「総合的な学習の時間」再評価
文科省は、小中学校の裁量で国語や算数などの授業時数の配分を変えられる新制度を来年度から導入する方針を決めた。ただし、「総合的な学習の時間」や道徳などは、減らすことをしないという。~探究活動 学力に好影響~
教科の時間を削って導入されたことから、かつては学力低下の元凶として批判されたこともある「総合的な学習の時間」ですが、ここに来て探究的な学習を一層重視する構えです。
急速に変化する現代社会を生き抜く資質・能力を育てるため、小学校から高校まで行われているが、学力向上に幅広い効果があることが学力学習状況調査から分かりました。
受験戦争や知識偏重への反省から生まれた「ゆとり教育」の流れの中で導入された総合学習は、教科学習の時間を奪うと批判もされました。しかし、社会で使える国際標準の学力を育むとして、最近は重要性が再認識されています。当初より時間数は減りましたが指導要領や解説・資料は大幅に拡充され、成果も出始めています。
全国学力・学習状況調査の分析によると、総合学習をきちんと行っている学校ほど平均正答率が高く、児童生徒は家でもよく勉強している。OECDの国際学習到達度調査(PISA)報告は、日本の好成績は総合学習による部分が大きいと分析しているのです。
日本生活科・総合的学習教育学会理事の村川雅弘・鳴門教育大教授は、例えば、調べたり、まとめたりする時には国語、内容理解には理科や社会、データ整理には算数の力を活用することで、教科の学力も伸ばすことができる。問題は、自分で課題を設定し、情報を集めて整理・分析してまとめる「探究的」な過程がおろそかにされがちなことだ。と説明する。
カリキュラムの歴史に詳しい金馬国晴・横浜国立大准教授は、教師が多忙であるなどの理由で、各教科のように内容を固定し、教科で教えるように進める学校が多い。これでは問題解決力などねらう力は身につかない。と指摘する。
総合学習の原点とも言われる長野県内の小学校を長年見守ってきた平野朝久・東京学芸大教授は、子どもには自ら学ぶ意欲と力があるという前提で支援することが必要だ。それは他の教科でも同じだと、教員志望の学生たちに機会ある毎に伝えている。と話している。
👀GIGAスクール構想だけでは「探究的な学習」を推進することはできない。これからは、デジタルとのハイブリッドで進めていかなければならない。
0 件のコメント:
コメントを投稿