2022年11月30日水曜日

花だより 子どもに寄り添うとは(ポストコロナ2) アザトウナ 冬🍊

 


 子どもに寄り添うとは
 そもそも人の心について想像はできますが、知ることは簡単ではありません。大切なのは、子どもが自分の気持ちを伝えやすい、話しやすい環境を作ることです。話し相手は、子どもにとって信頼できる他者という存在であり、「居場所」が保障されることになります。大人が無理に子どもの心を理解しようとすると、子どもは大人を遠ざけようとします。子どもを自分が思う状態に近づけようとせず、「子どもに何を、なぜ期待しているのか」と問い直すことが、子どもに寄り添うことにつながります。
 コロナの休校明け、登校が負担になる子どもは少なからずいるものです。つらそうな子どもには、「無理をして学校に来なくてもいいよ」と声をかけたくなるものです。しかし、これは「来なくていい」というメッセージに受け止められかねません。子によっては「諦められたのか」と感じてしまいます。「あなたが学ぶことを支えたい。学びの場はオンラインや自宅など、いろいろある。どうしたいかな?」と子どもに選択できるような声のかけ方が大切になります。
 人間の脳には、危機的な事態に遭遇すると、不快な状態を回避しようと「安定しようとする力」や「調整する力」を発動する。コロナのようなこれまでほとんど経験したことのない場合、人間の脳は一時的にパニックになり、心身の不快感が続くが、安心できる大人がいると「復元しようとする力」が湧いてくる。子どもが持つ力に期待したい。
       「ポストコロナ時代の教育を考える」(2) 武庫川女子大学 倉石哲也教授


2022年11月29日火曜日

花だより 子どもを守るとは?(ポストコロナ1) ヒガンバナ サフラン

 


  子どもの心のケアをどうすればよいか
 災害時、子どもは大人が思っているほど、あるいは大人ほどに深刻な事態には陥っていない。むしろ、親や教員といった自分を守ってくれる(はずの)大人から影響を大きく受ける。親や教員の不安定な態度を子どもが最も恐れる。子どもは身近な大人の様子をうかがい、その様子から状況の深刻さを想像する。つまり大人と子どもは一蓮托生の関係の中に存在していると考えてよい。子どもは、大人が自分のことを本当に守ろうとしてくれているか、冷静に見極める力に長けている。
 子どもは、大人がたとえ強がりを見せてでも健全で、家や学校が安全な場所であると伝えられるとことで、落ち着いた生活ができる。大人に守られた世界で生きているという感覚を失うことがなければ、子どもは大人以上に健康に生きてくことができる。
 「ポストコロナ時代の教育を考える」(1) 武庫川女子大学 倉石哲也教授
 「お母さんが付いているから、大丈夫だよ!」と言ってあげること、笑顔でギュッとハグしてあげると子どもは一番安心するのです。
  


2022年11月28日月曜日

花だより 危機管理の原則は【さしすせそ】 リンドウ 楓

 


 学校の危機管理は、交通事故や防災防犯だけではない、生徒指導、学校保健、食物アレルギーから、セクハラ、体罰、最近は、学校の情報管理リスクと広範囲に及んでいる。
 学校の危機管理では、早期対応がその後の危機対応の成否を左右する。危機管理の原則は【さしすえそ】と言われている。
【さ】:最悪をもって 【し】:慎重かつ 【す】:素早く 【せ】:誠意をもって 【そ】:組織で対応する
 鋭い危機管理意識、敏速で的確な初期対応、被害を受けた者に対する誠実な対応、管理職を中心とした組織的対応などの着実な推進が求められる。
 ただし、管理職だけが意識が高くても危機対応はできない。
 事件・事故に巻き込まれない資質・能力への準備および問題微候の把握力・発見力や危機への準備(危機予知力)は、教職員等が習得しなければならない。
 危機管理マネジメントでは、管理職自身が危機意識や危機対応力(判断力・決断力・折衝力等)を向上させることが大切であるが、それ以上に全ての教職員の経営参画意識を高揚させ、組織としての危機管理力を高めることが求められる。
 これからの学校は、危機対応能力と危機管理体制の整備が求められる。校長のリーダーシップの下、教職員一人一人が資質・能力を向上させるとともに、情報の共有、行動連携等により組織力を強化した「チーム学校」創りに努めなければならない。


2022年11月27日日曜日

花だより 人手不足はこども園も同じ ピラカンサ カエデ

 

 
 林修先生の言葉を借りると「いつやるか?今でしょ」
 教職員の増員問題が待ったなしの状態になっています。これは幼児施設でも同じです。
消毒・清掃、子どもの誘導や見守り、個別の子どもへのケア、個別の保護者の対応など、緊急的な対応や臨時的な手立て、先々を見越した相談など、教職員で打ち合わせるべきことがコロナでさらに増えました。一日中休みなしで、土曜日も勤務があります。あらゆる課題にきちんと対処しようとすると、一日24時間では絶対に足りません。人が足りないのです。
 未満児が園で発熱しました。コロナ感染を疑います。保護者にすぐ連絡して迎えを依頼、すると1時間ほどかかるという。その間、その子に付き添わなければなりません。感染のリスクが高まります。病院の看護師のような完全防備の支度はできません。丸腰で戦場に送られる兵士のようなものです。しかし、先生方は、誰一人不平不満を言いません。園の運営は、こうした先生方の高い使命感に支えられて成り立っているのです。
 今年は、臨時職員2名の募集を行いました。小中学校の教員に比べて、保育士や保育教諭の資格は比較的取りやすいので、有資格者は多いはずです。しかし、なかなか見つかりません。新卒の多くは、勤務条件のよい都市部の幼稚園への就職を希望するのです。公立学校の教員は、何年か経つと異動がありますが、園にはありません。そのため地方の園は慢性的な人手不足状態です。また、女性の職場であるため、家庭のある職員は、重い責任を負う正職を嫌い、臨時や代替えを望む傾向にあります。
 十分な資質や能力を持った人を集めるためには、しっかりとよい雇用条件を準備することです。当たり前のことですが、時給が低く勤務時間も中途半端な求人には、よい人が応募してくれるわけがないのです。また、単年度契約で先がどうなるか分からない不安定な雇用には、「人生を賭けて保育の道に進もう」という人が乗ってくるわけがありません。また、就職後の研修や資格取得の仕組みも整備し、手厚く採用者の人生を支える仕組みを提供することも必要です。公立の園は、保育教諭の給料だけを上げるわけにはいかないといいます。
 ただ数の確保だけを形式的に優先してしまうと質の確保の問題が抜きにされてしまいかねません。それも心配です。「いつやるか?今でしょ」と言っても、そう簡単な問題ではないのです。

 

 

2022年11月26日土曜日

花だより 家読書のすすめ リュウノウギク

 

     家読書のすすめ
  読書は、子どもが言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものです。子どもと一緒に読書を楽しみながら、子どもの読書週間を育んでいきましょう。
「子どもの頃から読書量が多いと自己理解力や批判的思考力、主体的行動力が高くなる」 
  国立青少年教育振興機構は、20~60代の男女5000名を対象としたアンケート調査から子どもの頃の読書量と「自己理解力」、「批判的思考力」、「主体的行動力」の関連について分析しました。
 結果は、小学校から高等学校を通して読書量が多いと回答した人は、少ないと回答したに比べて、「自己理解力」や「批判的思考力」、「主体的行動力」のいずれの項目も高いことが分かりました。
◇自己理解力~「今の自分が好きだ」「自分には自分らしさがある」などの自己肯定感
◇批判的思考力~「もめごとを順序立てて考えることが得意」など、客観的、多面的、理論的に考える力、自分あるいは他者の意見をまとめる力、コミュニケーション能力
◇主体的行動力~「分からないことをそのままにしないで調べる」など何事にも進んで取り組む姿勢や意欲。
 ~子どもと一緒に読書を楽しむポイント~
 《幼児・小学校低学年》
・リビングに常に2~3冊の絵本を置くようにする。
・絵本の読み聞かせをする。
・図書館の読み聞かせ会に親子で参加する。
《小学校高学年》
・こどもと一緒に読書する時間(寝る前に10分間など)を決める。
・疑問に思ったことを子どもと一緒に本を活用して調べる。
・図書館に行って一緒に本を選んで読む。
《中学生・高校生》
・同じ本を読み、感じたことをや考えたことを話題にする。
・将来の夢や進路に関する本を子どもと一緒に探して読む。
・図書館で様々なジャンルの本を選んで一緒に詠む・
 
*これは相当の読書家が書いたものでしょう。読書が子どもの教育にとって、とても良いものだというのは分かっていても、これを一般家庭で習慣化するのは無理でしょう。中学生になって、こんなことができる家庭は、どれだけあるでしょうか。できるのは、幼児か小学校低学年までです。

2022年11月25日金曜日

花だより Face to Face の教育からSide by Sideへ ミゾソバ

 


 アフターコロナは、Face to Face の教育から、Side by Sideへの転換
  教室のおける教師の存在は非常に大きい。教室では、教師と子どもはFace to Faceすなわち向き合い合った関係にある。教師が話をすれば、子どもは聞く。この関係を生かして教師は子どもたちにさまざまな働きかけを行って、クラスをまとめ、目標達成へと誘っていく。ところがコロナで休校になり、子どもと向き合うことができなくなってしまった。代わって、一人一台の端末が用意され、オンライン授業が行われるようになると、画面の中に集めたようでも、実際には家庭にいるので、教室と同じではない。従来型のFace to Faceは、難しくなった。
 しかし、オンライン授業が従来型の授業より劣っているかと言えば、そうでもないというのが、実践をしてみた教師が感じているところだろう。オンラインによる学習指導の在り方を考えたとき、絶対必要とする内容はそれほど多くない。説明する資料や動画をアップロードしておいて、都合のいい時間にみて学習を進めることができる。むしろ、その方が教師も自分の使える時間を有効に使って一人一人に寄り添った丁寧な指導ができることがだんだんわかってきた。そこから浮かび上がってきたのが「Face to Face の教育から、Side by Sideへ」というキーワードである。
 これからは、個々の子どもたちの学びに寄り添うこと。学びのSide by Sideの存在が大切になる。子どもたちは、学びを自分で進めること、そこに先生が寄り添ってくれることを知ってしまった。「学校が始まったので、もう一人一人の学びには寄り添わないよ。」というわけにはいかない。
 ポストコロナの時代にあっては、Face to Face の教育を行いつつ、Side by Sideで寄り添うこと、この二つを上手に組み合わせるハイブリッドな教育が望まれる。どちらも大切で、どちらかだけというものではないが、Face to Face の教育から、学びのSide by Sideへという意識をもつ力がこれからの教師には必要である。  
  ポストコロナ時代の教育を考える(抜粋) 東京学芸大学付属小学校 鈴木秀樹 

2022年11月24日木曜日

花だより 一流料理人のジャッジ ムラサキシキブ

 

 TBSで放送されているバラエティ番組「ジョブチューン」では、さまざまな企業の人気商品を一流料理人がジャッジする企画が人気です。
 「天丼てんや」が出た時の回の話です。
 天丼といえばちょっと贅沢な和食というイメージですが、お値打ち価格で高品質の天丼を提供するのが「天丼てんや」です。
 一杯500円程度の天丼に辛口の一流料理人は全員合格を出しました。「てんやさんは、いつ行っても、盛り付けがきれい、きれいなのは店内もいっしょ、スタッフさんの対応も素晴らしい、企業努力に感心します。私たちも学ぶところは多い。」と目を赤くしてコメントした一流料理人の方がいました。
 この番組は、‘’審査員が厳しすぎる!‘’という声もあるようですが、不合格が出てもリベンジしてくる企業(チェーン店)さんが多くあります。「商品開発に命を懸けている。」というのがよく分かります。コンビニの棚に何気なく置かれているスィーツでも担当者が何年もかけて開発し、また、毎年のように改良を加えているのです。安くて美味しいはずです。
 日テレ(中京テレビ制作)の人気番組「オモウマい店」とは真逆の番組内容です。

2022年11月23日水曜日

花だより こども園という職場 イワレンゲ

 

 こども園という職場
  アイコンタクトを送り合いほほえみ合う先生、さりげなくお互いの存在を感じながら、次の行動をフォローし合う先生、ぎこちない中でお互いに気を遣いながら進めるクラス…、教育現場のコミュニケーションとは、子どもたちが過ごす空間における先生間の場の質感を支える『空気』のようなものです。あたたかくのんびりした空気感もあれば、ピリピリとした険悪な空気感もあるかもしれません。
 保育は人ありきの現場であり、保育者を取り巻く空気の質感が、関係性の質感であるともいえます。本来は子どもが伸び伸びとできる環境を支える大人でありたいのですが、保育者の関係性や雰囲気によって子どもが自分の出し方を変えている側面もあります。関係性の空気感によって影響を受けているのは、私たち大人も一緒かもしれません。子どもを真ん中に、お互いを尊重し合う園がある一方で、批判や悪口などがあり、居心地の悪い職場・お互いに気を遣い合い、踏み込まない関係性・この人の機嫌を損ねてはいけないと察し合う関係性もあります。
 人間なのでいい時も悪い時もあります。また、不器用な人もいます。ちょっとしたやり取りが気になり、「悪いことしちゃった」「嫌われているかな」など、心にチクッと刺さるトゲが積み重なり、職員間でのかかわりに苦しさを感じることもあります。
 コミュニケーションは、保育を行う土台となる人間関係を構築していくものといえます。子どもの成長や喜びを分かち合い、困ったときには相談し合い、心に寄り添い、くじけそうな心を勇気づけ合う頼もしさがある一方で、トラブルやモヤモヤする出来事があると気持ちが重く足が職場に向かなくなり、心身に影響をもたらすことがあります。
         以上「ぜんほきょう」 11月号 保育コミュニケーション協会 松原美里
 保育教諭は、職業柄、優しく、気遣いと心配りが持ち味です。しかし、相手を思いやり、気遣うことは、大切なことですが、そのことでストレスを溜めて、ぎくしゃくしたり、悩んだりすることがあります。関係性が全ていい職場など、ありえません。お互いにプロとして割り切るところは割り切って、言うことは言う。という関係性をつくることが大切なように思います。
「みんな なかよし」の学級ほど、子どもたちのストレスは高いと言われています。無断欠勤OK、出社時間自由、嫌いな仕事はしない、人の手伝いはしない、これをすることで生産効率を上げた工場があります。人間関係も崩れることはないそうです。

2022年11月22日火曜日

花だより いい夫婦の日の川柳 イソギク

 

 11月22日は「いい夫婦の日」
 ふだんパートナーに感謝の気持ちを伝えるのは、なかなかできないものです。特に年齢を重ねるとさらに難しくなります。そこでできたのが「いい夫婦の日川柳」です。17音に、夫婦のきずなが込められています。ふたりの時間に思いを巡らせ、「ありがとう」「愛しているよ」など、ふだんはなかなか言えない言葉を川柳という形で表現しています。毎年楽しみにしています。今年も心がホッとステーションになりました。
 今年の大賞は、「喜びも 涙もシェアする いい夫婦」
 「人生の明暗を共に生きる覚悟が感じられる。」とは、選考委員の皆さんの評です。
 他に私がいいなあと思ったのは、
「あ~んして 昔スイーツ 今クスリ」
「『あれってさ』 それで通じる 夫婦仲」
「わが夫婦 握り寿司なら シャリとネタ」
「コロナ禍も 夫婦元気で 密でいい」
 妻も「うん、うん…」とうなづいていました。
「今年のいい夫婦の日の川柳だよ!」と言うことで、普段言えない感謝の気持ちを伝えています。

2022年11月21日月曜日

花だより 特別支援教育への理解 ウメバチソウ

 

 こども園の保護者アンケートの結果、一番評価が低かったのが、「特別支援教育」でした。先生方の評価では、特別支援教育には、力を入れているという高評価で、保護者とのギャップがありました。つまり、特別支援の取り組みが保護者に伝わっていないということです。就学指導の保護者面談で、特別支援学級への入級を考えている保護者から、「うちの子が支援学級に入ったら、みんなからいじめられないか心配です。」と言われました。
 今の学校の特別支援教育について説明しましたが、まだこうした心配をする保護者はたくさんいます。
 学校教育の中核に特別支援教育を据える。
 平成26年に批准された「障がい者の権利に関する条約」で提唱されているインクルーシブ教育システムの理念の推進は、学校として重視することが大切です。特に学校全体で、障がいの有無や個性の違いを認め合いながら、共に学ぶことを追求することは、誰もが生き生きと活躍できる学校づくりに直結するのです。特別支援教育は、該当児だけの教育ではなく、周りの子への教育こそが大事なのです。

2022年11月20日日曜日

花だより おじいちゃん、おばあちゃんの常識 ミセバヤ

 

  今年のこども園の発表会は、一家族4名としました。昨年は、コロナ対策で密を避けるため2名までに限定しました。すると「じいじとばあばが、見れなくて寂しがっていた。」という声があって、3回に分けて開催するなど、感染対策を徹底して、おじいさん、おばあさんにも見てもらえるようにしました。
 今は、核家族化が進んで、行事の時くらいしか孫に会うことがないので、子育てに祖父母は参加していません。これは社会の常識を伝えられる人たちが子育てに参加していないということです。若い人全て常識がないということではありませんが、常識とは、広い意味で日本の文化を支えている考え方です。文化は世代から次の世代へと手渡しのように伝わっていくものなのですが、残念ながら伝わらずに薄れていっているように思います。

 日本の文化を子どもたちに確実に手渡すなら、手渡す人は2人より、祖父母を入れた4人、6人の方が確かです。核家族の時代にあっては、私たちが大切にしたい文化を次の時代に伝達できる人が半減してしまったということになります。「食べながら歩くのはだらしない。」とおばあさんが家にいたらきっとそう言うでしょう。「歩きながらものを食べるのはみっともないと思う人もいる。」と分かることが大切なことです。常識を伝えるということは、こういうことです。
人には、周りの人に不快な思いをさせない責任があります。これがマナーです。理屈でそんなことを学ぶより、顔をしかめるおばあちゃんの表情を思い浮かべて止めるという方がはるかに強いものがあります。年寄りの言うことは聞かなければなりません。責任とは人に押しつけるものではなくて、自分で引き受けるもの、素直にそう思えるのが常識というものです。
 ただし、「今のおじいちゃん、おばあちゃんが、そうした常識を持っているか?」と言われないようにしなければなりません。

2022年11月18日金曜日

花だより 管理教育と教員のやりがい ダルマキク モミジ

             
     教員のやりがいは、管理教育からは生まれない
 「報告・連絡・相談」にプラスして「確認」の徹底をあげる校長先生が多いが、教員は、校長からの管理が強化されているように感じているだろう。それは、校長も教育委員からの管理が強まっていることに他ならない。管理が強まるということは、教員の自主性や創造性が削がれるということにつながり、管理強化が、望ましい学校運営につながるとは必ずしもいえない。
  教員こそクリエーティブな仕事はないと思う。私が新卒のころは、「学級王国」と言われ、個性的な教員が多くいて、独特の学級経営をしていた。それにより教員同士の切磋琢磨があった。当時は、それに対して管理職からとやかく言われなかったように思う。ところが、今は授業妍をすれば、「学習指導要領のどこにそんなこと書いてある?」、板書の仕方、ノートの取り方、学習のルールまで、こと細かく決められていて、それをしないと指導が入る。だから教師は、決められたことを決められた通りにやるようになる。マニュアル教師と呼ばれる所以である。
 さらに日常的な時間外勤務と理不尽なことを言ってくる保護者対応に追われ、精神疾患を患う教師が増えている。そんな先生が「キャリア教育」(?)チャンチャラおかしい!ルールを守らず、規則で押さえられる子どもたちは、反発して暴れるのは当然である。
 教員の働き方改革では、仕事内容の精選を訴えているが、根本的な問題として、これまで文句も言わずにやってきたのは、教師としてのやりがいの上にサービス残業があったからだ。働き方改革の真の狙いは、モチベーションを上げることでなければならない。
 学習指導要領を読んでも、細かく具体的にこう指導しなさいとは書いていない。ところが学校に降りてくるとなぜか変わってくる。教育は、教師の自主性と創造性に負うところが大きい。だから4%の教育特別が付いた。
 教員から自主性と創造性を取ってしまうと教員を志す人はいなくなるのは当然だ。労働時間の時短も大事だが、根本的なところを大事にしてほしい。ある教育評論家の意見です。




2022年11月17日木曜日

花だより 教科書採択 ヒマラヤスギ イチョウ

 

   義務教育の教科書は無償給与されているのはご存じだと思います。これは昭和38年度に始まった制度で60年近い歴史があります。  
 北海道は「教育出版」の教科書が多く使われていますが、他にも数社あって日本中で同じ教科書を使っているわけではありません。選定するのは、各市町村教育委員会です。オホーツク管内は、教育出版一色から様々な教科書を使われるようになりました。馴染みある教科書ですが、他の出版社の教科書は見たことがないという人がほとんどではないかと思います。
 教科書にも定価がありますが、一般の商品と異なり、各社が独自に設定することはできません。その年の国の予算に応じて、文科大臣が認可する制度になっています。
 小学校国語教科書6年生用(上下)で650円程度、各社同程度の値段設定になっています。生活科の教科書は、イラストが多くなっていて、有名漫画家が作画に加わっている出版社があるなど、それぞれ写真やイラスト、資料掲示に工夫が凝らされています。
  文科省の検定を通っているので、優劣をつけるのは難しいものです。1冊の値段は高価ではありませんが、一つの地域をとるかとらないかで莫大なお金が動きます。採択の権限のある人に接触を図ろうとするのです。
 新しい教科書は、ページ数が増えています。学習指導要領の内容が増えたことや言語活動の充実で「はどめ規定」がなくなったこと、わかりやすさや学びやすさを追求して記述が工夫されたことなどにより、以前の教科書に比べて、小学校で約30%増となっています。教科書が大判になったことで、ランドセルが重くなり、ランドセル自体の軽量化が図られていたり、机が狭くなり、天板を大きくしたり、教科書が代わる影響は、さまざまなところに出ています。
 さらに情報化が進展し、教科書の他にデジタル教材の活用が進んでいます。紙面だけでなく、音声や動画等の様々なコンテンツを含んだ場合、採択や供給をどうするか、費用負担をどうするか、また、主たる教科書として扱うことをどうするか、デジタル教科書について難しい問題があります。GIGAスクール構想で一人一台の端末がやっと整備された日本です。この分野では世界から大きく遅れています。黒板とチョークに白黒の教科書の時代は終わりました。ノートを持たずにタブレットで勉強する時代です。教科書も大きく変わろうとしています。「教科書を教えるのか、教科書で教えるのか、どっちだと思う。」と新卒のとき、先輩から言われたことを思い出します。先生の考え方をまず変えなければなりません。

2022年11月16日水曜日

花だより 「うざい」「きもい」「きしょい」→「tosツイ」 ミズヒキ

 



 「うざい」「きもい」「きしょい」→「tosツイ」
 人と人との関係をわずらわしく思う若者たちが増えています。若い人たちがよく使う「うざい」という言葉が若い人たちのそういう気持ちをよく表しているようです。「きもい」は気持ち悪い、「きしょい」は気色悪いから来ている。また、「うざい」の前に語意を強める「超(ちょー)」をつけることも多い。子どももよく使うようになった。意味など知らないはずと思ったら、これが何となく使いこなしている。
 「うざい」とは「うざったい」が縮まった言葉で、「わずらわしい」、「面倒くさい」といった形容詞です。なぜ、若者たちは人間関係でそんなにも「わずらわしい」を連発しているのでしょうか。
 人と人の関係は、昔の方がもっとわずらわしかったと思います。子どものやることに口を出す大人はたくさんいました。先生も恐かったし、父親も恐かった。個人のプライバシーを守るという考え方がありませんでしたから、人間関係のわずらわしさを逃れて一人になるということができませんでした。人間関係は今よりずっと濃密でしたが、それでわずらわしさを感じることはありませんでした。もしかしたら、濃密な人間関係にある種の免疫ができあがっていて、わずらわしさを感じなくなっていたのかもしれません。
 コロナで上司とお酒を飲まなくなって良かったと思っている若者が増えているそうです。とりあえずビールではなく、自分の飲みたいお酒を頼む。お酌はしない。お酒自体飲まない。飲むなら気のあった友人同士で飲みたい。これも全て「うざい」=「わずらわしい」と思うのです。ところが、これはもう若者言葉ではないようです。「tosツイ」、「限界オタク」、「ちいかわ構文」これ何の意味か分かりますか?

2022年11月14日月曜日

花だより 王選手と村神様 ヤクシソウ 白菊

 


 今年のプロ野球は、ヤクルトの「村神様」村上宗隆選手の活躍が光った。王選手の55本のホームラン超え、最年少での3冠王を達成した。「神様」と呼ばれるのも分かります。
 ホームランの世界記録を持つ王貞治選手は、ホームランを打って派手な万歳をしたのは、世界記録を達成したときの一度しかなかったといいます。それは相手投手を気遣ってのことでした。

 この根底にあるには、日本の武士道精神です。この武士道精神は、長年、日本人の道徳の中核をなしていました。武士道とは「戦いの掟」で戦場におけるフェアプレイ精神をうたったものです。端的にいえば「卑怯を憎む心」のことです。
 ある国の子どもたちは、「万引きをしないのは、それが法律違反だから」と言います。こういうのは最低の国の最低の子どもたちです。この考えだと法律で禁止されていないことは何でもやるようになります。日本の子どもは万引きをしない。それは武士道精神に則った儒教的な家族も絆があったからです。「卑怯を憎む心」があれば「いじめ」も起きないのです。最近子どもたちの会話の中で「卑怯だぞ!」という言葉を聞かなくなりました。「卑怯なことを許さない。」大事にしたい日本の心です。
 村神様も神様なんだから、いつか王選手の世界記録を抜いて、派手なガッツポーズをしてほしい!

2022年11月12日土曜日

花だより 教頭を育てるのは校長の仕事 ミヤマボウキ  シメジ

 

優秀な教頭先生が校長になると、教頭先生の動きが歯がゆいと思うらしい。
  自分は本当に優秀な教頭先生に恵まれたと思っている。優秀な教頭とは、校長の意を体して、目配り、心配り、気配り、忖度ができる人である。しかし、そんなスーパー教頭ばかりではない。ましてや教頭不足の時代である。教頭をどう育てるか、校長の重要な努めである。
  自分は教頭時代、4人の素晴らしい校長に巡り合い、多くのことを学んだ。特に佐藤典男校長は、朝の打ち合わせが長かった。校長室からなかなか出てこないので、職員室に居た先生から、「毎朝、何を話しているのですか?」と聞かれたことがあった。
 打ち合わせは、行事の確認だけでなく、職員一人一人について、校長会議や教育委員会の話題など、多岐にわたり、校長としての考えを伺った。また、パソコンがやっと普及し始めの時で、校長講和の原稿から、研修録などの巻頭言、学校経営計画の年度の重点など、ベタ打ちの原稿を渡され「直しておいてくれ」と頼まれた。今でいうスピーチライターのようなことをしていた。
 こんなことが続くと、いつも気にするようになり、校長は何を考えているか、こうなったら、うちの校長なら、こう言うだろうな。と分かるようになった。
 夕方5時近くになると、教育委員会に足を運ぶのも毎日の日課だった。何をしに行くのか?教育委員会に行ったとき、「うちの校長毎日来て、何を話していくのですか?」と聞いたことがあった。「教頭先生の話もよく出ますよ。」と言われてドキッとした。「教頭先生の悪口を言っていく校長先生もいますが、そんな校長先生は、自分の評価を下げますよ。お宅の校長先生は、いいですよね。」と言われたことを覚えている。
 「明なれども察に及ばす 寛なれども縦に至らず」
 物事はすっかり分かっていても、細かいところをあまりとやかく言い過ぎてはいけない。また、寛大であっても締めるところは締め、放縦(ほうしゅう:思うままにふるまうこと)に任せてはならないという戒めです。明にして寛、リーダーの教訓である。
 また、ある教育長からは、「理で解き、法で押さえ、情で動かす」が管理職の心構えだと教わった。多くの人から、多くのことを教わり、助けてもらって、校長になったはずだ。そのことを教頭に伝えるのが、校長の努めだと思う。

2022年11月11日金曜日

花だより コスパとタイパ  ガマの穂  サツマイモ

 


    コスパとタイパ
 コスパ(コストパフォーマンス)がいいとは、ただ安いだけでなく、値段以上に価値があること『費用対効果』を意味する。それに対してタイパ(タイムパフォーマンス)がいいとは、かけた時間に対する効果がある『時間対効果』ことを意味する。「コスト」を「タイム」に置き換えた造語で、若者の間で流行っている言葉だということをテレビ東京の「日経スペシャル60秒で学べるNews」で見て知った。
 録画した映画やドラマ、YouTubeも1.5倍速で見る。その方が集中できて内容が理解できるという若者に対して、おじさんおばさんは、異を唱えたが。東進ハイスクールの林修先生の授業も受講生は倍速で見るという。倍速で見ている学生の方が成績がいいという結果が出たという。まさに「タイパがいい」のだ。
学問に王道なし」という言葉ある。~学問を修めるのに簡単な方法はなく、誰であろうと苦労して修得していくほかない。~という教えだが、時代は変わった。学問にもタイムパフォーマンスを求める時代になった。

2022年11月10日木曜日

花だより 睡眠と健康(睡眠負債) ダイモンジソウ

 

   睡眠と健康(睡眠負債)
 高齢社会になったせいか、健康番組や健康食品、健康器具の通販番組が多くなりました。妻もよく見ていて、健康によいという食材を率先して購入しています。
 ある健康番組で取り上げていたのが「睡眠」です。毎日、数時間ずつ寝不足が積み重なっていき、それがある基準を超えると重篤な疾患にかかるリスクが高まるというものです。寝だめは意味がないと聞きますが、休みの日には、いつもより多く寝てしまいます。むしろ少しぐらいならそうしたいものです。ところが、寝だめは、何ら効果がなく、そうした日に2時間以上多く寝てしまう人は「睡眠負債」を抱えているそうです。人によっては最適な睡眠時間は違いますが、ある調べでは日本人の平均睡眠時間は7.5時間です。
 睡眠負債は子どもの方が深刻 寝る子は育つ 睡眠が変われば子どもが変わる!
 睡眠の短時間化、ゲーム漬けの生活で昼夜逆転、寝不足による学校不適応、睡眠障害などが急増しています。食育の次は、睡眠教育(眠育)と言われています。
 昼寝の効果 こども園では、「午睡」があります。昼寝の効果として「1時間の昼寝は、夜の睡眠の3時間にあたる」と言われています。質の高い昼寝をとることで、記憶力や学習能力の向上、集中力の復活、疲労回復ストレス解消、精神的安定、心臓病やアルツハイマー病のリスクの低下などがあるそうです。15~20分でよりその効果を上げることができます。しかし、子ども園での午睡の時間帯は、打ち合わせや会議に当てます。昼寝をする時間はありません。

11月3日でパークゴルフ場が来年5月まで閉鎖になりました。

2022年11月9日水曜日

花だより 命(命令)を下すとは?(松下幸之助) シラタマホシグサ

 

    中国の習近平体制が異例の3期目に入った。4期目どころか終身体制を構築する構えだという。ロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩体制も絶対的な権力を保持している。世界からどんなに批判されようと独裁体制が揺らぐことは今のところない。
 命(命令)を下すとは?
 自分がこうしたいと思うことを人に命じて、その命のままに自在に人が動くということは、事を運ぶうえにおいて、きわめて大事なことである。しかし、命になれて、いつのまにか命がなければ人が動かないということになっては大変である。組織は成り立たない。 
 組織が硬直すると、進歩も発展も生まれない。たとえ命がなくても、以心伝心、命ずる人の意を汲んで(忖度して)、それぞれの人が適時適確にすすんで事を運んでゆく柔軟な姿のなかにこそ、かぎりない発展性が生まれてくる。
 そのためには、命を下す前に、まず人の言うことに耳を傾けることである。まず聞くことである。聞いた上で問うことである。そして、そこに我が思いと異なるところがあれば、その気づかざる点を気づかせ、思い至らざる点の理非(道理にかなっていること、いないこと)を説く。そうした納得の上に立って、断固、命を下さねばならない。命を受ける人に納得があるということは、その人の知恵がそれだけ高まったということである。わけのわからぬままに命に従わせていたのでは硬直する。命を下すということは、ほんとうにそんな容易なことではないのである。松下幸之助のこの言葉を贈りたいところだ!
 専門家の多くは、このような体制の国は長続きしないと言う。しかし、そう言われて久しいが、国民の支持率は高い。国民はイデオロギーではなく、毎日の生活の安定度で指導者を評価する。彼らは、「バイデン大統領や岸田首相、あんたたちこそ大丈夫なの?」と思っているに違いない。

2022年11月8日火曜日

花だより 学力向上には、幼児教育の充実が必要 ノコンギク

 

Center for Early Childhood Education and Car (こども園)
       ~学力向上には、幼児教育の充実が必要
 人格形成に必要な「情動」は、生まれてから5歳くらいまでに、その原型が形成されると言われています。情動とは、怒り、喜び、悲しみ、憎しみなどのような、一時的な感情の動きで、表情、身振りなどの行動の変化や心拍数増加や血圧上昇などの自律神経や内分泌系の変化を伴うものです。
 心の成長だけでなく、脳の成長も5歳までに8割程度完了すると言われています。幼児期こそが記憶力を養うために重要な時期です。小6で行う学力テストを上げようと思ったら、幼児教育を充実することです。
《育むべき記憶力とは》
 人間の脳は右脳と左脳で機能が分かれており、右脳と左脳が持つ能力にはそれぞれ下記のような違いがあります。
◆右脳~直感的な能力に優れ、高速かつ大容量の記憶ができる
◆左脳~言語力や計算力に優れ、物事を考えたり理解したりできる
 右脳と左脳では、それぞれ記憶能力にも違いがあります。右脳の記憶能力は「長期記憶」であり、左脳が司る記憶能力は「短期記憶」です。
〇長期記憶とは
 長期記憶とは、長い期間が経っても忘れずに記憶できる能力のことです。たとえば、家族の顔や名前は一度記憶すると忘れることがありません。また、自転車の乗り方や箸の持ち方といった体で覚える記憶も、長期記憶の一種です。
〇短期記憶とは
 短期記憶とは、短い期間だけ記憶できる能力のことです。短期記憶は一時的な情報を数十秒~数十分しか記憶ができません。初めて会った人の顔が半日後には思い出せない、電話した後に電話番号を正確に思い出せないなど、すぐに忘れてしまう記憶が短期記憶に該当します。
 幼児期に育むべき記憶力は、長期記憶のほうです。幼少期に長期記憶を鍛えることで、物覚えが良い子どもに育ちやすくなります。また、習い事には欠かせない、体で覚える記憶能力を向上できる点も長期記憶のメリットです。
 《幼児の記憶力を高める方法》 
 記憶力を高めるトレーニングは、脳が最も発達する幼児期が最適です。幼児期には、物事を長期間記憶できる「長期記憶」を重点的に鍛える。「親子で会話をする」「記憶力を上げるゲーム(トランプなど)をする」などは、親子で楽しみながら記憶力を高めることが可能です。また、「絵本の読み聞かせ」も、子どもの五感を刺激して記憶力を育むことができます。子どもは集中できる時間が短いため、記憶力を上げる取り組みは短い時間で行うことがポイントです。興味を持てる分野のゲーム・絵本を選ぶことで、子どもが楽しみながら記憶力を高めることができます。








2022年11月7日月曜日

花だより 卒業アルバムを持ち歩く 菊 マリーゴールド

 

  「〇○先生の時は、すごくよくしてくれて、うちの子も懐いていたんですが、中学校に進学したとたん、先生と合わないのか、不登校になってしまったんです。」特別支援学級に通っている子のお母さんの話です。間接的に中学校の担任批判です。こんな話はよく聞きます。
 小学校に訪ねてきた人がいました。外見で障害者だと分かりました。校長室で話を聞きました。たどたどしい話し方で、「小学校のときの〇〇先生に会いたい。小学校のときが一番楽しかった。中学校では、特支だった、その後、専門学校を卒業して就職したが、どこも長続きしなくて、今は家にいる。」持っていたカバンの中には、小学校の卒業アルバムが入っていました。話を聞いてあげると、その後、毎日のように来るようになりました。さすがに困って、親に連絡して事情を説明すると、「うちの子は、障害手帳を持っていないので、就職するときは、同じ扱いになるので、他の人たちと一緒に働くのは難しい。自分たちも歳を取るので、いつまでもこの子の面倒を見ることはできない。」と困っていました。成人になってから、障害手帳を取得するのは難しいと聞いたので、関係機関に何とかならないか、電話して聞いてあげたことがありました。
 持参していた卒業アルバムから、当時の担任に連絡をして、「〇〇君を覚えているか?」と聞いてみました。「特別支援学級相当の子だったが、保護者の強い要望で通常学級で受け入れることになった。『学級みんなで〇○君を支えよう。』ということを目標に取り組んだ思いで深い学級です。」と当時の思い出を熱く語りました。非常に熱心で優秀な教員であったことが伺われました。その子にとっても一番幸せな日々であったに違ありません。常に卒業アルバムを持ち歩いていたことからも分かります。
 しかし、世の中そんなに甘くはないのです。教育は、自立の基礎を養うことだとすると、親も教師もこの子のためにと思ってやったことでも、本人のために本当によかったのか?、特に特別支援教育は難しい? 

2022年11月6日日曜日

花だより 世界最弱ヒーロー、アンパンマン人気の秘密 ヨメナ 松茸

 

 

 世界最弱のヒーロー、アンパンマンは、なぜ、子どもたちに人気なのか?
 ちょっと汚れたり、雨にぬれただけでも、ジャムおじさんに助けを求める。でも、いざというときには、自分の顔をちぎって食べてもらう。そして戦います。ストーリーは、いたって簡単でワンパターンなのに、なぜ、これほどまでに子どもたちに人気なのでしょうか?
 アンパンマンを知らない子どもはいません。これほど幅広く、子どもたちに親しまれるキャラクターは、ほかにいません。しかし、73年に「アンパンマン」の最初の漫画絵本を刊行したとき、大人たちには大変不評でした。ところが、各地の幼稚園では絵本がボロボロになるまで読まれたそうです。人気に火を付けたのは純真な幼い子どもたちでした。アンパンマンといえば、ばいきんまんやドキンちゃん、しょくぱんまんなどの多くのキャラクターですが、登場キャラクター数1768は、ギネス世界記録に認定されています
 「なぜ、アンパンマンが好きなの?」と聞くと「わかんないけど好き!」と答える。アンパンマンは人に優しく、勇気を分け与える。そんな姿を、子どもたちはきっと学んでいるのです。作者のやなせさんは、90歳になっても童心を忘れない人でした。生前「子どもたちが遊ぶ下で静かに眠りたい。」と語っておられたそうです。
 よい子のみなさん、日曜の朝は、早起きして「アンパンマン」を見ましょう!
  




2022年11月5日土曜日

花だより 学テ道内14地域別結果 地域間格差浮彫り イヌダテ 菊

 


 ~檜山管内が道内トップで全国を上回る~
  全国学力・学習状況調査の北海道14地域別の結果が発表され、地域間格差が浮き彫りになりました。オホーツクは、相変わらずの最下位グループでした。全国平均を0とすると、国語は、桧山+6.2、オホーツク-4.5 その差は10.7、算数は、桧山+4.4、オホーツク-5.7で、その差は10.1です。
 市町村別でみると札幌市など、大都市、中核都市は高く、市町村は低いという傾向にありますが、檜山には大きな町はありません。小中連携した学習指導の取り組みで授業の理解度が高まったと道教委は見ています。「やれば、できる!」を証明した結果となりました。となるとオホーツクはそうした取り組みをしていないということになります。
 そもそも「学力」に関するはっきりした定義が共有されていないので、「学力テストの結果のみを持って、結論を出すのは控えるべき」という考えが根強くあります。しかし、全体的な傾向として北海道の子どもたちの学力が相対的に低いレベルにあるのは間違いありません。教育に直接携わる教育関係者(小中学校の教員)は、もっと危機感を持つべきです。 
 学力差は、家庭の経済力の差にあるとデータで証明されています。ゆとりがあると教育への関心が高くなるのは当然でしょう。残念ながら、道民の所得は、47都道府県の下から8番目で、生活保護を受けている人は、大阪に次いで2番目に多いのです。北海道の子どもたちは、家庭の経済力という観点から、学力面では不利な状況であると言えます。しかし、保護者を見ていると、共働き家庭は多いですが、経済的に苦しいと思えるような家庭は多くありるようには思えません。
 教育こそが国力を上げる最善であるとして、明治政府は、学制を発布して国民に勉学に励むように促しました。しかし、今の保護者(北海道)の多くは、「勉強なんかできなくても、元気でいてくれれば、それでいい。」「文字の読み書きは、無理にさせない。興味が湧くまで待つ」と言っています。のどかな田園風景がオーバーラップしてきます。たとえ豊かになっても北海道人の気風は、15年間ずっと最下位グループであっても、そう簡単には変わらない?しかし、学力低下は、地域の衰退を招くことを住民は理解すべきだと思います。

2022年11月4日金曜日

花だより 校長の職務(人事) オケラ 甜菜 胡桃

 


校長の職務
  田んぼの肥やしは人の足音 教員の肥やしは校長の足音
  毎日、毎日、丹念に田んぼを見回り、しっかり管理すること

 教員一人一人の能力を引き出し、それを十分に発揮することのできる分野に配置する、あるいは仕事に打ち込めるようにすること。それが経過する時に応じてタイミングを失うことなく、適時適授することが校長の努めである。
 ビジョンと必要な人材が見えてくると実は気がつかなかった自校の教職員の別な一面、新しい一面が見えてくるものである。どこの学校にも、いろいろな個性を持った教職員はいるが、それを校長がよく把握し、それぞれの能力に応じて適時適授を忘れることなく、適材適所に配置するすることが円滑な学校運営につながる。(昭和の校長の教え)
 次年度の人事異動を考える時期になりました。人事こそ校長の最大の仕事です。どんなに良い先生でも年数が経てば異動しなければなりません。後任選びは大変です。ドラフト1位指名候補者は限られています。資金力ある球団は、他球団からフリーエージェントの選手を獲得することもできますが、それができない球団は、育成選手から鍛え上げなければなりません。公立学校は、採用試験の倍率が低下しています。優秀な教員だけを集めることはできません。一人一人の教員を見極め、教員を育てることがこれからの校長に求められます。
 

2022年11月3日木曜日

花だより 「文化の日」現代アート難解? トリカブト 菊

 


  「芸術の秋」なぜ、そういわれるようになったのか? 
 日展や二科展などの展覧会が秋に多く行われているからだと言われています。地方都市でも「文化の日」に合わせて、作品展が多く開催され鑑賞に訪れる人が多くいます。
 訓子府町は、武蔵野美術大学と連携したアートタウンプロジェクトという企画があって、町の郊外にあるレクレーション公園には、現代アートの彫刻作品が5作品設置されています。
 過日、最新作が公開され見に行ってきました。一見すべり台のようで、ボルダリングのようなホールドは、町民が作成したものでブロンズ製です。作者の説明を聞きましたが、よく分かりませんでした。でも、「触って、上って、滑ってもいい。」と言われ、子どもたちにはいいかな?と思いました。
「現代アート」と聞いて、どんなイメージが思い浮かぶでしょうか。
 「説明を聞いてみるけど難しくて、見てもよくわからない。そんな印象を持つ方も多いかもしれません。実は、それは多くの人が抱くもので、難しいのは当たり前で、分からなくてもいい。何かを感じてくれればいい。」と作者は言っていました。また、町が出した製作費では全く足りなく、大学の学生ボランティアを使って何とか完成させたそうです。
 3年後に開館する鳥取県立美術館の展示の目玉として購入されたアート作品の金額が3億円(「ブリロの箱」、アンディ・ウォーホルの作品)に賛否両論、「こんなモノに3億円もかけるくらいなら、もっと別なものにかけろ!」という住民からの声に、急遽住民説明会を開催することになった。というニュースを見ました。物価が高騰して生活が苦しい今、さらに理解されるのは難しくなりました。
             新しい作品テーマは「訓子府の未来」










2022年11月2日水曜日

花だより 活字離れを食い止める? サクラダテ 白菊

 


  本屋さんが次々と閉店する中での秋の読書週間
「活字離れ」が進む一方で、スマートフォンやインターネットなどの活字にはどっぷりと浸かっています。そんななかで、読書で身につくものとは何なのでしょうか?
 スマートフォンやインターネットで情報を大量に集めるスキルがあっても、読書をしている人が集めてくる情報の質にはかなわないことがわかりました。
  (2014年12月10日 NHK「クローズアップ現代」調べ)
 〇漢字や文法に詳しくなる、知恵が増える
 〇本の内容を疑似体験したような状態になることで、想像力が鍛えられる
 〇関心や興味の幅が広がり、新しい世界へ踏み出すきっかけになる
 〇新たな発見を得ることで視野が広がり、今後に役立つ情報を得ることができる
 〇考える力がつく。自分の中に蓄積された知識がアイディアとしても活かされる
  読書にはこのようなメリットがあります。
 インターネットで流布されている情報は、確かに量は多いのですが、情報量が多いだけで「浅い」と言われています。本を読む人は、しっかりとした論理構成と自分の意見を盛り込んで話すことができるようです。
 《これからの時代に必要とされること》
インターネットで調べることと、書籍をもって調べることの差とは何か?
 それは、「一応の正解」を見つけてくることと、「自分だけの正解」を見出す差です。これからの時代を理解するためには、「自分だけの正解」を見出すスキルが必須と言われています。
 今の日本で「経済的な成長」を目指した「終身雇用制度」や「年功序列賃金制度」を守っている企業は、ほとんどありません。「国民年金システム」の崩壊も時間の問題と言われています。つまり、企業や国が用意してくれるシステムを受け入れていればいい時代は終わったのです。
 読書によって「自分だけの正解(情報編集力)」を磨かなければならないのです。
 私たちは、日常的に情報を享受するばかりになってしまっています。しかし、これからの時代は与えられた情報を自分なりに組み合わせて、新しい1つの情報を作るスキルを磨かなくてはいけません。
 そうすると、未知の問題に直面したときに手持ちの情報を使って解決できるはずです。もしこの時、自分で情報を組み立てることができないと、未知の問題には対応できないでしょう。
 *読書家や出版関係者はこういうでしょう。しかし、活字離れや紙媒体の本離れを食い止めることはできるのでしょうか。教科書もデジタル教科書にかわろうとしています。さまざまな分野にAIが活用されています。「読書をすれば、新しい時代に対応できる。」という言い方は、ちょっと賛成しかねます。
              パークゴルフ場が11月3日で閉鎖


2022年11月1日火曜日

花だより 君子、危うきに近寄らず ハロウィン[Trick or Treat] マルバノキ 秋刀魚

 



ハロウィンには、「Trick or Treat」(お菓子をくれないといたずらするぞ!)と言いながら近所の家を回ってお菓子をもらう風習があるようです。保育園など幼児施設では、秋のイベントとして定着しました。お菓子を配る風習と可愛いお化けの衣装、カボチャのオブジェなど、ビジュアル的に小さい子にはピッタリなのが定着した理由でしょう。(ハロウィンの意味など知らなくても)今やお雛祭りや節分の豆まき以上の盛り上がりを見せています。
 こうして育った子が大人になっても仮装をして、渋谷を練り歩くようになったのでしょうか?大混雑、大渋滞、ごみの山と迷惑な話です。韓国では、死者まで出してしまいました。
 事件が起きると、警察や行政、地域の安全管理が指摘されます。安全対策はもちろん必要ですが、「ハロウィンは、みんなで集まって、バカ騒ぎしましょう。」とお願いしているわけではありません。「君子、危うきに近寄らず」という諺があります。危機管理意識は、一人一人が持つべきものです。危険なところには、必ず柵がある。警備員がいる。立ち入り禁止の看板がある。と思ったら大間違いです。小さいころから、そのこともきちんと教えるべきです。「バカ騒ぎによる経済効果を良し」とするのは、あさましい話です。