学校の統廃合問題
少子化が一気に進み、オホーツク管内にはかつて200校の小中学校があった。しかし、現在は120校まで減ってしまった。「運動会も学芸会もなくなって寂しくなった。お祭りには、神社の境内ですもうをとったり、子ども神輿もあったり、楽しかった。」と地域の年寄りは懐かしむ。児童数の減少は、小規模ゆえに目立つ。その変化に気付いた保護者たちが、町の中心校へといち早く我が子を移そうとする。昔は、地域が一丸となって学校存続を願ったが今はそうではない。「早く統廃合を進めて、子どもたちが大きな学校で学べるようにしてほしい。」と行政に訴えるようになった。
学校統廃合の起因は、自治体財政の減少やその学校の教育内容にあるのではなく、人々の不安の増大のようだ。もちろん、中には子どもの数がみるみる減っていく現状を見かねて、市町村側から進める統廃合もあるが、そうしたケースでもやはり、その底流に保護者たちの不安があるから統廃合が進むわけで、地域から「学校を残してほしい」という抵抗の声が強く出れば、行政は無理な統廃合を進めず様子を見守るのがふつうである。そうして残った学校も結局数年後には統廃合となる。しかし、最近は、こうした統廃合をめぐる背景が大きく変わりはじめた。
オホーツク管内の多くの町村では、小学校と中学校が1校である。1学年1学級でクラス替えもない。保育園、幼稚園も1か所なら、中学を卒業するまで10年以上も、同じ集団で過ごすことになる。
中学3年生に「なぜ、地元の高校に進学しないのか?」と尋ねると、「高校生活くらい新しい仲間と過ごしたい。」と答える。その気持ちも分かる。地方の町は、地元高校の存続問題も抱えている。
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