どもたちの学力向上について、直接話題にすることを避けてきたように思える。教員が学力向上から逃げてきたという側面もある。
 学力偏重と言われたことへの反動もその理由の一つだ。順位をつけること自体を問題視する考え方や、勉強ができることよりも道徳的に正しい子どもを育てることが重要だという考え方も背景にある。だからと言って、道徳に力を入れてきたわけでもない。
 こうした考え方が長く続いたことで、教員自身が学力向上の技術そのものをなくしてしまい、学力向上を悪いことと捉える価値観が広まってしまった。
 「学力向上だけが教育ではない」という言い方は、学力の高い県に失礼ではないか。学力が向上すれば、その他の大切な能力をなくしてしまうわけではない。学力向上から逃げる価値観が北海道ではとりわけ強いように思う。この価値観から抜け出すことが、まず第一歩である。教員の都合を優先して、公務員として当たり前の努力すら放棄しているとしたら問題である。
 先生方は「この学校の子どもは書く力が弱い。」「このクラスは計算する力が弱い。」「今度の学年は、読解力が弱い…。」という言い方をする。しかし、教員の指導する能力、ひいては組織としての学校の指導力が弱いから、子どもたちのその力がついていないのである。    
 中学生の定期テストの学年平均を見た。英語が他の教科よりかなり低かった。問題が難しかったと理解するか、それとも指導力に問題があるのか、その点に早く気づいてほしい。

2021年7月3日土曜日

花だより 大自然に囲まれてのんびり育つ子どもたち アガパンサス 浜茄子

        
 🤷‍♂️「多少学力が低くても、大自然に囲まれてのんびり育つ北海道(オホーツク)の子どもたちは幸せ」こう考える人が多くいます。しかし、北海道に生まれたから学力は低くていいのでしょうか?
 😢北海道は、沖縄と最下位争いをしていましたが、沖縄は最下位から脱却しました。オホーツク管内は、その北海道の中でも最下位層にあります。
“学力テストの結果が全てではない。競争を激化させ、一部のエリートつくるものだ!と学力向上策に反対を唱える人がいます。” 学力調査の結果・分析を見ると、全く手を付けていない問題があったり、こんな問題もできないの?と愕然します。それに字が乱雑で筆圧が弱い、きちんと消して訂正していないなど、学力以前の問題も浮き彫りになっています。こうした問題は未だ改善されていません。道教委が言っている学力向上策は、学力の最低保障です。「基礎基本を確実に身につけましょう!」ごく当たり前のことを言っているのです。
 😒さらに高校の学力調査の結果が公表されました。期待値の半分程度の結果で、十分な学力が身についていないまま進学していることが浮き彫りになりました。
 進学校ではない地方の高校では、小学校の勉強をしているといいます。全国学力調査の結果を踏まえると当然のことだと言えます。そして、学力低下は、就職をさらに困難にしています。また、学力の低い子の非行率や犯罪率が圧倒的に高いのです。北海道は、地元に残る子どもが8割を超えています。北海道が成長していくためには、人材育成が欠かせないのです。
 🤦‍♂️最後の切り札のGIGAスクール構想でも出遅れました。一人一台の端末を揃えてもネット環境が整っていないのです。インフラ整備は、教育の範疇を超えています。保護者から、「いつから使うようになるのですか?」と聞かれ、「今、先生方が使い方の研修をしています。実際に使うようになるのは来年からですかね?」こんな有様です。
 “オホーツクの子どもたちの学力が低い”と言われていることに先生方、腹が立ちませんか?



2021年7月2日金曜日

花だより 3つ叱って、5つ褒め、7つ教えよ タチアオイ 

 

 バラエティ番組「プレバト!!」にて「俳句」が取り上げられるようになって以来、「俳句」に興味を持つ人が増えているそうです。
 人気芸能人、超大物俳優も一刀両断!容赦なく「才能なし」 夏井いつき先生 
《お題》 隅田川の花火大会の写真を見て一句
 夏の日の 思い出 にがし かき氷 (長嶋一茂)
 この場合、季語が2つ存在する(季重なり)。「夏の日」は時候の季語なので、具体的な映像を持ちません。ですから「かき氷」という映像を持つ季語を残し、上五「夏の日」の五音の代わりに、この「思い出」がどんな種類のもので、どう苦かったかが(「にがし」はひらがなより、漢字で書いた方がイメージがより伝わる)想像できる言葉を入れてみます。
 例えば、こんな具合です。
【添削後】 『片恋の思い出苦しかき氷』 
 書くときは、間を開けたり、行を変えたりしない。「かき氷」という季語は、単に季節を示すだけでなく、氷を削るときの音や「かき氷」の旗や夏の日射しなども思い起こさせます。季語は多くの情報量をもたらす魔法の言葉です。
 どんなに酷評されても、こんな風に解説され、添削されるとだれもが納得します。高視聴率の理由は、ここにあると思います。
 夏木先生は、元学校の国語の先生だったそうです。きっと厳しい先生だったでしょう。「3つ叱って、5つ褒め、7つ教えよ」といいます。叱ったり、褒めたりすることより「教える」ことが大事だということです。


2021年7月1日木曜日

花だより 教員の前に ヤブカンゾウ

 

 教員の前に、まず社会人としての自覚を持つ
     名刺交換の仕方を知らない

 小学校の先生は、職員室に居ることが少ない。だから、電話に出ることもない。来客を接待することもないし、名刺の必要性も感じない。恥ずかしい話、自分がそれを感じたのは教務主任になって職員室に居るようになってからです。
 一般の会社では、新人研修の必修なのでしょうが、教員の初任者研修では教わりません。 
□名刺の受け渡し~両手の受け渡しが原則、交換の場合は右手で渡し、左手で受け取り、両手で見直す。席に着いたら、座っている順番にテーブルに並べる。
お茶の接待(校長室の場合)~茶碗はお客と同じ物を使う。(茶托はお客だけ、校長はいらない)、差し出すときはお客さんから(目上の人から順番に)、一度テーブルに置いてから、3㎝ずらして差し出す。ある学校に行くと、事務補さんから「冷たい麦茶の方がいいですか?」と聞かれました。それを聞いただけで「いい学校だなあ~」と思ってしまいます。
 出入りの業者さんは、管内ほぼ全ての学校を回っています。「職員室の雰囲気で、この学校は?」と評価します。この学校はお茶も出ない、テーブルは汚い、綿ぼこりが浮かんでいる。と評価されているとしたら残念です。今は教師を「聖職」と思っている人は、ほとんどいないでしょうが、「学校の先生なのに・・・」と見られます。所作には気を付けたいものです。