読売新聞「時代の証言者」より 数学者 秋山 仁
「生きる力を養う教育とは」
文部省教育課程審議会委員だった1997年、学校5日制の導入などの教育改革に基づき、授業時数が削減され、中学2年の数学も週4時間から3時間に削減されることになりました。すると理数系の学会の一部は強く反対しました。私は、算数数学の授業の質の向上をさせるべきと訴えましたが、なかなか理解は得られませんでした。
円周率3.14を学校では「3」で教えるという、大手学習塾がキャッチコピーで使い、マスコミもこれに乗って、間違った情報が拡散し、理不尽な批判にも悩まされました。学習指導要領には「3.14」と明記されていたのです。また、小学校の算数では、台形の公式を教えないことも議論になりました。しかし、台形の面積は、平行四辺形の面積の求め方から少し工夫すれば導けるのです。公式を教える必要はないのです。わからない子には、教師が後押しし、基礎基本から「推して知る」力を育てればいいのです。これが算数数学を勉強する目的だと私は思います。
ところが、当時の「生きる力を育てようとした教育改革」は、国際的学力調査で日本の順位が下がりると「ゆとり教育」と批判されました。また、受験戦争が過熱した頃、学校の教員は、「詰め込み教育を変えたい」と考えていました。でも、子どもが主体の授業、考える授業をした経験のない先生方が多く、現場に戸惑いが起きました。当時の議論から四半世紀がたった今、冷静に検証してほしいと思います。 (牧野要約加筆)
経験のない先生方、理解不十分な先生は、今でもいるように思います。
新米稲刈り直前
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