2022年11月4日、第31回北海道生活科・総合的な学習教育研究大会オホーツク・北見大会が開催されます。オホーツクでは5回目の開催になります。
研究内容を見ると「自分発、自分行~学びを自分事として捉え、本気で学び続ける子ども~」とありました。オホーツク管内の生活・総合研の本気度が出ているのかと思いましたが、今の生活・総合の現状を見て感じていることを書きます。
生活科は、願いを持ってやり遂げる
生活科は体験が手段になってはいないか?「これで気づかせました。」という教師の声を聞くと、気づきの質を上げることが目的になってしまっているような気がします。大切なのは、子どもたちが願いを持って自らやり遂げることです。その過程で様々な気づきが生じ、その中で意味のあることを理解し、学んでいくことが重要です。
前年度踏襲は避ける
毎年同じカリキュラムを踏襲するようなことは避けたい。「子どもたちに必要だから」という姿勢で臨んで欲しい。
既に多くの教材や単元が開発されているので、新しく教材開発するという感覚が薄れています。何故その単元に取り組むか。もう一度立ち止まり、目の前の子どもたちの姿を見て考えて欲しい。活動を充実させるために、各教科、領域などとの合科・関連指導をもっと積極的に取り組んでほしい。教師は常に新鮮な自分で居続けることが大事です。
ロングセラーのお菓子は、昔のままの味ではない。毎年少しずつ味を変えている。それが企業努力というものです。
「原点・理念に基づいたイノベーション」
これからの生活科や「総合」を考えると、体験や課題解決の方策も大切だが、その根底になる理念に基づいた提案が大事です。
生活科と「総合」を学んだ子どもたちからは、「自ら工夫して学ぶこと」や「共に考えること」に対して喜びを感じたなどの声を聞きます。そこには、「自分づくり」の理念を受け、生活科と「総合」が生涯の学びの基礎になっているのです。いろいろな人がさまざまな考えを持っています。人と関わることで、自分のことを改めて知ることができます。こうした「人間観」を踏まえた活動を考えていくことが大切です。
生活科と「総合」は、「探究」と「協同的な学び」を実現している教科です。それを他教科などにも広がるように体験の質を高める必要があります。それは体験を繰り返すだけでなく、表現活動を取り入れながら学習意欲を高めることが重要です。友だちと互いの意見を交換し、新たな考えに出合うことで思考力や判断力が高まっていきます。
子どもたちが本気になり、物事を真剣に追求しようとする。こうした姿をめざす上で、質の高い指導力は欠かせません。生活科や「総合」に熱心に取り組むイノベーションな教師が今必要です。
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