≪“ひき算”の発想≫
学校の働き方改革は待ったなしですが、なかなか進んでいません。現に過労死や過労自殺で亡くなっている教師が後を絶ちません、精神疾患等になる人も増えています。授業準備をする時間がないという教員は9割、生活にゆとりがないという教員も7割もいます。これでは、いくら新学習指導要領で高い理念や21世紀に通用する資質や能力の育成を掲げたところで足元がおぼつきません。
これまで文部科学省は、“〇〇教育”や“〇〇指導”など、あれもやれ、これも必要だと、どんどん増やしてきました。この背景には社会のニーズも強くあったのですが、学校教育にあれもこれも求める“たし算”的思考でした。中教審の特別部会で検討したのは、おそらく史上初めてかもしれない“ひき算”的発想です。
具体的に教員の負担軽減として、今思い切って行うべきことは次の3点です。
(1)環境と勤務条件の整備
・定数の増加、一人当たりの授業時数の削減、行事の内容の見直し
(2)教員以外のスタッフとの連携
・月に1~2回しか来ない専門職や週に2~3回の外部指導者では、調整等で逆に負担
が増える。頻度を高くするか、教頭、教員の業務の一部を代替えするアシスタントを付
ける。
(3)教員が軽くしてもよい仕事の明示
・教育委員会からの調査依頼、文書作成依頼、活用されていない会議や研修、研修レポー
トの作成等を一度中止する。学校外の問題行動は、家庭や警察が対応するように啓発す
る。
*とにかく思い切ったことを早くやるべきです。
収穫が終わった訓子府の畑
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