生徒指導の基本は、児童生徒理解です。「子どもに寄り添う」「同じ目線に立つ」ことが大切ですが、若い先生の中には、関わり方がよくわからないといった悩みを抱えています。また、ベテランでも昔にはなかった問題行動やトラブルに戸惑う先生が多いようです。子どもをとりまく環境がめまぐるしく変わる中で、どのように子どもたちとかかわっていけばいいか不断の研修が求められています。しかし、いじめ防止対策が進展せず、学校が存在する理由や現状について、教職員の日常業務は膨大であり、いじめ対策組織への報告や参集して対応を検討する余裕がないというのが現場の意見です。
「先生は多忙?」何がどのように忙しいのか?
この質問に「学習指導要領のとおりに教えていればいいんでしょ!」「複数のクラスで教えるときは、同じことを繰り返せばよい。」「先生は、赤本を見ながら授業している。」「長期の夏休みがあるでしょ!」と言った声が多くあります。教員の多忙さは、なかなか世間に理解されていません。
教員はいつでもスイッチ・オン
教育委員会事務局に勤務する指導主事の多くは、教育行政に関わる事務量の多さと多様な“忖度”に頭を痛めています。「学校に戻りたい。」という声をよく聞きます。しかし、事務量の多さに辟易している彼らも「退勤後や土日は業務から解放される。しかし、学校はそうはいかないから、その点はよい。」と言います。この「そうはいかない」という点が重要なポイントです。
教員には身体を休める時間はあっても、脳は児童生徒のことで休日であろうと夜間であろうと常に働いています。人間関係を生業とする職業であるだけに善くも悪くも学校のことで脳を独占し続け、ストレスとなります。脳が常時フル稼働で、私人でいる時間が少なく、それが極度の多忙感となっているのです。
教員の忙しさの根底には、生徒指導がいつも頭から離れない教員資質にあります。しかし、教員である以上、これからは逃れなれないのです。多忙感を解消するための働き方改革は、業務に優先順位をつけ、教員のゆとりを確保することですが、一向に進まない原因は、教員自らが、それをしていないことです。
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