指導力向上は学校全体で なぜ北海道は学力が低いのか?
教員個人の指導技術だけに頼っていては、学力の向上は望めない。文科省の委託研究として、学力向上と学校の組織運営の関係について、特に学力の低い北海道を含めた調査を全国ではじめて行った。このことで組織としての学校の役割や教育委員会の支援の在り方を見直すきっかけになった。
それまで学校は、子どもたちの学力向上について、直接話題にすることを避けてきたように思える。教員が学力向上から逃げてきたという側面もある。
学力偏重と言われたことへの反動もその理由の一つだ。順位をつけること自体を問題視する考え方や、勉強ができることよりも道徳的に正しい子どもを育てることが重要だという考え方も背景にある。だからと言って、道徳に力を入れてきたわけでもない。
こうした考え方が長く続いたことで、教員自身が学力向上の技術そのものをなくしてしまい、学力向上を悪いことと捉える価値観が広まってしまった。
「学力向上だけが教育ではない」という言い方は、学力の高い県に失礼ではないか。学力が向上すれば、その他の大切な能力をなくしてしまうわけではない。学力向上から逃げる価値観が北海道ではとりわけ強いように思う。この価値観から抜け出すことが、まず第一歩である。教員の都合を優先して、公務員として当たり前の努力すら放棄しているとしたら問題である。
先生方は「この学校の子どもは書く力が弱い。」「このクラスは計算する力が弱い。」「今度の学年は、読解力が弱い…。」という言い方をする。しかし、教員の指導する能力、ひいては組織としての学校の指導力が弱いから、子どもたちのその力がついていないのである。
中学生の定期テストの学年平均を見た。英語が他の教科よりかなり低かった。問題が難しかったと理解するか、それとも指導力に問題があるのか、その点に早く気づいてほしい。
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