2022年11月9日水曜日

花だより 命(命令)を下すとは?(松下幸之助) シラタマホシグサ

 

    中国の習近平体制が異例の3期目に入った。4期目どころか終身体制を構築する構えだという。ロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩体制も絶対的な権力を保持している。世界からどんなに批判されようと独裁体制が揺らぐことは今のところない。
 命(命令)を下すとは?
 自分がこうしたいと思うことを人に命じて、その命のままに自在に人が動くということは、事を運ぶうえにおいて、きわめて大事なことである。しかし、命になれて、いつのまにか命がなければ人が動かないということになっては大変である。組織は成り立たない。 
 組織が硬直すると、進歩も発展も生まれない。たとえ命がなくても、以心伝心、命ずる人の意を汲んで(忖度して)、それぞれの人が適時適確にすすんで事を運んでゆく柔軟な姿のなかにこそ、かぎりない発展性が生まれてくる。
 そのためには、命を下す前に、まず人の言うことに耳を傾けることである。まず聞くことである。聞いた上で問うことである。そして、そこに我が思いと異なるところがあれば、その気づかざる点を気づかせ、思い至らざる点の理非(道理にかなっていること、いないこと)を説く。そうした納得の上に立って、断固、命を下さねばならない。命を受ける人に納得があるということは、その人の知恵がそれだけ高まったということである。わけのわからぬままに命に従わせていたのでは硬直する。命を下すということは、ほんとうにそんな容易なことではないのである。松下幸之助のこの言葉を贈りたいところだ!
 専門家の多くは、このような体制の国は長続きしないと言う。しかし、そう言われて久しいが、国民の支持率は高い。国民はイデオロギーではなく、毎日の生活の安定度で指導者を評価する。彼らは、「バイデン大統領や岸田首相、あんたたちこそ大丈夫なの?」と思っているに違いない。

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