2022年11月17日木曜日

花だより 教科書採択 ヒマラヤスギ イチョウ

 

   義務教育の教科書は無償給与されているのはご存じだと思います。これは昭和38年度に始まった制度で60年近い歴史があります。  
 北海道は「教育出版」の教科書が多く使われていますが、他にも数社あって日本中で同じ教科書を使っているわけではありません。選定するのは、各市町村教育委員会です。オホーツク管内は、教育出版一色から様々な教科書を使われるようになりました。馴染みある教科書ですが、他の出版社の教科書は見たことがないという人がほとんどではないかと思います。
 教科書にも定価がありますが、一般の商品と異なり、各社が独自に設定することはできません。その年の国の予算に応じて、文科大臣が認可する制度になっています。
 小学校国語教科書6年生用(上下)で650円程度、各社同程度の値段設定になっています。生活科の教科書は、イラストが多くなっていて、有名漫画家が作画に加わっている出版社があるなど、それぞれ写真やイラスト、資料掲示に工夫が凝らされています。
  文科省の検定を通っているので、優劣をつけるのは難しいものです。1冊の値段は高価ではありませんが、一つの地域をとるかとらないかで莫大なお金が動きます。採択の権限のある人に接触を図ろうとするのです。
 新しい教科書は、ページ数が増えています。学習指導要領の内容が増えたことや言語活動の充実で「はどめ規定」がなくなったこと、わかりやすさや学びやすさを追求して記述が工夫されたことなどにより、以前の教科書に比べて、小学校で約30%増となっています。教科書が大判になったことで、ランドセルが重くなり、ランドセル自体の軽量化が図られていたり、机が狭くなり、天板を大きくしたり、教科書が代わる影響は、さまざまなところに出ています。
 さらに情報化が進展し、教科書の他にデジタル教材の活用が進んでいます。紙面だけでなく、音声や動画等の様々なコンテンツを含んだ場合、採択や供給をどうするか、費用負担をどうするか、また、主たる教科書として扱うことをどうするか、デジタル教科書について難しい問題があります。GIGAスクール構想で一人一台の端末がやっと整備された日本です。この分野では世界から大きく遅れています。黒板とチョークに白黒の教科書の時代は終わりました。ノートを持たずにタブレットで勉強する時代です。教科書も大きく変わろうとしています。「教科書を教えるのか、教科書で教えるのか、どっちだと思う。」と新卒のとき、先輩から言われたことを思い出します。先生の考え方をまず変えなければなりません。

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