林修先生の言葉を借りると「いつやるか?今でしょ」
教職員の増員問題が待ったなしの状態になっています。これは幼児施設でも同じです。
消毒・清掃、子どもの誘導や見守り、個別の子どもへのケア、個別の保護者の対応など、緊急的な対応や臨時的な手立て、先々を見越した相談など、教職員で打ち合わせるべきことがコロナでさらに増えました。一日中休みなしで、土曜日も勤務があります。あらゆる課題にきちんと対処しようとすると、一日24時間では絶対に足りません。人が足りないのです。
未満児が園で発熱しました。コロナ感染を疑います。保護者にすぐ連絡して迎えを依頼、すると1時間ほどかかるという。その間、その子に付き添わなければなりません。感染のリスクが高まります。病院の看護師のような完全防備の支度はできません。丸腰で戦場に送られる兵士のようなものです。しかし、先生方は、誰一人不平不満を言いません。園の運営は、こうした先生方の高い使命感に支えられて成り立っているのです。
今年は、臨時職員2名の募集を行いました。小中学校の教員に比べて、保育士や保育教諭の資格は比較的取りやすいので、有資格者は多いはずです。しかし、なかなか見つかりません。新卒の多くは、勤務条件のよい都市部の幼稚園への就職を希望するのです。公立学校の教員は、何年か経つと異動がありますが、園にはありません。そのため地方の園は慢性的な人手不足状態です。また、女性の職場であるため、家庭のある職員は、重い責任を負う正職を嫌い、臨時や代替えを望む傾向にあります。
十分な資質や能力を持った人を集めるためには、しっかりとよい雇用条件を準備することです。当たり前のことですが、時給が低く勤務時間も中途半端な求人には、よい人が応募してくれるわけがないのです。また、単年度契約で先がどうなるか分からない不安定な雇用には、「人生を賭けて保育の道に進もう」という人が乗ってくるわけがありません。また、就職後の研修や資格取得の仕組みも整備し、手厚く採用者の人生を支える仕組みを提供することも必要です。公立の園は、保育教諭の給料だけを上げるわけにはいかないといいます。
ただ数の確保だけを形式的に優先してしまうと質の確保の問題が抜きにされてしまいかねません。それも心配です。「いつやるか?今でしょ」と言っても、そう簡単な問題ではないのです。
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