NHK「お母さんといっしょ」の体操のお兄さん佐藤弘道さんの著書『子どもはぜんぜん、悪くない』から
12年間でのべ15万人の子どもたちを見てきて感じたことのなかに、スタジオに子どもが来ても、お母さんから離れず、体操のお兄さんと一緒に遊べない子どもがだんだん増えてきた。以前もそういう子どもは時々あったけれど、いつもではなかった。それが毎回どころか、3人も、時には5人も見学になってしまうことが出てきたというのです。もちろん、佐藤さんはプロですから、子どもの関心を引いて、お母さんから離れるような技をたくさん持っています。しかしそれを持ってしても、どうしても離れられない子どもが増えてきたというのです。
子どもが親から離れて遊べるのは、いつも親が見ていてくれるという信頼感があるからです。少しでも離れたら、親がどこかに行ってしまうのではないかと思ったら、子どもが親から離れないのは当然です。親子の信頼関係が薄れてきているような気がします。
子どもの「生きる力」を育むのは「安心感」
子どもを自立させるには、どうしたらいいか?
自立のモトになるのは意欲です。意欲の元になるのは安心感です。安心感は、じゅうぶんに甘えて、甘えを受け止めてもらうことで得られます。
じゅうぶん甘えて、安心感をもらった子どもが、「自分でやりたい」という意欲を持ち、自立に向かうのです。甘えない人が自立するのではなく、甘えた人が自立するのです。甘えていい子ども時代に、じゅうぶん甘えた人が自立するのです。
「8歳くらいまではしっかり甘えさせる。そうしたら、子どもは心の安定したいい子に育つ」という言葉があります。ただし、甘えさせるということは、子どもの言うなり、子どもの言うことをそのまま全て鵜呑みするということではありません。
高学年になって、子ども:「今日は、学校に行きたくない。」親:「そうかい、嫌なことがあるのかい?それなら無理しないで休みなさい。」これでは自立心は育ちません。
園庭に咲いたダリア
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